日本はロジックもメモリーでも半導体の世界で、アメリカや韓国の後追いするしかないかと思っていたが、最近の技術動向を見るとあきらめる必要もなさそう。
まず、今の半導体の技術は、ロジック、メモリー共に、従来の25nmから現在の7nmの微細加工技術にかかっており、日本のいろいろな分野の企業の技術が結集すれば、また日本も最先端に立てるとおもう。
まず、微細化の推移と各半導体分野での影響は、群馬大学の特別講座の資料がわかりやすい。まず、ゲート幅が32nmで、進化の速度が落ちて、現在は7nmが焦点になっている事がわかる。7nmというのは、紫外線で、紫外線は波長が10 - 400 nm、軟X線より長い電磁波で、紫外線の最も波長が短い領域なのでExtraUV(EUV,極端紫外線)という。この図からも2022年~2023年には3nm半導体の量産がはじまり、その先の2nm半導体が出現と予測できる。
なお、微細化が進めば、速度が上がるともに、単位当たりのコストも下がり、ITの進化が進むことになる。これはさらに下の図のようにロジック、メモリーに共通している。
それでは、EUV技術を持っている日本の会社はどういうものはあるかというと、
◎東京エレクトロンの、半導体材料のシリコンウエハーに特殊な薬液を塗布・現像する「コーター/デベロッパー」装置。
◎レーザーテックの、電子回路の原版となるフォトマスクの欠陥を、EUVで摘出する検査装置
◎日本電子のフォトマスクに電子ビームでパターンを描画する装置
◎ニューフレアテクノロジーのフォトマスクに電子ビームでパターンを描画する装置
◎ギガフォトンの、露光装置用の光源
サムソンやTSMC(台湾、世界最大の半導体製造装置メーカー)も着々とEUV装置を開発している。共に次世代通信規格「5G」向けなど高性能半導体製造に邁進していて、両社は1台200億円以上するASML製の露光装置を導入したといわれている。
中国の動向も無視できない。中国政府は半導体の自給率を20年に40%、25年に70%に引き上げる目標を掲げるが、米中の貿易摩擦で、先が見えなくなっている。この数年は世界最先端に出てくるのは難しいとおもう。