ダレル・ハフ氏の『 統計でウソをつく法 』というブルーバックスを読みました。
1968年初版で第106版という長ベストセラーです。
内容は、
第1章 かたよりはサンプルにつき物
第2章 “平均”でだます法
第3章 小さい数字はないも同然
第4章 大山鳴動 ネズミ一匹
第5章 びっくりグラフ
第6章 絵グラフの効用
第7章 こじつけた数字
第8章 因果はめぐる
第9章 統計操縦法
第10章 統計のウソを見破る五つのカギ
最後の統計のウソを見破る五つのカギは、
①統計の出所に注意 ②調査方法に注意 ③隠されている資料に注意 ④問題のすり替えに注意 ⑤どこかおかしくないか
でした。
文中の面白かったところを抜き出してみます。
「何も知らないことの方が、不正確なことを知っているより健全である」
「誤りが起こるのは、結果が研究者から先導的あるいは情報不足の記者を通して読者に届くまでの情報の濾過課程にある。」
「厳密に標準である人間など滅多にいないのであって、それはちょうど100枚の銅貨を投げても、オモテとウラが50枚ずつになることはほとんど無いのと同じことである。」
「この頃のジャーナリズム批判を見ると・・・ただ政府発表を無批判に書き写すだけの“ワシントンの優雅な新聞記者たち”にガミガミ小言をいっている。」
「読者というものは記事をただ無批判に読んで、それで何かを知ったと思うめでたい幻想の持ち主だと思われているのだ。」
「50%の賃金引き下げを相殺するためには、100%の値上げを獲得しなければならないのである。」
「そうですね。馬肉も入れているんですよ。しかも、五分五分に混ぜているんです。つまり、馬一頭にウサギ一匹です。」
挙げられている事例はとても古いものなのですが(原書は1954年出版)ウィットに富んでいて楽しく読めました。