詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

春は水仙と地域通貨から・・

2009年02月09日 | 日記
水仙の花が
もうあちこちの庭で
ほんとに花の大好きな日本人
開高健氏が生前愛したのは(http://www.news.janjan.jp/photo-msg/0902/0902080035/1.php)

君を思いだすと
いつもそこには
校庭の下にひっそり咲く水仙と
ブラザースフォーの「七つの水仙」(http://www.youtube.com/watch?v=1i5a2kRqRhY)


*地方主権は北海道独立から、北海道独立は地域通貨からが相応しいと思う
◆北海道独立(アイヌ民族自治共和国は日高に!)に関してはーhttp://ch01617.kitaguni.tv/e771127.html

◆日本で地域通貨が盛んになったエンデが子供の頃通ったシュタイナーについてはーhttp://www.ne.jp/asahi/anarchy/anarchy/booth/
◆「エンデと金融経済」についてはーhttp://www.fsinet.or.jp/~necoco/endekinyuu.htm#one

◆地域通貨に関しての基礎知識はーhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%9C%E5%AE%8C%E9%80%9A%E8%B2%A8
◆地域通貨の疑問点についてはーhttp://www3.plala.or.jp/mig/whats-jp.html
◆地域通貨も含む連帯経済についてはーhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A3%E5%B8%AF%E7%B5%8C%E6%B8%88

◆今でもずっと好きな漫画家つげ義春についてはーhttp://a.sanpal.co.jp/hokutoh/


日本人や日本支配層の誤解

2009年02月09日 | Weblog
根拠は何もないけど・・
アメリカや中国の支配者層が最も軽蔑するのが、自公与党のように未来への理念・思想が無くて、ころころと言う事が変わる麻生首相のようなこの国の政官財指導者層のような人間ではないかと思う。

言うべきことはきちんと言い、ぶれる事の無い・・それに命を賭けるような田中角栄や小沢一郎型の人間を僕も好きだし、彼らも尊敬するのではと思う。
言うべきことはきちんと言い、その上で話し合うべきではと思う。

ことば

2009年02月09日 | 日記
ことばはいつだって空しい
まるで 
お金みたいに空虚な存在

ことばなんか
誰も信じてないこの国では
おそろしく空しい

それでも
いつだって誰かを騙そうとする
マスコミや宗教家や
官僚や政治家や大企業の
ことばではなく
未来を語る言葉もあるはずだ

ラジオを聞いてる時みたいに
目を瞑って
言葉だけを
それを言ってる人の心だけを
聞くべきなのかもしれない

偽りの言葉を撒き散らして
この世界を腐敗させてきた
官僚組織も 政治家も
マスコミも 大企業も
そこでの一番の出世コースの労働組合も
一度は消滅して
新しいものに生まれ変わるべきものだと思う

エンデの遺言

2009年02月09日 | Weblog
地域通貨がわかりやすい・・「エンデの遺言―根源からお金を問うこと」を部分的にアップする事に
◆ミハエル・エンデとこのビデオ作成の経緯ー1995年8月ドイツの作家ミハエル・エンデは65歳で死去した 。
彼は、死の前年1994年2月6日、自宅にて、NHKとのインタービューで、「新しい貨幣システム」を提案した。それがビデオ「エンデの遺言―根源からお金を問うこと」である。詳細は彼の著書「MOMO」(日本でも翻訳販売)を参照されたい。

■ビデオの要旨■
◆イントロ(エンデ曰く)現在、人々は本当の心の喜びを失っているー環境問題・貧困・戦争、現在の精神の荒廃には、お金の問題が潜んでいる

私が考えるのは、もう一度貨幣を実際になされた仕事や物の実体に対応する価値として位置付けるべきだということです。そのためには現在の貨幣システムが問題で、何を変えなくてはならないかを皆が真剣に考えなければならない

この問題は、人類が、この惑星上で今後も生存できるかどうかを決める決定的な問いだと私は思っている

重要なポイントは、例えばパン屋でパンを買う購入代金としてのお金と株式取引所で扱われる資本としてのお金は、2つの全く異なった種類のお金であるという認識です。お金には幾つかの異なった機能が与えられ、それが矛盾して問題を起こしている

