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★和田竜・「のぼうの城」・小学館
いやはや、知らないのは俺だけだったのかんじ。
結構ブレイクしている本で、映画化されるらしいな。
時々、藤沢周平の本など、女房のお下がりで読む位で、めっきり小説を読まなくなってしまったが、新聞の書評で、館林藩とか、忍城とか、馴染みの名前が出ていて、しかもこの忍城の極近くをいつも仕事で通る。そして、1度は訪ねてみたいと思っていた処だったので、購入してしまった。
忍城城代・成田長親がまあ、主人公。あの豊臣秀吉が天下統一を成し遂げた小田原征伐に絡み、北条氏に味方していた支城を平定していく過程で、石田三成が率い向かった2万を超える大軍を向こうに、わずか数百人の武者、足軽百姓を含めてもせいぜい数千人を率い、「忍城」と呼ばれる居城にこもって戦い、最後まで耐え抜いた史実に基ずく時代小説である。
そもそも、無血開城しか無い、と思われる状況に、何故「決戦」を挑んだか?その思いや如何に?
右に利根川・左に荒川・・そこに万里の長城の如き「堤」を築き、「城ごと水底に沈める水攻め」を行なうまでの駆け引きや、その果ては・・・?
見事な、場面描写と、各人物の心理描写であった。
この、「でくのぼう」から来た、あだ名の長親(ながちか)はじめ、登場する武将などのキャラも、見事にたって、あっという間に読ませてしまう。
上下2巻だが、多分読み始めたら、眠らず読んでしまうだろう。
ちなみに、この読後に、ゆかりの地を訪ねる旅(旅ったって、俺の家から20分・遠い石田堤でも30分・皆をゆっくり回って2時間弱であった・・)を行なったのだ。
その旅日記・・・後日アップ。