前回に続いて、5月15日と16日の空き時間で観察した植物です。前回は樹木の花を紹介しましたが、今回は草です。よく「木本類(もくほんるい)」と「草本類(そうほんるい)」とかの単語が使われ、何となく学問的な感じですが、分類学的な意味は全くありません。単なる固い「木」になるかならないかの違いだけで、そんなことはその植物の勝手でしょう。
さて、今回取り上げる草は、花が咲いているものも咲いていないものもあります。先ずは、葉っぱだけです。ハート型ですが、左右対称になっていません。大したものではなくて、極、普通のイカリソウです。この時期は花が咲いているのでしょうが、この個体は花がありませんでした。その代わりと言っては何ですが、葉にきれいな模様がありました。まるで観葉植物です。外にもイカリソウが生えていたのですが、この様な模様の葉を付けている個体はありませんでした。ところで、私の年代においては、イカリソウは常盤中学校生徒会の財源になった植物です。漢方の薬草となりました。
同じくハート型の葉ですが、左右対称です。花は見えませんでした。ウスバサイシンです。ヒメギフチョウの幼虫の餌になるそうです。昔は中々、探せなかったのですが、私の眼も大分、慣れてきて、直ぐに見つけられるようになりました。畑沢に限らず、どこにも結構、生えています。珍しいものではないようです。
カキドオシです。これも何処にでも雑草として生えている植物ですが、群落となって一斉に咲いていると、それなりのお花畑となってきれいなものです。畑沢では群落が沢山ありました。
何処にでも生えている植物が続きます。タンポポです。これは、帰化植物のセイヨウタンポポの蕾(つぼみ)です。畑沢に帰化植物が蔓延(はびこ)っています。花の下に「がく」のように見える「総苞(そうほう)」が下にそっくり返っているのが、セイヨウタンポポの動かぬ証拠だそうです。しかし、それにしても「総苞」などと、訳の分からない名前があるものです。私は自分が知らないと、このような専門用語に対して文句をつけたがります。善良で知識が浅い私には、「がく」でも「総苞」でもどちらでもいいのです。面倒な言葉は嫌いです。
さて、嬉しいことには、我が国のタンポポ様も畑沢にはちゃんと生きていました。総苞なるものはそっくり返らず、きちんと花弁に寄り添っていました。やっぱりタンポポはこうでなくちゃいけません。この日本のタンポポは、セイヨウタンポポから3mほどの所にありました。畑沢では和と洋が共存しています。でも少しだけ分が悪い感じもしました。「頑張れ、タンポポ、スビタレがいる」では応援にならないでしょうかね。