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日本では、新型コロナによる重症化率や死亡率が低い!

2020年07月18日 07時57分29秒 | 日記
 

 

東洋経済が国際医療福祉大学の高橋泰教授の考え『新型コロナ、日本で重症化率・死亡率が低いワケ』を解説していた。まず、感染度を7段階に分けて、新型コロナの毒性や伝染力は強くないステージが0~4ステージ、感染しても1万分の一から2.5万分の一で重症化するという。そして、実際の感染データからシミュレーションをして、日本で重症化しない理由として、第1に暴露率。重症化しやすい「高齢者の暴露率」が、日ごろからのインフルエンザ―対策を行っていることで新型コロナでも有効で低かった。そして第2に、自然免疫力。自然免疫で治る人の比率が欧米より日本人(アジア人)のほうが高い。自然免疫力(特に細胞性免疫)の強化にBCGの日本株とロシア株が関与した可能性は高いという。第3は、「発症者死亡率」。日本は欧米に比べて低いと考えられる。その理由としては、欧米人に比べて血栓ができにくいことがある。この3つの理由で日本では新型コロナによる死者が10万人中2名以上にはなり難いと指摘。

尚、インフルエンザの場合は、ウイルス自体の毒性が強く、すぐに、明らかな症状が出るので、生体(人の体)はすぐに抗体、発症後2日~1週間で獲得免疫が立ち上がり、抗体ができてくる。ところが新型コロナは、感染しても、毒性が弱いから抗体がすぐできるわけではないので、検査でも陰性となってしまうとか。

 

中々切れ味の良い論評であった。 以下記事の引用。

 

 
 

日本も含めた各国でそれぞれ数十万人死亡するというような、当初流布された予想は大きく外れた。その原因はインフルエンザをベースとしたモデルを使っているためだと思われる。2つのウイルスには大きな違いがある。

病原体が体内に入ると、まず貪食細胞(マクロファージ)などを中心とする自然免疫が働く。次に数日かかって獲得免疫が動き出し、抗体ができる。

(注)自然免疫: 侵入してきた病原体を感知し排除しようとする生体の仕組み。外敵への攻撃能力はあまり高くないが、常時体内を巡回している警察官に相当する。
獲得免疫:病原体を他のものと区別して見分け、それを記憶することで、同じ病原体に出会ったときに効果的に排除する仕組み。1種類の外敵にしか対応しないが殺傷能力の高い抗体というミサイルで敵を殲滅する軍隊に相当する。

インフルエンザの場合は、ウイルス自体の毒性が強く、すぐに、鼻汁、咳、筋肉痛、熱と明らかな症状が出る。暴れまくるので、生体(人の体)はすぐに抗体、いわば軍隊の発動を命令し、発症後2日~1週間で獲得免疫が立ち上がり、抗体ができてくる。よって、抗体検査を行えば、ほぼ全ケースで「陽性」となる。多くのケースにおいて生体側が獲得免疫で抑え込み、1週間~10日の短期で治癒する。だが、抑え込みに失敗すると肺炎が広がり、死に至ることもある。

毒性が弱いので獲得免疫がなかなか立ち上がらない

新型コロナはどうか。今年5月6日のJAMA Published online(The Journal of the American Medical Association、『アメリカ医師会雑誌』)に発表された「新型コロナの診断テストの解釈」という論文に、新型コロナは抗体の発動が非常に遅いことが報告された。

私の研究チームはこの現象を、新型コロナは毒性が弱いため、生体が抗体を出すほどの外敵ではなく自然免疫での処理で十分と判断しているのではないかと解釈し、「なかなか獲得免疫が動き出さないが、その間に自然免疫が新型コロナを処理してしまい、治ってしまうことが多い」という仮説を立てた。

こうした仮説で想定した状態が実際に存在するなら、この時期の人は無症状または風邪のような症状であり、自身が新型コロナに感染したという自覚がないうちに治ってしまう。もしこの時期にPCR検査を行えれば、新型コロナは体にいるのでPCR陽性となることもある。一方、まだ抗体はできていないので、抗体検査を行えば当然「陰性」となる。そして、その後、症状が進んで獲得免疫が発動しても新型コロナを抑え込めなかったごく一部の人でサイトカイン・ストームが起きてしまい、死に至ることもある。

(注)サイトカイン・ストーム:免疫システムの暴走。免疫細胞の制御ができなくなり、正常な細胞まで免疫が攻撃して死に至ることもある。

抗体検査を行ったところ、ロンドンで16.7%、ニューヨークは12.3%、東京が0.1%だった。これをインフルエンザと同じような感染症モデルで考えると、東京では感染防止は完璧だったが、抗体を持つ人が少ないので、次に防御に失敗したら多くの死者が出る、という解釈になる。このような解釈には、強い疑義を持つ必要がある。

