明治維新の6年前に津和野で生まれた森鴎外
富国強兵・文明開化と目まぐるしい時代を生き抜いた軍医であり作家でした。
教科書に載っていた文学史には「舞姫」「高瀬舟」が代表作でしたね。
特に高瀬舟では安楽死・尊厳死をテーマに今も語られる内容でよく覚えています。
貧しい兄弟で、病気で苦しみ自殺に失敗し苦しんでいる弟を兄が殺すと言う内容でした。
その島流しで護送される船の中での船頭(同心)と兄の会話が対照的で印象に残りました。
安定した職業の同心と島流しで200文をいただいた兄の境遇があまりにも違いすぎますが
「足るを知る」 (足るを知る者は富む)という老子の言葉が
本当の幸せは何なのか?を考えさせられる作品でした。
当時の道徳観念と医学を学んだ森鴎外の死への観念の違いを指摘した「高瀬舟」でした。
「時代が人を創り、人が時代の思想を創る」
そんなメッセージを残した森鴎外記念館でした。
これにて津和野旅行記終了いたします