お金は、最初は、物や労働をやりとりする交換手段として使われ始めた。 しかし、お金は、財産や資産の機能を持っている。このお金は、溜め込まれ流通しないお金です

更にお金には、銀行や株式市場を通じてやりとりされる資本の機能も与えられています。お金そのものが、商品や投機の対象となります。いくらでも印刷出来る紙幣、更にはコンピューター上を駆け巡る数字となったお金は、実態の無いままに、世界を駆け巡っています

現在の通貨は、全く違った機能を同時にもたされているのです。それが日々変動しながら世界をかけめぐり、生活や生産の場を混乱させているのです

◆ミュンヘン郊外にある国際児童図書館
世界中の児童文学に関する資料が集められています。エンデの多くの資料が、ここに保管されています。その書庫にはエンデの蔵書が並んでいます。その一部に、エンデが、集めていたお金に関する資料があります。その中の一冊に、スイスの経済学者でサンクトガレン大学教授ハンス・クリストフ・ビンスヴァンガー著「お金と成長」がある。この中では、経済が常に成長しつづける理由を、利子の存在に求めています。彼はエンデと直接会い、何度か意見を交換してきました

お金を作り出し、増やして行くのは、錬金術のやり方に極めて良く似ている。連金術は人間の欲望が作り出したものです。錬金術は、鉛から金を作り出そうと言うものですが、ありふれた鉛を金と言う価値のあるものに変えて行くという考えは、現代にも通じるものでしょう。通貨を印刷し、更に利子がそれを増やして行くわけですから。そのお金が一人歩きして、自然環境やモラルに影響を与えています。お金を考える時、モラルの問題を忘れてはなりません。お金には倫理的問題が存在するのです

◆エコロジー建築家マルグリット・ケネディさん 「エンデの金利ともインフレとも無縁な貨幣」の著者である建築家でもあるー
環境を損ねない建築が、コストの壁にいつもぶつかる経験を重ねて来ました
全てがお金によって支配されている実感を持ち、お金のシステムの問題を考えるようになりました。利子は未来へ問題を先送りしています。このまま利子が膨れあがって行くとしたら計算上、遅かれ早かれ、大体二世代後に経済的な破滅か地球環境の崩壊かのいずれかへ突き当たります。それが根本問題です

信じる信じないの問題では無く、誰でもコンピューターがあれば計算出来る事です。このシステムから利益を得ているのは、ほんの一握りです。今のアメリカでは、人口の1%が、その外の99%よりも多くを所有しています。つまり一方でどんどん貧しくなる国があり、自然環境も奪われ続けています その一方で少数の者達が、法外な利益を吸い上げて行く、それが今の経済システムです

◆エンデ曰くー古い文化が残る世界のどの町でも、その中心には聖堂や神殿があります

そこから秩序の光を発していました。今日では大都市の中心には銀行ビルが、聳え立っています。私はハーメルの笛吹き男をヒントにした最近のオペラで、お金があたかも聖なる物のように崇拝され、祈りの対象となっている姿を描きました。そこで、お金は神だとまで誰かが言います。なぜならお金は奇跡を起こすからです。お金は増え、しかも永遠不滅と言う性質があります。しかし、お金と言うのは神とは違って、人間が作った物です。自然界に存在せず、純粋に人間によって作られたものが、この世にあるとすれば、それはお金です
だから歴史を振り返ると言う事が重要なのです

◆経済学者内藤克人氏の解説
フアンダジー作家として知られるミハエル・エンデさんが、晩年においてお金、そして経済システムと言うものに、深い関心を持たれたと言う事を知りまして、大きな感動を覚えました

エンデさんは、お金とは一体何なのか、お金を通じて経済全体を解き明かそうと、こう言う問題提起をした訳ですが、これは正に意表をつく発想であったと思います。エンデさんが無くなって、その後世界は又新しいヘッジファンド、デリバティブ等まさにマネーゲームと言うものを正当化する様々な経済の理論と言うものに対して、多くの人々が疑問符を突きつける時代を迎えました

