横田卓馬氏によるジャンプ漫画。
2015年から2017年まで連載。全10巻。
知名度こそ低いですが、知る人ぞ知る名作。
俺は何年か前に買って読んで面白くて。それからずっと本棚に置いてたんですが。
今回、本棚を整理する為に、ちょっと惜しいけど、手放そうかなと。
それで最後に改めて一回読んでみたんすね。
やっぱり面白いなぁ、せすピン。
捨てるの止めたw
危ない危ない、これは捨てられない!
もう1巻読んだ時点で、昔、一番最初に読んだ時の感動が蘇りまして。
改めて読んでも感動が薄れてなかったな。脳に刻まれとるわい。
少なくともこの感動が薄れるまで、せすピンは残します。
本当に面白い作品です。まだ読んでない人はぜひオススメ。
ストーリー、というよりテーマは競技ダンスというスポーツ。
男女で組む社交ダンスを競技化した種目で、フィギュアみたいに芸術点を競い大会での優勝を争う。
競技ダンスに熱中する高校生達のお話。
主人公の土屋・亘理のコンビがダンス部へ入り夏の全国大会まで。
全10巻で話自体は短いんですが、中身は詰まってて見応えがあります。
それにスポーツ漫画には珍しい展開の作品でもあると思う。そこも見所です。
似たような作品やとアイシールドとか、はじめの一歩とか。
ひ弱で地味な主人公が成長して活躍する、よくある話ではあれど。
今作の主人公・つちわたコンビはそない成長も活躍もしないというw
10巻の内、6〜10巻が最終章の全国大会編なんすが、
7巻でつちわたは2回戦落ち。もうそこで主人公の戦い終わっちゃうんすね。
普通の漫画なら、競技始めて数カ月の主人公が全国の猛者と渡り合って〜とか、
展開的にありそうですけど、今作にはそういうのなし!
けっこうシビアというか、天才や才能や努力の線引がしっかりしてる。
元々ダンスの才能を持ってる人や子供の頃から十何年努力してる人には敵わないよという。
まぁ、漫画としては現実的すぎて、あんま盛り上がらないってのは、そりゃもちろんなんすが。
でも、単に現実的なだけじゃなく、競技ダンスに対する敬意があってこその作品やと思う。
主人公はつちわたというより、競技ダンスというスポーツ。
そのスポーツに熱中する高校生全員の青春ってこと。
それを無理なく矛盾なく、セキララありのまま描いてる。
主人公がバチボコに勝ち上がっていくような興奮やカタルシスは今作では得られないし、
主人公がバリバリ活躍する系が読みたい人には微妙な内容かもだが。
ダンスを通して自分自身を変えていく。
あるいは、ただだだダンスが好きだということ。
内面での成長や情熱とか。自分の中にあるゴールを直向きに目指していく。
弱いこと結果が伴わないことに卑屈になるんじゃなく別の強さに置き換えてるのが良い。それが見てて清々しい。
つちわたは恐らく先輩達のようにプロにはなれなくて。
そういうの想像するとちょっと寂しいんだけど。
でも、ダンスはずっと続けていくんだろうなと。
そう考えると、何だか寂しさの中にも暖かさがあるような気がする。
次読み返すのはいつか分からない。
でも、この気持ちをまた味わいたい。
では、また。