粛々と 車内に広がる 米の香

昼過ぎの…地下鉄の中です。
僕はまだ…朝から何も食べていません。
これから３０分以上は…ここに乗っていなければなりません。

すると何処からか良い匂いが…僕の鼻を疼きます。
当然その匂いは…空腹の僕を驚かします。
どうやら匂いの発生源は…向いに座ってるオジサンです。

オジサンは美味しそうに…お煎餅をバリバリと食べています。
その煎餅のお米の匂いは…扉が開くと風が僕まで運びます。
オジサンは誰彼構うことなく…ボリボリと食べ続けます。

ヒモジイ僕は…オジサンを見続けます。
それでもオジサンは…お構いなしにポリパリ食べています。
その後もオジサンは…僕に一枚もお煎餅をくれませんでした。

その後僕はお煎餅を買って…沢山食べましたとさぁ。