加藤諦三氏の『「人生、こんなはずじゃなかった」の嘆き』という本を読みました。
老いを認めて、落ち着いた心で生きていく為の思考法を記した本でした。
内容は、
第一部 「我が人生に悔い無し」と言って死ねますか
第二部 老いを認められる人は若い
第三部 老いても幼稚な人、晩節を汚す人
印象に残った文章が沢山あるのですが、
『あなたさえ幸せならお母さんはそれでいいの』という母の言葉は、愛情表現ではなく好意的サディズムである・・・というくだりもその一つです。
この母親は、「支配の意図と自己不在」と記されていました。
無意識のうちに、相手を傷つけたり追い詰めたりすることの怖さを感じます。
そういえば、忘れっぽくなった私も「悪意無く約束を破ってしまう」ことで似たようなことをしているのではないかと不安になります。
本編の最後の方に「全ての悩みがなくなるような力を求めてはいけません」とありました。
悩みが解決できないことに悩み、理想と現実のギャップに不満を持つことが、心の安定を阻害している・・ということでしょうか。
現状を受け入れる勇気が必要なのかも知れません。
文中にあった『老いは凋落よりも成熟である』という一節を信じて生きたいと思いました。