学校近くのアパートに広島からやってきた
クラスメートの Kが住んでいました。
4人ではマージャン、2人では歌といった日常で、授業が急に休講になった
時は友人達はみな利用させてもらってました。
彼が広島から持ってきたのはギターを一本だけでした。
ダラスの暑い日、キューバ、ベトナム・・・
グループ・サウンズの時代が過ぎて、世はフォークブーム。
服装もアイビーからヒッピーへと変化していきました。
就職試験も終わったのですが、当時は緑町商店街、というより
全国の商店街が元気な時代でした。
商店街の通りに面した自宅は建て替え時にシモタ屋にしないでと
商店街の代表者にサラリーマンの父は頼まれたそうです。
自宅の一部を他人に貸すのも面倒と父は言い、僕は何か商売を
するよう父が勧めてくれました。僕は結婚したら妻に女性でもできる
商売を思い浮かべましたが、いっそのこと自分もやろうと決心して
内定していた会社の上司にお話しをしました。
結局、研修を受けても僕の気が変わりませんでしたので、
お断りしてから修行に入りました。
ヘトヘトに疲れて帰宅する時に自転車コギながら
鼻歌でも歌わないとチカラが出ないのでよく歌ったのは
学生時代に Kと部屋で歌った歌、
モップスの「たどりついたらいつも雨ふり」でした。
疲れ果てて いることは 誰にもかくせはしないだろう~
ところが オイラは何のために こんなに疲れてしまったか
今日という日がそんなに大きな一日とは思わないが
それでもやっぱり考えてしまう
ア~このけだるさは 何だ
いつかはどこかへ落ちつこうと心の置き場を捜すだけ
たどりついたら いつも雨ふり そんなことの くりかえし
やっと これでオイラの旅も終わったのかと思ったら
いつものことでは あるけれど ア~ここも やっぱり どしゃぶりさ
心の中に傘をさして はだしで歩いてる 自分が見える
人の言葉が右の耳から 左の耳へと通りすぎる
それほどオイラの頭の中は からっぽになっちまってる
今日は何故か おだやかで 知らん顔してる自分がみえる
作詞、作曲は吉田拓郎。
母が落語が好きだったので子供の頃は落語のTV番組をよく見ましたが、
三平師匠と双璧をなしていたのが三遊亭歌奴さんで後の落語協会最高顧問の
圓歌師匠。新大久保の駅員から落語界に入った方で「授業中」などはよく
聞きました。生徒が読む教科書の内容が若きヘルマン・ヘッセを見出したと
言われているカール・ブッセの詩「山のあなた」でした。
山のあなたの空遠く
さいはひ
「幸」住むと人のいふ。
ああ と
噫、われひとゝ尋めゆきて
涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたになほ遠く
さいはひ
「幸」住むと人のいふ。
訳したのが上田敏「海潮音」ですから素晴らしさも当然ですね。
僕は「たどりついたら・・・」と「山のあなた」の意味が同じようだと思っていました。
歌奴師匠の授業中では生徒が
山のあなあなあな・・・あなた もう寝ましょうよ と読んだと記憶してます。
それにしても歌手の鈴木ヒロミツさんと役者の時のギャップは凄かった~。
ご冥福をお祈りします。
食感軽く口解けのよいイタリアン・メレンゲを加えた
ミルク・クリームを作りました。次はモカです。
もう一つは起こしたレーズン酵母で作ったクランベリーのパンです。
食パンにも春の酵母を加えて練り、焼いてみました。
どんな影響が出るのか楽しみです。デシャバル訳でも消える訳でもなく
存在してくれているかが楽しみなんです。
油脂や砂糖の少ない素朴なパンは比較的ミキサーを使わなくても
手で充分に捏ね上げできますから興味があればご自分でも
試されることをお奨めします。