尾花沢市内の母袋地区と宮沢地区等への用事のついでに、畑沢に立ち寄りました。実家の田んぼでの田植えは、5月15日と16日に手伝ってきましたので、約十日ぶりの畑沢でした。あの時は、田植えが早い方でしたが、26日は大分、田植えが進んでいました。ほんの少しだけですが、田植えが残っているだけです。
この時期の花は、山には藤、朴、谷空木(たにうつぎ)をはじめとして沢山咲いていますが、私はカキツバタが好きです。今から50年以上も前の田植えの風景が思い出されます。小雨勝ちの天気の中で、家族の外にも何人かが手伝いに来ていました。田植えできない子どもたちは、畦道から線が引かれた田んぼの中に苗を投げ込みます。田植えをしている人たちは、世間話に花を咲かせながらも、三本の指をひっきりなしに泥の中に突っ込んでいます。やがて、昼食時間が近づくと、家からお握りが入ったお櫃などが運び込まれました。家に帰って食事する時間も惜しんで、野良で食事をします。お昼になって余裕ができ、ようやく周囲に目をやると、水路の脇に咲いているカキツバタが目に入ります。紫の花弁が雨でしっとりと濡れています。清々(すがすが)しい姿です。ところで、カキツバタは「かっこの花」と畑沢では呼ばれていました。郭公(かっこう)が渡ってきて「カッコー」と鳴く時期に咲く花という意味なのでしょうか、真相は分かりません。
一番目の目的地である母袋地区に行く途中で、延沢を通りました。そのとき、常盤小学校の移転計画があったことを思い出し、2年前に中学校だった場所へ入ってみました。既に小学校は移転していました。一応、学校の職員に説明して写真撮影の了解をいただきました。
小学校の紋章が飾られた正面玄関です。私もこの紋章を見ていたはずですが、昔を思い出せませんでした。