[上海 17日 ロイター] - 中国中央部の武漢市および安徽、江西、浙江の各省は17日、大雨で河川や湖の水の量が増え、サプライチェーンがさらに阻害される恐れがあるとして、最高度の警戒を必要とする赤色警報を出した。
長江にある巨大な三峡ダムは下流の洪水リスクを和らげるため放水を抑えており、水位は警戒水準を10メートル以上上回っている。
江西省にある長江の水流調節の機能を担っているハ陽湖では、警戒水位を2.5メートル超えている。
東部の上海に近い太湖でも安全とされる水位を1メートル近く超えたため赤色警報を発令した。
モルガン・スタンレーのアナリストは17日、「長江地域での洪水が第3・四半期の国内総生産(GDP)の伸びを推計0.4─0.8%ポイント押し下げる」との見通しを示した。
武漢やその周辺地域から使い捨ての実験用白衣といった製品を調達している米医療用品卸業者Dealmedのマイケル・アインホーン社長は「1週間以上も製品の発送ができていない。これはわれわれのビジネスではとても長い期間だ」と説明。遅れはさらに2─3週間続く可能性があると述べた。
中国・長江流域、豪雨で氾濫警報 三峡ダムは警戒水位3.5m超える
中国の長江(揚子江)流域で豪雨による土砂崩れが発生、過去2日間に流域の4都市が最高度の氾濫警報を出した。写真は武漢市で8日撮影(2020年 ロイター/China Daily CDIC)
中国の長江(揚子江)流域で豪雨による土砂崩れが発生、過去2日間に流域の4都市が最高度の氾濫警報を出した。
最も危険な状況であることを示す「赤色警報」を出したのは湖北省と江西省の各2都市。
土砂崩れなどでこれまでに約140人が死亡または行方不明となっており、中国中央テレビは10日、一連の被害による経済損失は600億元(86億ドル)を超えると伝えた。<iframe id="R2BF1OP" width="0" height="0" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" allowfullscreen=""></iframe>
今回の豪雨について、中国当局は、南シナ海とインド洋から湿った空気が流れ込んでいることが原因と説明している。
気象当局によると、6月の降雨量は平年より13.5%多かった。
流域にある巨大ダムの三峡ダムでは貯水量が増え、放水しても追いつかない状況。水利省によると、警戒水位を3.5メートル上回っているという。
中国では夏の雨季にほぼ毎年洪水が発生しているが、サプライチェーン阻害の影響は米国にも及ぶ。