エンデさんは、二時間に及ぶテープの中で、そもそも自然界に存在する物質は、すべて有限である。一定の寿命があり、そして時間が経てば、劣化して行く、老化して行く、にもかかわらずお金だけは、なぜ無限なのか、不滅なのか、この問題を解き明かす事で、経済の様々な矛盾と言うものを考えて行こうと言う問題提起をされた訳であります。これから私達の社会は、多くの経済的な矛盾の中で苦しむ事になると思いますが、エンデさんは、丁度70年程前、オーストリアで行われた歴史的な実験と言うものに、大いに注目をされました

◆エンデ曰く。「私が知る限り、それはシルビオ・ゲゼルから始まりましたー
ゲゼルは、その事を真剣に考えた最初の一人です」。ゲゼルは、「お金は老化しなければならないと言うテーゼを立てました。お金は経済活動の最後のところでは、再び消え去るようにしなければならない。例えて言うならば、血液は骨髄で作られ循環し、役割を終えれば、排泄されます。循環する事で肉体は機能し、健康が保たれているのです。お金も経済と言う有機組織を循環する血液のようなものである。」と主張したのです

◆常識にとらわれずお金の本質を考えたシルビオ・ゲゼルとは、ー1862年ドイツで生まれ、1930年逝去。24歳の時アルゼンチンに移住し、実業家として成功した。

当時の南米諸国の通貨政策は混乱を極め、アルゼンチンもインフレとデフレを繰り返し、国民生活は破綻に瀕していた。ゲゼルは貨幣制度と社会の秩序には深い相関関係が存在すると考えた。第一次世界大戦が続く中で、1916年「自然的経済秩序」を出版した。ここでゲゼルは、当時の既成政党は、イデオロギーの主張のみ繰り返し、明確な経済綱領を欠いている事を批判し、その中で、「自由貨幣」と呼ばれる新たなお金の考え方を提案した。
後にケインズはその著作「一般理論」の中で、次の様に言っている。「後世の人は、マルクスよりゲゼルの精神に、より多くのものを学ぶであろう」と

◆オーストリアのチロル地方都市ヴエルグルは、シルビオ・ゲゼルの理論を実践した町ー
世界恐慌により、人口5000人の内、失業者は400人に達し、町は財政破綻の状態であった。この町の町長ウンター・グッケン・ベルガーは、経済の破綻は、お金が循環していない事が原因であると考えました。お金が循環しなければ、生産は落ち込み、失業者は増え、消費は落ちる。1932年7月町長は、町議会に図り、自分の町でのみ通用する地域通貨を発行しました。すなわち、町は事業を興し、失業者に職を与え、その報酬を「ヴエルグル労働証明書」と言う地域通貨で支払った

この通貨の裏側には「溜め込まれて貨幣循環しない貨幣は、世界を大きな飢饉、人類を貧困に陥れた。労働すればそれに見合う価値が与えられなければならない。お金を一部のものの独占にしてはならない。この目的の為にヴエルグルの労働証明書は作られた。貧困を救い、お金を循環し、仕事とパンを与えよ。」町の道路建設等で最初に給料として支払われた地域通貨は、非常な勢いで、流通し、回転する事で、お金の何倍にもなる経済活動が行われ始めた。これにより町の税収は増加した

速やかに循環するお金の秘密は、紙幣に張られてスタンプにある。このお金は月初めに紙幣の額面に1%ずつ新たにスタンプを貼り付けなければならない

言い換えれば、このお金は一ヶ月に1%づつ価値が減って行くのです。従ってこの老化するお金を手にした人は、このお金から使い始めます。溜め込まれることなく流通し、経済活動を推進する機能をお金が持ったのです。このゲゼルの老化するお金は、溜め込まれる事なく流通し続ける画期的なものでした

