おジャ魔女どれみと徒然

おジャ魔女のこと、

日常のこと、

いろいろ。

愛を読むひとについて、そのThe Reader

2023-05-09 20:49:00 | ラブストーリー

 第二次大戦後のドイツ。

 15歳のマイケルは電車で気分を悪くし、動けなくなる。
 道すがら介抱してくれた美女・ハンナと出逢う。

 体調の戻ったマイケルは彼女のアパートへ通い詰め……
 やがて、二人は男女の関係になる──。
 
 ただのおばショタ映画だと思ったら、結構奥深い話だったw
 少年から壮年、過去と未来、時を駆けた愛の物語。
 
 ハンナの少女性、狂気と言うべきなのか、何なのか。
 人間は愛に生きもし、絶望し死に至る。その心の闇。

 分からない。形容し難い。だが……。
 愛すること、生きること、死ぬことの矛盾。溜め息しか出ん。

 まぁ、ドイツ人が、どうドイツ人を裁けるのかね?
 ヒトラーは選挙で選ばれました。このブログで何度も言ったけど。

 なら、当時、選挙権を持っていた全ての人間が罪に問われるべき。
 何を持って、境界や限定をするのか。

 人の心の中に線引きが出来ないように。
 善悪や愛に、誰がどう決めつけられるのか。

 人間の矛盾を問う作品になってると思う。
 でも、何よりの断罪はマイケルの溜め息だったと思うと切ない。

 ハンナが死を覚悟した瞬間だったと思うしな。
 刑罰以上に、マイケルに突き放されたこと。愛が冷めた瞬間。

 お互いにジジイババアだから仕方ないとはいえ。
 マイケルもマイケルで裁判の時に声を上げること出来たはずなのに。

 人間の一生、矛盾や感情を見事に表現した作品。
 ハッピーエンドじゃないとこもリアルというか、忖度なし。

 前半のおばショタで見るの止めときゃ良かったw
 こんな気持ちになるなら……少年時代の美しい思い出。

 あのまま出逢わなければ良かったのに……。
 では、また。



ポンヌフの恋人について、そのLES AMANTS DU PONT-NEUF

2023-02-15 06:50:00 | ラブストーリー

 フランス・ポンヌフ橋で暮らすホームレス、アレックス。
 失恋と病のショックで家出をしたミシェル。

 ひょんなことから二人は出逢い、恋に落ちる。

 この映画はジュリエット・ビノシュさんに尽きますね。
 強烈な個性と魅力。存在感。こんな役者さん、地上に何人いるか。

 監督に直談判して、エンディングも変更させたというw
 なんという胆力。川で素っ裸はビビったな。凄い。

 ジェットスキーはさすがに笑ったがw
 パリの情景や光も美しい。作品全体の一体感というか。

 無駄がないとか完成度の高さとか、超越している。
 強いて言うなら無理がないというべきか。

 映画という、一つの作品に、本当の意味で仕上がっている。
 何百と映画を見てきましたが、やっと本物に出会った気がする。

 フランス・ラブロマンスの巨塔の名は伊達じゃないですね。
 流石に誉め過ぎか?w ただ超オススメです。

 では、また。




 特典映像のドキュメンタリーも面白かった。豪華。
 一つの映画ってくらい見応えがあった。

 ロケ地に選ばれた小さな村の不安。
 日程や予算に翻弄される映画スタッフ。

 製作期間3年。プロデューサーが3人変わり、製作が3度中止。
 その間、待ち続けたビノシュさんの胆力がまた光る。

 『映画という使命を帯びて』。この言葉好き。
 正にこの作品を象徴していると思う。


恋はデジャ・ブについて、そのGroundhog Day

2022-06-17 17:29:00 | ラブストーリー

 各所で評価が高いループ物。
 王道的な展開で面白かったです。

 ストーリーは、

 天気予報士のフィル。毎年仕事で中継へ行っている田舎町のお祭り。
