昨日の記事でKellyの社会言語学の授業での発表について書きました。これは単位を取りたい学生全てが一度ずつ行うもので、ほぼ終わりました。以下に発表者とテーマを並べました。順序はおおよその発表順。授業の進行とだいたい対応しています。発表者の名前や国が分からない場合があるし、抜けているものもあるかもしれません。国が書いてないものは、アメリカ人ということです。でもNicholasはスペイン語圏からの移民だと思います。
Nicholas (スペイン言語学) プエルトリコ移民のコードスイッチングにおける談話マーカー使用
Asta (理論言語学・リトアニア) リトアニアの言語事情
Sara (理論言語学) モロッコのダイアグロシア
Andrew (理論言語学) 契丹語の系統
Duce (理論言語学) 半島ポルトガル語とブラジルポルトガル語の比較
Junghyoe (理論言語学・韓国) 韓国の「ネット言語」
Sinem (教育学・トルコ) ネットワーク形成における言語使用
Karin (?・ドイツ) ドイツ語の呼びかけ語
?(?・?) スペイン語(中南米)のTuとUsted
Andrew (ドイツ語学科) 英語の/r/脱落
ヨシダ (理論言語学・日本) 日本語方言アクセントの共通語化過程
Liz (ロシア語学科・ロシア) ユダヤ人の言語文化伝承
Yen-Chen (理論言語学・台湾) 台湾のポライトネス
Abdulai (民俗学・ガーナ) ガーナとアメリカのポライトネス比較
Kristen (応用言語学) 研究指導の終え方(会話ストラテジー)
Susan (応用言語学) 留学生のデートの承諾&断り方(会話ストラテジー)
Jing-yueh (理論言語学・台湾) 中国語の性差別
Jose (フランス語学科・カナダ) トランスジェンダーの言語
Bart (理論言語学) アメリカにおけるマイノリティへの英語教育
Yi-ting (理論言語学・台湾) 台湾の英語教育
自身の調査研究について述べたもの、有名な論文の紹介、自国の言語事情の紹介など内容はさまざま。Astaはソビエト連邦からの独立以降のリトアニアの言語政策の変化について。Andrew(モンゴル人の奥さんがいる)は契丹語の系統にダウール語の「基層」がある可能性を探るもの。Saraはモロッコの二言語併用について、留学体験も織り交ぜて紹介。Karinの発表はドイツ語の呼びかけ語の厳密なルールについて。Sie(フォーマル)からdu(カジュアル)に変化させるとき、当人同士の明確な宣言&承認が必要なのだそうです。応用言語学科の二人の研究報告は、まるで、留学生のための大学生活ガイダンスのようでした。Sunanによれば、留学生のデートの断り方をネイティブに判断させたところ、より上手な回答をしたのは女性に多かったそうです。なんか納得。Joseはフランス語が母語のアフリカ系カナダ人で、ジェンダーと言語の研究の中でいまだ手付かずのホモセクシュアルの人たちの言語研究の可能性について。。。 内容も対照となる言語もバラエティに富んでいて、質問・コメントも盛り上がり、正直、授業より面白い。
アメリカ人(それも白人)が圧倒的で、(他の大きな大学に比べ)やや多様性には欠けるIUですが、この授業はけっこう多彩。知らないことばかりで、教室にいるだけで「多言語世界」をのぞいた気になりました。私も日本で授業を担当していた頃には、日本語ボランティアで知り合ったイタリア人をゲストに迎えたりしましたが、比べ物にならない充実度でした。
ただ、ちょっと残念なのはこの授業も含め、あまりアフリカ系の人がいないこと。この授業ではJoseの他にはガーナ人のAbdulaiだけ。彼は私とよく話をしてくれるのですが、サッカーが好きで、ガーナのW杯初出場を喜んでいます。アメリカがいよいよ代表デビューさせようとしている、16歳のアドゥもガーナ移民。彼はガーナ代表とアメリカ代表のどちらも選択できたのですが、迷わずアメリカ代表を選んだようですね。ガーナのナショナルチームはタレント軍団で、Abdulaiは「いいんだよ、あいつなんかいなくても大丈夫だ」と自信満々です。
