詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

今日の詩二編 

2009年05月28日 | 日記
    傷

今日も
ヨモギ入りの風呂に浸かって
あちこちの痛みで
傷の在り処がわかる

でもこころの傷は
あまりにも多すぎて
どれが傷なのか
カサブタなのか
それとも
誰かを傷つけてしまった
返り血なのだろうか・・

だからこそ
ぼくもまた
一匹の人間なのか
だからこそ
これほどまでに
誰かを傷つけ
嘲笑しながらも
生き延びたいと思うのだろうか・・


    平等

誰にとっても平等なのは
死が訪れることだ

どんな金持ちだろうと
どんな権力者だろうと
死から逃れることはできない

漢字や庶民や地方の苦しみがわからない麻生や
社会福祉やセイフティネットを破壊してゆけば
それのための消費税増税に賛成するだろうという
特権官僚の甘言に乗って
この世界一素晴らしかった国を
世界でも最悪の地獄に変えてしまった
小泉や竹中や安倍だろうと・・

この世界の地獄から
目を塞ぐ人間たちは
死んでゆく時に
なんと呟くのだろう

◆ベトナムからイラク・アフガンまでの侵略戦争やサブプライムローン等の国際金融資本に金を貢ぎ続けて、世界中を破壊し尽くしたアメリカの奴隷的金庫番ー日本と日本人こそが、この世界の地獄化の一番の元凶なのだと僕は思う。
詳しくはーhttp://www.news.janjan.jp/world/0905/0905274095/1.php



盲目

2009年05月28日 | 日記
ずっと・・リンク集トップのHPを始めた頃の日記を読みふけっていた
現在の日記よりもはるかに面白いなとずいぶん哀しくなる。本も沢山読んでいたんだな・・詳しくはー
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/pikkipikki/diary/200712A


    盲目   pikki

冬の一本道を
ひとり歩いてゆくぼくに
「さよなら!」と微笑みながら
君の自転車が
追い越していったから
なんだか後ろ向きで
バラードを口ずみたくなる

とっくに
こころが盲いているからこそ
こんなにも世界は美しいのかもしれない
両耳を塞いで生てきたから
たったひとつのことばが
いつまでも
響き渡るのかもしれない

忘れていたことばを
思い出せそうでいて思い出せない
夕暮れには
より深い群青色へと
染まりゆきながら
風の後ろ姿を
いつまでも見上げている

かたわらを
流れすぎていったものたちよ
意味もなく
お前たちを呼び止めてしまったのは
ぼくの心もまた
捨てることでしか生きられない
盲目を弄んでいたせいだろうか


『葦の湿原(さろべつ)のかなた』 黒田喜夫(抜粋)

 聴いてくれ
 だから聴け
 だから忘れないでくれ
 忘れないでくれ
 忘れてくれ そして忘れよ
 「(かつて)蓑を纏うことが人格を
 離れて神格に入る手段であった」と 暗く
 四肢がうごき
 濡れた着物の落ちる
 音が聴こえたとき
 だが過ぎ去ることさえない季の死
 わたしの草の着物は
 ひとりの肉と実在を包んでいたと
 黙しながら
 覚えある蓑のひとが暗がりから
 波うつ葉緑素の国家の真昼間へ
 深い現時いまとなって戻らず
 ここから歩きでていった
 ことを忘れてくれ
 だから忘れてくれ
 だから忘れるな
 河べりのひとつの夏を忘れないでくれ 

*後注に、「」は折口信夫より引用とー