退職オヤジのひとりごと

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原爆資料館でのVIPたち

2023年05月20日 06時51分13秒 | ニュースより

広島でG7サミットが始まりました。

会場が広島であることは、岸田首相のお膝元だからだけではないでしょう。

ウクライナーロシア戦争の戦時下にあって、核への対し方を再認識する場として大きな意味を持つからだと思います。


G7首脳は原爆資料館「本館」見た? 40分の訪問「内容明かさず」被爆者から不満


ロシアの戦争犯罪について盛んに議論されていますが、かつて行われた戦争の現実を各国首脳の方々はご覧になったのでしょうか。

国連安保理の常任理事国でもある英米仏の三カ国は核保有国でもあります。


かつて米国トルーマン氏は広島市の非難に対し広島市議会議長に書簡を送り、「あなた方の市民の気持ちはよく分かる。私が決議に対して不快感を覚えることはない」と返答しました。
(トルーマン氏が原爆の使用について良心の呵責を感じず、万一の場合は引き続き使用を支持すると表明したことに対する広島市の非難に対して)

その上でトルーマン氏は、日本軍による真珠湾攻撃で米国は不意を突かれたと強調し、2発の原爆投下を決断したことは、日本への侵攻を防ぐ一助となり、米同盟軍の兵士25万人と日本人25万人の命が救われたと主張しました。
(真珠湾攻撃での米軍犠牲者は2334人、負傷者1143人)

「原爆の投下を命じた司令官として、日本と同盟国の両方の将来的な繁栄のため、広島と長崎の犠牲には喫緊の必要性があったと考える」とも表明したのです。
(原爆死没者名簿記載人数:広島市328929人、長崎市189163人 2021年8月)

 

米国人を対象にした2018年のピューの調査によれば、日本に対する核兵器の使用は正当化できると答えた米国人は56%でした。
(2015年に世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが実施した調査では、原爆投下は正当化できると答えた日本人は14%で、79%は正当化できないと回答した。)


原子爆弾が2発投下されたこと。そして、それがウラニウム型とプルトニウム型の2種類であったこと。更に目標の小倉が天候不良のため長崎に変更して強行されたこと。
これらを考えれば、原爆投下が戦争終結だけが目的でなく、実験的要素が存在したことは明白です。

そして原爆投下後、日本人医師を使っての調査および実験が行われました。

実験例:『被曝者にアドレナリンと言う血圧を上昇させるホルモンを注射し、その反応を調べていました。12人の内6人は、わずかな反応しか示さなかった。日本人医師たちは、こうした治療とは関係のない検査を毎日行っていました。調べられることはすべて行うのが、調査の方針だったと言います。調査はすべてアメリカのためであり、被曝者のために行っている意識は無かったと言います。』(2010.8.6NHKスペシャルより)

 

今回のサミット参加国の首脳たちには、非戦闘員の上空で爆発した原子爆弾の現実を直視する義務があります。


民間人の多大な犠牲という現実を見た上で「核による抑止力」を主張すればいい。

 

「本館」を見てくれたのでしょうか。


もし素通りしたのであれば残念です。

 

本館を見てのコメントは出さない・・・負の部分には顔を背けるその姿勢に対し、無性に腹が立ってしまうのです。