町は地域貨幣で奇跡が起きました。公務員の給料にも支払われ、銀行にも受け入れられるものになって行きました。地域通貨が流通する事により、町は活性化しました

ヴエルグルの成功を見て、周辺の町でもオーストリア・シリングと併用出来る地域通貨の採用を検討し始めました。しかしオーストリア政府は、1933年9月、これは国家の独占的権利を犯すとして自由貨幣の発行を禁止した。世界でも例の見ないお金の実験は、わずか13ケ月で幕を閉じたのです

◆1929年アメリカで世界不況に端を発した混乱時、アメリカでは、銀行は閉ざされ、失業者が街にあふれる事態になった。資本主義が初めて直面した試練として、共産主義や全体主義台頭の転換点となった事件でした。恐慌後の1930年代には、アメリカ全土でも次々とさまざまな地域通貨が発行されました

州や市町村などの地方自治体、会社や労働組合で限られた範囲だけで通用する独自の通貨を発行するようになったのです。この時代にアメリカで発行された自主通貨は、3000以上にも及びました。これらは恐慌後の経済救済を求めていた多くの地域や企業に、ゲゼル理論が紹介され、急激に広がったものと考えられています。しかし当時のアメリカの人々は、自分たちで通貨を発行できると言う点に関心を寄せました

◆アメリカを拠点に、30年以上も経済システムの様々な可能性を模索している未来学者ヘイゼル・ヘンダーソンさん曰くー
1930年代の地域貨幣のあり方に、現在の混乱を考えるヒントがあると考えています。何千もの地域通貨があらゆる小さな村や町で、発行されました

企業はこれら緊急通貨と呼ばれた通貨で社員に給料を支払いました。失業保険組合も独自の通貨を発行していました。当時このような通貨が、地域に出回っていたのです。これこそが、地域の中に、地域が生み出す冨や財産を留めておく最高の方法であったのです。ですから政府に良い経済政策がなければ、何時でも地域通貨は復活すると思います。大恐慌で資本主義は、転機を迎えた    -中略ー

◆ニュディール政策によって、政府が地域にお金を注ぐようになりました。そうする事によって、地域の人々が、環境を整備したり、アートプロジェクトを興したり、地域の公共施設や博物館を建てたりと言う国家事業が、全国的に展開されました。又ルーズベルトは、地域社会の雇用促進にも予算をあてました。実に素晴らしい博物館や公園が実はこの30年代に建てられたのです。この政策で、地域通貨は姿を消しました。国家資本の公共投資が地域の経済を活性化したからです

◆経済評論家内橋克人氏解説
私たちは日常当然のごとく、何の疑いもなく用いているお金・通貨でありますが、実は通貨は単一の固定されたものだけでは無い事が以上の説明で、理解された事と思う
私は、「ヴエルグル」の貨幣の裏に刷り込まれた宣言文の言葉に、大きな関心をもちました。まず第一に、通貨が停滞すると、経済が停滞する

同時に労働の対価に関し、100の労働に対し、100の対価をきちんと得る事が出来る、つまり報酬と言うものと、捧げた労働・費やされた労働が等価であると言う事になり、貨幣として最も重要な機能を取り戻したと言い得る

今時代を超えてさまざまに生み出された解決策としての、例えば旧社会主義体制であるとか、あるいは資本主義社会における市場競争原理至上主義のどちらもが、時代的な行き詰まり、閉塞状況に来ており、社会全体が停滞の中に巻き込まれ、閉じ込められてしまっている。こう言う時代から、活路を開く、何とか新しい道を選択する必要がある。その場合にこれまで見た来た実験を見つめ直す広い視点・取組の姿勢が、今私たちに求められている     -中略ー

◆米国イサカ(Ithaca)市の地域通貨事例 ー従来のお金のシステムの中で失われてしまった本当の時間を取り戻す取組みが、アメリカの小さな町で始まっています・・

イサカアワー紙幣の裏面には次の言葉が刷られています。「時は金なり。イサカアワー。私たちの技術や熟練、時間、道具、森、土地、そして川などの本当の資本によって支えられている。」イサカ市は、人口3万人、コーネル大学を中心とした学園都市である・・

