儲かっている外資系だから実現できるのかも!
日本マイクロソフトは2019年4月22日、働き方改革の加速に向けた自社実践プロジェクトに関する記者説明会を開催した。
同社は働き方改革を経営戦略の中核に位置付けており、その基本理念として「ワークライフチョイス」を掲げている。ワークライフチョイスとは、仕事(ワーク)や生活(ライフ)の事情・状況に応じて、多様で柔軟な働き方が選択(チョイス)できるという意味だ。
日本マイクロソフト 代表取締役社長 平野拓也氏は「仕事に集中したい時期、子育てや介護の時期、社会との繋がりを築きたい時期など、ライフステージによって、仕事以外に時間をかけるべきものがあると思っている。それぞれのライフステージに合わせた働き方を、罪悪感なくしっかりやらせたい」と語った。
多様なライフステージに合わせた新しい働き方
日本の働き方は、かつては仕事か生活かの2択を迫るような「ワークオアライフ」だったが、近年は仕事と生活の比率を調整する「ワークライフバランス」の考え方に変化してきた。しかし、現在の人々の多様なライフステージやバックグラウンドを考えると、それに合わせた新しい働き方が必要だと同氏は強調した。「人が人生において生きがいを感じ、そして仕事でより多くのインパクトを出すような仕組みが必要なのではないか。それがワークライフバランスならぬワークライフチョイスという考え方だ」
仕事と生活についての考え方の変化 出典:マイクロソフト
こうした考えに基づき、今回、ワークライフチョイスの推進に向けた新たな自社実践プロジェクトの実施を決めた。全社員が「短い時間で働き、よく休み、よく学ぶ」ことに挑戦し、生産性や創造性を向上させることを目標としている。
週休3日制を試験導入
具体的な取り組みとして、1カ月間 の週休3日制トライアルを行う。2019年、2020年の8月に限って、毎週金曜日に全オフィスを休業日とする。対象は日本マイクロソフトの正社員2300名で、通常の有給休暇とは別に5日間の特別有給休暇を付与するという。「これは私にとってもチャレンジ。5日間でやっていたことと同じアウトプットを4日間でしなくてはいけない。これまでと同じ仕事の仕方をしていては足りない、つまり違う仕事の仕方をしなくてはいけないという考え方を誘発したい」と平野氏は話した。
また、仕事、私生活、社会貢献の3つの観点から、社員の業務外での活動を支援する取り組みも行う。期間中の 各種講座の授業料や試験の受験料、家族旅行や社会貢献活動にかかった費用を同社の福利厚生制度などを通じて補助する。費用面だけでなく、異業種職場体験プログラムや、障がいのある児童向けのプログラミング研修のような社会貢献活動に対してのマッチングプログラムも行う予定だ。
2つの取り組み 出典:マイクロソフト
同氏はこれらの取り組みについて、「習慣、考え方、コミュニケーション、報告の仕方、テクノロジーやツールの使い方、そういったものに対してこの1カ月で色々な学びがあってほしいと思う。期間が過ぎた後もそれらの学びを日々の業務に活かしていきたい」と語った。