おジャ魔女どれみと徒然

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復讐するは我にありについて、その「我これに報いん」

2021-05-13 06:15:00 | 刑事・社会
なんか松竹ってこんな映画ばっか撮ってね?w
西口彰事件を元にした小説原作。

1963年10月から1964年1月まで殺人5件、詐欺10件、窃盗2件。
時期的に「黒い金メダリスト」、実家がカトリックなこともあって「悪魔の子」と呼ばれた連続殺人鬼。

原作者の佐木隆三さんはリアタイで事件の裁判を傍聴したこともあるって人で、それ故のリアリティがありながら大胆な解釈やアレンジ。
この勢いは凄い。作家のイマジネーションの勝利。

そこに映画、実写としての長所を取り入れた作品になるんすかね。
最初、逮捕から始まって、ちょっと話が分かりにくい。でも、徐々に紐解かれていく。そこも面白味の一つ。

カリードの道みたいな感じ。
マフィアと殺人鬼の違いですが、実在の事件だし脚色もしっかりしてるから「復讐するは」の方が骨太に出来てると思う。

登場人物もかなり印象的。特に巌とひさ乃のやり取り。この剣呑な雰囲気シビレるな。
三國連太郎さん、倍賞千恵子さん、小川真由美さんの存在感も大きいですが、何より主演の緒形拳さん。

サイコパスならこの前見た熱帯魚のでんでんさんと同じでも、人間としての哀愁や魅力は緒形さんの方がありますね。まぁ、もともと事件の内容が違うから一概に甲乙付けられませんが。
逃避行という点なら最近だと市橋か。でも、この人ガチ逃げだしなw 昭和男のダイナミックさには勝てないっす。

ストーリーとしても面白い。
最後の遺骨ぶち撒けとか、象徴してると思うわ。

家族にすら拒絶され帰る場所もない。
この前「すばらしき世界」との対比について書きましたけど、やっぱ間違ってないんじゃないか。

的外れではあるかもしれないですがw
書いてる自分でも意味分かりませんw

ただ、なんかね。
突き放す突き飛ばすような、人との距離感や拒絶心。そこだけは昭和も令和も変わらないのかなと。

昭和は直接的というか、令和の今はコンプラだのポリコレだの叫ばれてる世ですから。
建前の方がどんどん大きくなってる気がする。一見優しいようで、他人との距離がこれほどぎこちなく、おぼつかない社会。

世界はこれから良くなるんですかね?
では、また。



すばらしき世界

丑三つの村について、その「もはや夜明けも近づいた」

2021-05-08 05:47:00 | 刑事・社会
1938年5月21日、主犯・都井睦男21歳。
村内の11軒の家を巡り33人を死傷。その後、自殺。

津山事件を元にした作品。ほとんど史実通りやったな。
村社会って怖いね。「楽園」でもそやったが。

途中からもはやPOVでしたw 津山事件を知る上では重要な映画なんじゃないすかね。
この事件が今まで日本の単独殺人の1位だったわけですが……2019年の京アニ放火がこの記録を上回る。死者36人。

狂気が身近に寄ってきた感じ。
津山事件は小さな村の話だが、今は日本全体が正直なとこ、村社会みたいなとこあるからな。

この映画の主演を務めた古尾谷雅人さんは後に非業の死を遂げることになります。
借金や遺産争いの渦中で自ら命を絶った。誰かに相談した所で解決した問題ではないとはいえ、最後まで自分で抱え込み孤独のまま。周りの人間も助けようがないから諦めて知らん振り。

それが当たり前になってる。人と関わらない方が身のためだから。
今の世の中はどこかおかしい。では、また。



冷たい熱帯魚について、その素晴らしき人生。

2021-04-20 10:10:00 | 刑事・社会
小さな熱帯魚店を経営する社本は再婚した妻や先妻の娘との冷えきった家庭環境に悩んでいた。
そんな最中、娘が万引きで捕まってしまう。平謝りの社本。そこへ助けに入ってくれたのが同業者である村田だった。

快活な村田に惹かれた社本はその後、何かと懇意になる。
しかし、その村田には恐るべき秘密があって──。



実際にあった埼玉愛犬家連続殺人事件を元にした作品。
めっちゃ面白かった。中毒性というか徐々に引き込まれてていく。

事件をなぞりながらも園子温ワールド全開。オリジナリティ溢れる映画。
ポンジュノ監督の「殺人の追憶」にも匹敵する犯罪映画の金字塔。

自殺サークル同様、オチが弱いという欠点はあるが。それ以外は全て完璧。
でんでんって何者? こういうの怪演って言うんやろな。てか、犯人の写真見たけど普通にクリソツw

「ボディを透明にする」。とんでもない迷言もでんでんさんが言うとすげー説得力あるw
他の役者さんもあんま有名な人はおらんけど、だからこそのリアリティや圧迫感。

サイコパスが大立回りするだけで、あんま教訓みたいなのは得られんが。
胸糞で二時間半無駄にしたって考える人もいるかもしれない。

実際、映画や物語としては本質や中身はあんま無いかなとは思う。
例えるなら肝心の料理はないのに、調味料や香辛料をガブ飲みさせられてるような……

胸にガツンと来るスパイシー映画です。
伝わるか? この例えw では、また。



自殺サークルについて、その「あなたとあなたの関係は?」

2021-04-14 07:34:00 | 刑事・社会
冒頭の自殺シーンが非常に有名な本作。園子温監督の問題作。
人同士の関係が希薄になる時代。今やアフターコロナで物理的に人との距離を離す時代。

正直、そんな面白い映画ではないんだがw
一度見たら忘れらんねーなこれはw ブログに書かなしゃーないw

まぁ、結局なんのこっちゃって話ですからね。
この映画見て「?」って思った人はそれでいい。そのまま勝手に生きりゃいいんですw

コロナ禍でまた自殺率も上がったそうで。人間の悩みは尽きない。
その悩みを自分のものにできるか? 他人の痛みを感じられるか?

今の人間にそんな余裕があるのか。
では、また。

悪魔が来たりて笛を吹くについて、その火焔太鼓

2021-03-16 04:02:00 | 刑事・社会
ふ~ん、これ金田一作品で最高傑作じゃないんか? 面白かった。
西田金田一いいね。見た目は正直合ってないけど。まぁ、慣れますw

ヒロインの斎藤とも子さんも良かった。かわいい。
なんか紅の豚のポルコとフィオみたいな関係で微笑ましかった。

近親相姦という重苦しそうなテーマですけど、何作か金田一見てると今作は親切設定ですかね。初めて見る人でも分かりやすいと思う。
もう毎度毎度、家系図がややこしいからな。ストーリーも病院坂の方が悲劇的だったし。

純愛、殉愛モノだな。雑味のないすっきりした映画。
やっぱ角川プロデュースすげーじゃん。金田一の冒険でふざけたおすだけのことはあるわw

では、また。