日本は強力なロックダウンを実施しておらず、新型コロナに暴露した人が欧米より極端に少ないとは考えにくい。むしろ先に述べた「これまで多くの人が新型コロナにすでに感染しているが、自然免疫でほとんどの人が治っている」という仮説に立って、抗体ができる前に治っているので、抗体陽性者が少ないと考えるほうが自然であろう。

この仮説を用いれば、無症状のPCR陽性者が数多く発生している現状の説明もできる。第2波が来ても、自然免疫の強さは日本人にとって強い助けとなり、再び欧米より被害が軽くなるという考え方が成り立つ。

日本では暴露した人が多いが自然免疫で98%治癒

――「感染7段階モデル」により新型コロナの感染や症状に関わる要因を数値化してみたということですね。

新型コロナの患者数を予測するために使えるデータが現状では非常に限られる。かかった人の重症化率や死亡率という最も基本的なデータすらない。

新型コロナの全体像を把握するためには、全国の暴露者数を推計することが大切なので、①全国民1億2644万人、②年代別患者数の実数値、③抗体陽性率推計値(東京大学の推計と神戸市民病院の推計)を使って、パラメータである暴露率(新型コロナが体内に入る率)をいくつか設定し、動かしながら、実際の重症者や死亡者のデータに当てはまりのよいものを探るシミュレーションを行った。

シミュレーションの結果の概略はこうだ。

まず、国民の少なくとも3割程度がすでに新型コロナの暴露を経験したとみられる。暴露率はいろいろやってみたが、30~45%が妥当だろう。そして、暴露した人の98%がステージ1かステージ2、すなわち無症状か風邪の症状で済む。すなわち自然免疫までで終了する。

獲得免疫が出動(抗体が陽性になる)するステージ3、ステージ4に至る人は暴露者の2%程度で、そのうち、サイトカイン・ストームが発生して重症化するステージ5に進む人は、20代では暴露した人10万人中5人、30~59歳では同1万人中3人、60~69歳では同1000人中1.5人、70歳以上では同1000人中3人程度ということになった。

あくまでもデータが限られる中での大ざっぱなシミュレーションだが、今後、データがもっと明らかになれば精緻化できる。

――欧米との死者数の違いに大きな関心が寄せられています。

日本の死者数が欧米の100分の1であることについて、以下のような3つの要因の差という仮説で試算を試みた。

まず、第1に暴露率。日本の場合、重症化しやすい「高齢者の暴露率」が低かったのが効いたのではないか。例えば特別養護老人ホームではインフルエンザやノロウイルスの流行する季節は家族の面会も禁じている。これらウイルスに対する対策も取られている。高齢者の外出自粛など自発的な隔離も積極的に行われた。他方、海外では介護施設や老人ホームのクラスター化による死者数が多い。「高齢者の暴露率」は日本が10%、欧米が40%と設定してみた。

自然免疫力のわずかな差が大きな違いを生む

第2に、自然免疫力。自然免疫で治る人の比率が欧米より日本人(アジア人)のほうが高く、その結果「軽症以上の発症比率」が低くなるが、抗体陽性率も低くなる。自然免疫力(特に細胞性免疫)の強化にBCGの日本株とロシア株が関与した可能性は高いとみている。

「(暴露した人の)軽症以上の発症比率」については、自然免疫力が標準分布と仮定し、シミュレーションの結果を当てはめると、自然免疫で処理できる率が日本人は98%で、対応できないのは2%ということになる。

日本では、新型コロナにかかった人が次の人にうつしても、その大半が自然免疫で処理され、次の人への感染につながらない。すなわち新型コロナ感染のチェーンが切れやすい。よほど多くの人に暴露を行わないと、そこで感染が途切れる可能性が高い。一方、抗体陽性率から考えると欧米では自然免疫で対応できずしっかり発症する人が、日本よりもはるかに多いと考えられるので、「軽症以上の発症比率」を日本の5倍の10%と想定した。

日本と欧米の自然免疫力の差をそれぞれ2%と20%と想定すると、両者の差はわずかに見えるかもしれないが、このわずかな差が欧米と日本の新型コロナ被害の大きな差を生んだ可能性が高い。欧米では感染後、しっかり発症して他の人にうつす、再生産確率が高いため、日本と比べて感染スピードが速く、かつ感染拡大のチェーンが途切れないということになる。

 

第3は、「発症者死亡率」。日本は欧米に比べて低いと考えられる。その理由としては、欧米人に比べて血栓ができにくいことがある。サイトカイン・ストームが起きても、日本のほうが重症化する可能性が低いと考えられる。「発症者死亡率」は、日本では0~69歳で0.01%、70歳以上では40倍の0.4%だが、欧州は0~69歳で0.05%、70歳以上が2%とした。

