時々雑録

ペース落ちてます。ぼちぼちと更新するので、気が向いたらどうぞ。
いちおう、音声学のことが中心のはず。

大島・吉海地区

2014年08月29日 | ことば
昨日はやはり今治市に所属する大島の南、吉海地区の方に教えていただきました。こちらは大きい島で、人口7000人もあるとのこと。しまなみ海道ができて今治駅からバスで行けるので、島だという感じがまるでしません。



出発前、今治駅近くで食事をしたところ、そこの主人(女性)が客に話しかけるタイプらしく、
「ご旅行ですか?」
「いえ、ことばの調査です。今日は大島に行きます。」
「ことばの...調査...」
と、不思議そうなようす、で、しばらく経って、
「それは...お仕事ですか? 趣味...ですか?

つとめて平静に「あ、仕事です~」と答えましたが、やっぱり不思議そうなようす。言語調査が仕事になる、というのがどうも理解しがたい、ということか、心中「実際、趣味みたいなものかもしれないですけどね...」と。

いっぽう、調査ではいきなり「方言を研究しているということですが、金田一春彦という人はご存知ですか」と尋ねられ、いちおう孫弟子にあたること(2回しか話したことがないけど...)、その人が開発したリストに従って、他の地域と比較する研究をしていることなどをお話して、珍しく「こんなこと調べて何になる?」という反応なしに、調査に入ることができました。

上の写真にあるとおり、山が島の南北を分けていて、村上水軍で知られた宮窪地区とは、あまり交流がなかった、そのせいもあって、ことばも違うという意識がある、とのこと。ニューギニア島に似た、と言ったらおおげさでしょうが、ひとつの島の中にも、あるていど集団と言語の分断が存在した、ということのようです。

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