ご存知、池上彰さんの本です。
出張の電車の暇つぶしに買いましたが、一瞬で呼んでしまいました。
それだけ読みやすいって事。伝えたいことが、するする入る。
朝のトイレ競争の非難ごうごうの間隙を縫って、ちょっとづつ読み返しています。
さすがは小学生相手に鍛えられた力。 文書は短く簡潔に・・。なるほど。
また、北野たけしの番組で、ハーバード大学のサンデル教授の哲学講義をやってました。
当然、哲学なんで、絶対の答えがない議題をあえて選んでやるわけです。
立場を変えればどう見えるか。
例題1
貴方はブレーキが壊れた暴走電車の運転手。そのままだと、線路で作業中の5人を轢く。
ところが、ポイントを切り替えれば、切り替えた先に1人でいる作業員が死ぬだけですむ。
貴方はどうするか・・。モロに当事者としての選択。
だいたいの人が、しょうがない、切り替えて1人を轢く。と答える。
私はいつも、最善を選ぶ人だから・・。
例題2
次に、貴方は電車のホームに立つ一人。目の前の人を突き落とすと騒ぎになって、そいつは死ぬが、5人は騒ぎに気づいて逃げるチャンスが与えられる。
貴方はどうするか・・。 モロに当事者でないが、傍観者の立場から、割って入って当事者になる場合の選択。
さっき、選択肢の最善を選び、1人を犠牲にすると言った人は、その1人を突き落とせないと言う。
そう答えてしまってから、少しして気がつく。
傍観者として見てるだけ。自分は1人を殺さなかった良い人。5人を死なせたのは、自分ではなく運転手。
一同、矛盾。 むぎゅ~っ。 そーくるかーっ。
あなたはどっち?
中には、私が飛び降りて犠牲になり、騒ぎを起こすと言う人がいました。
嘘やろ・・。カメラ向けられてるからやろ・・。と自分は思いましたが・・。
サンデル教授、やっつけようと思えば、相手がたけしでも簡単そうでしたが、ちょっと手前で笑いが混じるように絶妙にコントロールしてました。
さすがであります。
哲学問題なので、時間はたっぷり。一日置けば、違う意見に落ち着く場合もあり。
でも実際では、もっと周辺が詳細に見えない、他の選択肢が見えない、そこまで頭が回らない、見えたとしても時間がない。
私が当事者なら、あわわわわっと言ってる間に、5人ともご臨終でございます。
導火線が短い場合、展開が飲み込めなくて、ついていけなかった・・・・。も、一つの答えかも。
避けたいのは、早計、短絡、早合点。
そこで、その導火線、長いのか短いのか。とりあえず継ぎ足すことができるのか。
相手が暴走電車でなかったらの話でありますが・・。
ほか、IPODシリーズのプレゼンテーション。製品を売り込む技術の紹介。
なんと、専門用語を絶対使わないことが鉄則なんだとか。
あっ、その言葉、オレ知ってる。なんて喜ぶ奴は、ほっといても買うのでしょう。
その筋の物知りが、よだれを出して喜びそうな専門用語は、いっさい使わないそうです。
さっと選んで、ブーンと大きくして、どうよっ!? ってな感じ。
仕事柄、ハンコをもらう相手は、大概は土木技術のお偉いさん。
説明するはプラント系の電気設備。地方に行けば、客先に電気担当技術者がいない場合も多々あり。
お偉いさん、ISOに縛られて、一応は検査しないといけないし、予算もらう議会でも説明しないといけない。
「細かいことはどうでもエエけん、もっと土木チックに説明してや・・・。」
「はぁぁ・・。」
鍛えませう。
伝える力。