
観光スポット・・・海中道路を、渡り・・・・4つの島を巡った・・・・
もはや、沖縄通いも10年は超えて、本島は行きつくした感がある・・・残っているのは、本島周辺の離島がいくつかだわな・・・

一番のここでの目的は、琉球の国の始まりの伝説の聖地を訪ねる・・である。
まずは、平安座島・・・・島のほとんどは石油備蓄のタンク群が立ち並び、壮観であるが・・それ以外は、観光には不向きかなぁ・・・
ただ、漁港には、漁連がやっている食堂があって、採れたての海鮮が味わえる・・海鮮とオリオンビールのコラボは絶品であります。
写真は、浜比嘉島の聖地から眺めた、平安座島のタンク群。

これ、わしが食った刺身定食。うまっつ!!!

平安座島を抜け、やってきたのは宮城島。
1933年(昭和8年)に沖縄考古学の父・多和田真淳(たわだしんじゅん)によって発見され、「シヌグ堂貝塚」。その跡は沖縄大学沖縄学生文化協会による表面調査や沖縄県教育委員会の本格的な発掘調査で、約2,500年前の40軒を超える堅穴住居跡が発見され、沖縄県最大の集落とわかる。今は、「シヌグ堂遺跡」と呼ばれている。


広場のみで、当時を忍ぶものはないが、写真の畑のほうまでの広大な住居群であったろう。
小高い丘、その絶壁に位置するが、どうしてこの高い場所を選んだのだろう?水はどうした?
まあ、下れば海の幸、丘のバックヤードには、木の実や動物と、資源があったか?

絶壁からの眺め・・・


遺跡を後にして、下る・・・丁度遺跡の下あたりに、太古から流れ続けたであろう湧水(ヤンガー)があった。
ガーとは、沖縄方言で、自然の湧水を利用した井戸をさす。
この貴重な真水は、シヌグ堂の縄文の人々も使ったに違いないな。

続いてやってきたのは、塩の工場。「ぬちマース(マースは、方言で塩のこと)」!!!
沖縄では有名な塩だ。


海水を霧状に噴霧し、温風を当て、水分だけを蒸発させる製法が、ミネラルたっぷりの秘密らしい・・・

この工場の庭から、絶景の「果報バンタ」への道が伸び、絶景を堪能できる。

こうして、宮城を後にして、3つ目の島「伊計島」にやってきたのだ。
仲原遺跡(なかばるいせき)、沖縄県の伊計島にある縄文時代晩期~弥生時代前期(沖縄貝塚時代中期)にかけての村落跡である。

縄文時代後期の村落の跡。こちらは、小さな島の、貴重な観光スポットか?たくさんの貝塚や、縄文(正確に言えば、沖縄の時代区分は縄文とくくらず、貝塚時代という。旧石器の後から、本土の平安頃までは、本土の縄文文化のような時代が続く。つまり、本土の歴史の物差しで計れないのだ。その貝塚時代は、また前期中期後期などと区分され、本土の中世にあたる時代は、琉球ではグスク時代と区分される)の遺跡跡があるが、皆埋め戻され、あるいは新しい構築物(道路とか家が建ってる)があって、看板のみってのが多い。ここは、復元が試みられ貴重だねぇ。


こちらなどは、墓に使われたようで。珍しいねぇ。


さて、本日のメイン!最後の島「浜比嘉島」の聖地にやってきた。

本土の日本書紀の影響が顕著だが、沖縄にも開びゃく伝説が残り、今も、息づいている。
本土なら伊邪那岐(イザナギ)伊邪那美(イザナミ)、か?
遠く東の地にある、ニライカナイから、神が琉球にやってきて、国を作り・井戸を開き・コメつくりをしてと、沖縄各地にゆかりの場所がある。
そのなかでも、開びゃくの祖と言えば、こちらの女神・アマミキヨだ。
この、琉球の神話にみえる神は、海にただよう島々に草や木をうえて琉球の国土を創成したといわれる。女神で,男神シネリキヨとの間に3人の子をもうけ,それぞれが領主,祝女(のろ),民のはじまりになるとされる。別名にアマミク,アマミキュなどと、地方の方言でいくつかの呼び名がある。

ここは、そのお方の墓とされている。

日本の神話の神々は、天皇を頂点とした体制に、ありもしない正当性を与えたり、権力の支配に利用されてきた。
沖縄の神々も、尚王朝は権威に利用したが、政治は男・安寧を願い祈る宗教は女性が勤めてきた。聖地は、男子禁制だ(今は、立ち入れるけどね)。
そして、神々が生んだ万物は、そこに神が宿ると、井戸には井戸の神、かまどには火の神(ひぬかん)と、信仰され、今も信仰され続けているのが沖縄の文化の芯を形成しているといえるように思う。権力が導入しようとした仏教や神道がほとんど根付いていないのも、ここらに起因していると思う。
こうした、沖縄の聖地に立つと、厳かなきもちになるから不思議だ。

次の聖地の前に、ちょっと寄り道・・・・昔ながらの竹の小枝に海水を流しながら、凝縮し、その凝縮海水を釜で煮詰めて作る「流下式」の塩つくりの場所を見学。結構良かったな。

そしてやってきたのは、先ほどの開びゃくの神様のお住みになった場所だわさ。


長い階段を登ると・・・

今も、安産祈願などで、訪れるひとも多いという。わしには、もはや関係ない安産だが・・・・
沖縄の聖地巡礼はいいですよ。
神が、政治で汚されず、人々の近くにいる気がします。
こうして、僕の海中道路の旅は終わったのだった。