 天候不良で帰れなくなり、仕方なく1泊すると2月2日朝6時。

 2月2日朝6時、2月2日朝6時、2月2日朝6時。
 何度起きても同じ日を繰り返してしまう──。

   
 まぁ、特別捻りみたいのはないすかね。
 今の時代なら考察とか、そういう小難しい話になるんでしょうが。

 理屈抜き、ストレート。昔はこういう作品が多かったんでしょうね。
 今やるとしたら幼稚だって叩かれる。良い時代だったんだな昔って。

 最後のオークションとか、最高に痛快だった。
 燃える展開。エンディングへ向け、右肩上がりに面白い。

 てか、リアルに何日間くらいループしてんでしょうねw
 下手したら何年? あのピアノの腕から察するに。

 アメリカンは結局、楽しんじゃうから凄いわ。国民性の違い。
 日本でループ物だと、龍騎やまどマギとか。シリアス多し。

 どっちが優れてる訳ではないが。俺はこういう作品の方が好きかも。
 リアルやシリアスって現実でも体感できるしね。

 しんどいことだらけじゃん、現実なんてw
 せめて物語くらい、何も考える必要ない穏やかな話にしてくれって。

 笑わずに見れる人いるんでしょうかね?
 嘲りではなく、心から楽しませてもらった。

 映画って、本来そういうもんでしょ?
 では、また。




ひまわりについて、そのI Girasoli

2022-05-02 01:42:00 | ラブストーリー

 ウクライナ戦争が始まり、注目が集まった一作。イタリア映画。
 ロケ地がウクライナなこともあり、上映する劇場が増えてるんだと。

 ストーリーは、

 1942年。イタリア・ナポリで結婚した夫婦。
 新婚から2週間足らずで、夫はロシアへ出征。

 短いながら幸せな一時を過ごした妻は夫の帰りを待つ。
 しかし、夫は行方不明となり……。

 かなりストレートな恋愛映画。
 なんか往年の、いかにも外国のラブロマンスって感じw

 まぁ、70年代の映画だから、年季あんのは当たり前w
 だけど、悪口ってわけじゃない。完成度自体めちゃめちゃ高い。

 現代でリメイクされてもおかしくないと思う。
 ストレート、往年、年季。だからこそ面白さは鉄板。

 出会い、逢瀬、別れ、再会、惜別。テンポ良くぽんぽんと。
 オシャレの国・イタリアですが、映画作りはシンプル。心得てる。

 音楽も良いよな。そういやイタリアは音楽の国でもあったな。
 BGMが今も頭から離れない。中毒性めっちゃ高いw

 こういう映画が掘り起こされるんだから。
 戦争とは何とも因果なものよ。

 今が平和だから、こんな戯言も言える。
 いつまでも映画が楽しめる世の中であってほしい。

 では、また。




君の名前で僕を呼んでについて、そのCall Me By Your Name.

2020-07-23 00:14:00 | ラブストーリー
1983年夏、17才の少年エリオは大学教授の父や家族と共に北イタリアの別荘で過ごしていた。

エリオの父は毎年別荘で過ごす時、学生をアシスタントとして呼び寄せ研究を手伝わせていた。
そして今年、父の元へやった来たのは知性を湛えた凛々しい青年オリバーだった。

エリオとオリバー。青春の軌跡──



サスペリアで旋風を巻き起こしたルカグァダ二ーノ監督作。
問題作と聞いて嫌煙してたが、これは……アカデミー賞だねw

ノミネート止まりだったらしいけど、これは受賞してもおかしくない出来。
いや、受賞せんとおかしい。受賞させなかった選考員の目は節穴。それほどの傑作。

風景、音楽、物語。全てが完璧。すごい作品に出会ってしまいました。

吹き替えも良かったなぁ。
津田健次郎の「オリブァー……」は心が震えました。

萌えだなw
腐女子の人はぜひ吹き替えでも見てみてください。

続編の予定も組まれてて、15年後の話になるだと。
素晴らしい。今から待ち遠しいわい。

では、また