市内の3500人のメンバーによって運営されている共同購入組合グリーン・スターでは、地域通貨での支払いを受け入れています。イサカはもともと豊かな農村地帯。その店では地元で生産されて農産物や食料を主に仕入れています。レジではアメリカドルと同じようにイサカアワーを使っています・・

・イサカアワーは、非営利団体:イサカアワー委員会が、発行している。この委員会は地域の人々の投票で選ばれ、ボランティアとしてこの地域通貨の発行、宣伝、管理に携わっています

イサカアワーが始めて発行されたのは、1991年、当時この地域の経済が不況に陥り、失業者は増える一方でした。地域にだけ通用する通貨を発行し、雇用を促進したり、新たな仕事を創出しようとした。発行されている紙幣はすべてオリジナルのデザインです。1アワーが10㌦、アメリカ連邦銀行も3年前からこの通貨を改めて合法と認めるようになりました

イサカアワー委員会モニカ・ハーグレイブスさん私達は、好きなだけお金を印刷出来ます。しかしイサカアワー発行には次の3つの条件がある
①誰かが新たなメンバーになる
②誰かがローンを請求する
③非営利団体に対し寄付する
これ以外にお金は絶対発行しないんです

・委員会では、2ケ月に一回アワータウンと言う新聞を発行しています。この新聞の裏にある、申込み用紙に1ドルをつけて、委員会に送ります
その時自分に何か出来るのか、何を求めているのかを書いておく。すると次の新聞にリストアップされ、イサカアワーを受け入れる意思表明になります。これでイサカアワーを使って自分の好きな商売を始める事も出来ます

8年前、ほんの40人で始めたこの地域通貨は、今では個人だけではなく、400以上の一般企業や商店が会員となって利用するまでに成長しました

この8年で発行されたイサカアワーは、およそ日本円で、800万円ほどになります。しかし利子はつかず絶えず循環することによって、2億円以上の経済的効果をもたらしたと言われている・・

・今では、銀行もイサカアワーを受け入れるようになりました。この銀行は、オルタナティブ・クレジット・ユニオン銀行です。この銀行では、ローンの支払い等さまざまな支払いに積極的に受け入れている。銀行では、受け入れたアワーは、銀行の掃除やリサイクル品の収集、コンピューターのメンテ等地域の事業所や、個人の支払いに使われている・・

・この地方の議会代表によれば、行政当局は、イサカアワーの価値を認め、積極的に支持していると言う。トンプキンス郡議会代表バーバラ・ミンクさんは・・
連邦銀行には脅威だったんでしょうね。イサカアワーが始まった時、多くの人々は笑ったものでした。地下室でおもちゃのお金を刷ろうと言うのですから。しかし、人々が、それが地域社会の信頼を背景におく交換手段の一つの方法だと理解すると、とても広く受け入れられました・・ 地域経済をささえるものだと認識したのです。もしイサカアワーを使う人が増えれば、地域のビジネスは、もっともっと良くなるでしょうね。」


◆1989年11月9日、ベルリンの壁の崩壊旧東ドイツの町ハレ、ベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツの統合によって、旧東ドイツには、新たな経済システムの波が押し寄せました。体制が変わり、多くの市民達は、資本主義原理の基での生活を始めました。自由と競走の中で、既存の多くの企業が倒産し、街には失業者があふれました

現在のハレのマーケットです。東ドイツ時代に比べて街には、物があふれています。ハレの人々は、この変化をどう受け止めているのでしょうか ・・

ドイツ統一の2年後このハレの町で、コミュニティを作り直そうと言う試みが、始まりました。デーマークと言う独自の経済単位を作り、現金を使わず通帳上で物や仕事を交換するシステムです、交換リングと呼ばれています・・

交換リングは、お金は発行していません。お金の換わりに会員同士が、通帳を持ち、物や仕事を交換する度に、その値段を決めて料金を記入するシステムになっています。この日は、作業代として15デーマークを支払うことで商談が成立しました。クリスティーネさんは、通帳の支払いの欄に15と書き込み、これまでのトータルから差し引きます。木工所の通帳には、プラス15と書き込みます。最後に互いに確認のサインをします。デーマークには、利子は付きません。コミュニィティの中の物や労働の交換は、全体としては、常にプラスマエナスがゼロになる仕組みです

