-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

植物鑑賞(1)

2016-05-17 18:29:40 | 自然

 畑沢へ田植えを手伝いに行った5月の15日と16日に、田植え機械の不調で手植えができないために、かなりの空き時間がありました。その時間を利用して、自然観察としゃれこみました。私の自然観察は焦点が定まらないので、あっちで虫を見たかと思うとこちらでは花を見ているといった具合です。魚以外の生き物については、「散漫」そのものです。そのため、当然のごとく撮影した内容も雑然としています。しかし、それではいくら何でも御覧いただく方に失礼なので、心持ち程度ですが整理いたしました。最初は山の樹木の花です。

 この写真の花は桐の花です。桐というのは箪笥(たんす)作りの材料になるあの樹木です。桐がどうして「山の木」と言えるかとお思いの方もおられるでしょうから説明します。長い話になりますが、お付き合いください。昭和40年代に養蚕が盛んになりました。畑沢に限らず東北の農家は、稲作中心の経営で、収入が入るのは米を売った秋だけが原則でした。しかし、戦後、農家にも消費経済が浸透してくると、秋だけでなく年がら年中現金が必要となりました。そこで、米以外の収入源として養蚕が盛んになったのです。最初、養蚕に適した暖かい季節だけだったのですが、少しでも収入を増やそうと早い時期から養蚕を行うようになり、桑の葉も大量に必要になりました。そこで、新たな桑畑が山の中に大量に開墾されました。ところが、絹糸が日本以外の国で生産されるようになると、国内の養蚕業は衰退してしまいました。桑畑は荒れ放題になって雑草が生い茂り、所々に桐の種が飛んできて勝手に成長してしまいました。桐も最初のうちは箪笥などの材料として販売することもできましたが、やがてこれも外国産にとって替わられることになりました。桐も放置されてしまいました。今、残っている桐はその名残です。この桐は人が植えたものでなく、自然の働きで成長した山の中の木なので、「山の樹木」とした次第です。せっかく山の木になった桐も、周囲が元々の雑木林(広葉樹林)に戻っていくと、やがて生存競争に勝てずに枯れてしまいます。遷移途中のつかの間の姿です。たった一枚の桐の写真で、こんなにも長い文章になりましたが、これを読んでくださった方も「物好き」な御仁とお見受けいたしました。お付き合いありがとうございました。


 紫陽花の花に少し似ていますので、紫陽花(アジサイ)の仲間と勘違いされ易い花です。私も三年前までは間違っていました。紫陽花はユキノシタの仲間で、この花はガマズミ属のガマズミです。畑沢のガマズミ属として、外にオオカメノキやヤブデマリがあります。そちらの花はもっと紫陽花に似ています。ガマズミは秋になると真っ赤な実をならせます。


 同じく白い花のミズキです。街路樹に使われているハナミズキや、これから梅雨の時期に向かって畑沢の山々に咲くヤマボウシと同じくミズキ属です。ミズキは言わずと知れた「だんごぬぎ(団子の木)」です。畑沢では二月ごろに、大黒柱にこの枝を括り付けて、枝に餅、鯛などをかたどった最中の皮みたいなものを下げて祝っていました。ミズキの木は毎年、山から切り出していました。今は切り出されることもないので、伸び伸びと枝を茂らせています。繁殖力がありますので、どんどんと勢力を広げているように見えます。


 さらに同じく白い花です。葉っぱが大きく、しかも一枚の葉が放射状に裂けていますので、まるで天狗が手に持っている葉にも見えます。秋には黒い大きな実をつけます。と書けばお分かりになるでしょう。そうです。栃の木です。大きくなるのは葉っぱだけでなく、幹自体も巨大に成長します。

 そして、今度は絶対に巨木にならない樹木の花です。まだ、蕾ですが、間もなく咲くでしょう。タニウツギです。畑沢では「スダレ(マダニ)」が潜んでいると誤解されて、忌み嫌われていた存在です。「‥ウツギ」の名前ですから、梅花空木(バイカウツギ)の仲間と思っていたのですが、まるっきり別のグループに属していました。バイカウツギなどのウツギは、バラ目ユキノシタ科で、タニウツギはマツムシソウ目スイカズラ科でした。ああ、あ、ここまでになると、頭が痛くなりました。面倒くさいようです。

 さて、最後の花は、む‥。名前が分かりません。教えてください。山でしょっちゅう見ているのですが、まるで見当がつきません。


 ところで、畑沢の隣村である細野では、5月から7月にかけての行事に参加者を募っていました。5月29日には大平山登山がありますので、私も参加を申し込みました。皆さんも常盤地区公民館のホームページにアクセスしてみてください。

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