写真は今日の11時ごろ、キャンパス内。10月26日の記事の紅葉の写真とだいたい同じ場所ですが、すっかり葉も落ち、今日は雪。うっすら積もっていますが、その後気温が0℃くらいでとどまったし、降りも弱かったので積もりませんでした。まだ、リスやウサギはキャンパス内を飛び跳ねています。
Nicholas (スペイン言語学) プエルトリコ移民のコードスイッチングにおける談話マーカー使用
Asta (理論言語学・リトアニア) リトアニアの言語事情
Sara (理論言語学) モロッコのダイアグロシア
Andrew (理論言語学) 契丹語の系統
Duce (理論言語学) 半島ポルトガル語とブラジルポルトガル語の比較
Junghyoe (理論言語学・韓国) 韓国の「ネット言語」
Sinem (教育学・トルコ) ネットワーク形成における言語使用
Karin (?・ドイツ) ドイツ語の呼びかけ語
?(?・?) スペイン語(中南米)のTuとUsted
Andrew (ドイツ語学科) 英語の/r/脱落
ヨシダ (理論言語学・日本) 日本語方言アクセントの共通語化過程
Liz (ロシア語学科・ロシア) ユダヤ人の言語文化伝承
Yen-Chen (理論言語学・台湾) 台湾のポライトネス
Abdulai (民俗学・ガーナ) ガーナとアメリカのポライトネス比較
Kristen (応用言語学) 研究指導の終え方(会話ストラテジー)
Susan (応用言語学) 留学生のデートの承諾&断り方(会話ストラテジー)
Jing-yueh (理論言語学・台湾) 中国語の性差別
Jose (フランス語学科・カナダ) トランスジェンダーの言語
Bart (理論言語学) アメリカにおけるマイノリティへの英語教育
Yi-ting (理論言語学・台湾) 台湾の英語教育
自身の調査研究について述べたもの、有名な論文の紹介、自国の言語事情の紹介など内容はさまざま。Astaはソビエト連邦からの独立以降のリトアニアの言語政策の変化について。Andrew(モンゴル人の奥さんがいる)は契丹語の系統にダウール語の「基層」がある可能性を探るもの。Saraはモロッコの二言語併用について、留学体験も織り交ぜて紹介。Karinの発表はドイツ語の呼びかけ語の厳密なルールについて。Sie(フォーマル)からdu(カジュアル)に変化させるとき、当人同士の明確な宣言&承認が必要なのだそうです。応用言語学科の二人の研究報告は、まるで、留学生のための大学生活ガイダンスのようでした。Sunanによれば、留学生のデートの断り方をネイティブに判断させたところ、より上手な回答をしたのは女性に多かったそうです。なんか納得。Joseはフランス語が母語のアフリカ系カナダ人で、ジェンダーと言語の研究の中でいまだ手付かずのホモセクシュアルの人たちの言語研究の可能性について。。。 内容も対照となる言語もバラエティに富んでいて、質問・コメントも盛り上がり、正直、授業より面白い。
アメリカ人(それも白人)が圧倒的で、(他の大きな大学に比べ)やや多様性には欠けるIUですが、この授業はけっこう多彩。知らないことばかりで、教室にいるだけで「多言語世界」をのぞいた気になりました。私も日本で授業を担当していた頃には、日本語ボランティアで知り合ったイタリア人をゲストに迎えたりしましたが、比べ物にならない充実度でした。
ただ、ちょっと残念なのはこの授業も含め、あまりアフリカ系の人がいないこと。この授業ではJoseの他にはガーナ人のAbdulaiだけ。彼は私とよく話をしてくれるのですが、サッカーが好きで、ガーナのW杯初出場を喜んでいます。アメリカがいよいよ代表デビューさせようとしている、16歳のアドゥもガーナ移民。彼はガーナ代表とアメリカ代表のどちらも選択できたのですが、迷わずアメリカ代表を選んだようですね。ガーナのナショナルチームはタレント軍団で、Abdulaiは「いいんだよ、あいつなんかいなくても大丈夫だ」と自信満々です。
写真は今日の11時ごろ、キャンパス内。10月26日の記事の紅葉の写真とだいたい同じ場所ですが、すっかり葉も落ち、今日は雪。うっすら積もっていますが、その後気温が0℃くらいでとどまったし、降りも弱かったので積もりませんでした。まだ、リスやウサギはキャンパス内を飛び跳ねています。
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