新しくデーマークに加わりたいと言う人がやって来ました。システムの説明を、受け、会費と通帳代として、10マルク支払い、入会手続き完了です。デーマークは、その場から直ぐに使えます

◆大銀行の拠点として、世界の銀行が集中するスイスー
ここに個人間ではなく、零細な商店や中小企業のための60年の歴史を持つ交換リングがあります。バーゼルに本店を置き、スイス国内に6つの支店を持つヴィア銀行
ヴイアWIRは我々という意味です。1934年、世界恐慌の嵐が吹き荒れる中、スイスの商店や中小企業は、新しい経済システムを編み出しました

スイスフランとは別に、ヴイアと言う利子の付かない独自の単位を作り、取引を行うと言うものでした。ゲゼルの理論を母体として、誕生したシステムですが、今では、実際の紙幣の発行を止め、ヴィアと言う単位の取引だけに限定しました。運営は、ヴィア銀行が行い、会員は、スイス全土に及んでいます

現在では、スイス企業の17%にあたる76千社が参加し、全体のネットワークとして、スイス経済の中に、根をおろしている ・・

この制度は、あくまでも通常の通貨による取引と、同時に平行して実施されているシステムです。1ヴィアは1スイスフランに相当します ・・ヴイア銀行のエルヴェ・ドヮヴォワさんに、スイス経済にヴィアが果たしている役割を聞きました

「スイスでは80%が中小企業です。この数字で、私達の存在意義を理解して戴けるでしょう。私たちが中小企業をどのように支えているかですが、一つには、ヴィアのシステムがスイスフランにプラスアルファのビジネスをもたらしている事です。フランとヴィア並存する事で、お互いにプラスになっています
更にヴィアに加入する事で、連帯が強まり、購買力が一つの輪の中で維持され、外へ逃げて行かない事が、私達の強みです。」

◆経済評論家内橋克人解説東と西の対立、東西冷戦構造が崩壊して、1990年代に入ると、益々市場原理を至上のものとする、そう言う一辺倒型の市場主義が世界を覆って来た。世界はある意味で、同時多発的に共生セクターを求めてさまざまな運動が台頭してきた。その前に共生セクターの原理とは、連帯とか、信頼更に協同とかにあると思う・・

◆オーストリア・チロル地方
このアルプスの保養地で、未来のお金のシステムを考えようと言う国際会議が開かれました。会議には、金融関係者や経済学者を中心に、様々なジャンルの専門家が、ヨーロッパやアメリカから参加しました。かってのローマ会議のように世界の経済の専門家や市民が一堂に会して、金融システムを真剣に、話し合いたい。エンデが生前実現を願っていた会議への第一歩です。会議は4日間に及び、テーマの一つは、ゲゼル理論のヴエルグルでの実践でした

◆カリフォルニア大学バークレー校のベルナール・リエター氏は・・
もし私が貴方と協力関係になりたかったら、実際にそれを築くような別の通貨が必要なのです。目的に応じて道具は使い分けるべきです。ですから私達には、複数のお金が必要なのです。経済の未来は、私達がどんな関係を持ちたいかで決まります。世界中で何千も使われ始めた地域通貨は、その関係性を回復する一つの新しい道具なのです。」

◆今日のシステムの犠牲者は、第三世界の人々と、自然にほかなりません。このシステムが、自ら機能するために、今後もそれらの人々と自然は、容赦なく搾取され続けるでしょう。このシステムは消費し、成長し続けなければ、機能しないのですから。成長は無からくるのではなく、どこかが、その犠牲になっているからです。歴史に学ぶ者なら、誰でも解るように、理性が人を動かさない場合には、実際の出来事が、それを行うのです

◆エンデ「私が作家として、この点で出来る事は、子孫達が、同じ過ちを犯す事がないよう考えたり、新たな観念を生み出す事です。そうすれば、この社会は、否応なく変わるでしょう。世界は必ずしも滅亡するわけではありません 》