他の条件は変わらないという前提で、このような数字を設定すると、10万人当たり日本の死亡者は0.9人、ベルギーの死亡者は82人となり、現在の実態とほぼ一致する。「暴露率、軽症以上の発症比率、発症者死亡率の数字の設定はもちろん仮説的なものであり信頼性は低い。だが、全部の数字を掛けたり足したりして求められる日本の死亡率が、欧米の死亡率の100分の1になる必要があるので、3要因のいずれか、またはすべてにおいて、日本が欧米に大きく勝っていることは間違いない。

死者は最大で3800人、検査ではなく重症化対策を

――緊急事態宣言の解除後は「感染者数」、正確には検査でPCR陽性とわかった人の数ですが、増えています。しかし、自然免疫で98%も治るとすれば、とるべき対策は違ってきます。

PCR検査でどこから見ても元気な人を捕捉することには大きな問題があると考えている。PCR検査はコロナウイルスの遺伝子を探すものなので、体内に入って自然免疫で叩かれてしまい他の人にうつす危険性のないウイルスの死骸でも、陽性になってしまう。発症可能性がゼロに近い抗体陽性者でも、再度新型コロナウイルスが体内に入った時点で検査を行えば陽性になる。

また、新型コロナウイルスにとって東京は人口密度が高く、そうした中でもいわゆる3密を形成するような、ウイルスが生き延びるための条件が揃う場所がある。だが、地方ではそうした場所ができにくい。98%自然免疫で処理されるので、人が密集していないと、次の人にうつしていくチェーンがすぐ途切れてしまうからだ。

――7月15日、東京都は警戒レベルを最高に引き上げました。しかし、怖くなってまた活動制限を行うことは適切ではないということですね。

日本ではこれまでのところ、人口10万人に対し0.8人が亡くなっている。われわれは自然免疫の存在を重視しており、それを前提としたシミュレーションでは、新型コロナウイルスが現状の性格を維持する限り、どんなに広がっても10万人中3人以上、つまり全国で3800人以上死ぬことはなさそうだというのが、結論の一つだ。

一方、人口10万人に対して16人、全国で2万人強が自殺で亡くなっている。過去に景気が悪化したときは3万人を超えて10万人当たり24人になった。そうであれば、10万人対比で見て、新型コロナによって2人亡くなるのを防ぐために、景気悪化で8人の死者を増やすのかということになる。対策のメリットとデメリットのバランスを考えないといけないのではないか。

また、ステイホームによって肥満の人が増えると、ACE2受容体が増加し、新型コロナの感染リスクも血栓形成のリスクも高まる。社会活動の停止で暴露率は下がっても、感染率や重症化率が上がる。そうしたバランスも考える必要があるだろう。

(注)ACE2受容体:新型コロナウイルスのスパイクと結びついて、細胞の中に取り込んでしまい、感染が成立する。子どもにはほとんどなく、年齢が上がると増える。また、高血圧や糖尿病でも数が増える。

――年齢やリスクに応じた対策を打つべきだということになります。

30歳未満では重症化リスクは限りなくゼロに近いのに、対面授業を行わないとかスポーツをさせないというのは誤った政策だと思う。対面での教育が行われず、オンライン教育のみにすることの弊害のほうがずっと大きい。平常に戻すべきだ。そして、そこで学生からPCR陽性者が出てもマスコミが騒がないことが重要だ。明らかな症状が複数の学生に現われる集団発生が起きてはじめて、報道を行い学級閉鎖を行えばいいのではないだろうか。

30~59歳も通常の経済活動を行ってよいはずだ。罹患した場合は症状に応じて自宅待機などを行い、集団発生すれば職場の閉鎖をすればよい。70歳以上の高齢者は流行している間は隔離的な生活を維持せざるをえないだろう。何度も言うが、感染リスクはある。しかし、2%未満の重症化リスクを減らせばいい。

感染パターンを注視しつつ、社会活動は続けるべき

――すでに東京都の7月15日の会議では、PCR陽性で無症状や軽症の人を入院させているため病床が逼迫しつつあると報告されています。

肺炎や呼吸困難といった兆候が認められなければ宿泊所、無症状・軽症なら自宅待機といった変更が必要だ。老齢者の施設等の対策に重点を置くべきだ。

――先ほどウイルスの性格が変わらなければという条件付きでお話しされました。そこはいかがでしょうか。

第2波が来たと判断したら、最初にやるべきはPCR検査の拡大ではなく、ウイルスの遺伝子解析だ。従来と同じ型のものなのか、違うものが来たのかを判別することが重要だろう。感染者を捕まえて隔離することより、感染パターンを把握することが重要だ。感染力が上がったのか、毒性が強まって死亡率が上昇するのか。それに応じて対策も変わる。感染7段階モデルのようなものを作っておくと、そうした議論をすることが可能になる。


コロナショック、日本経済の構造変化させた?

2020年07月18日 04時27分17秒 | 日記

コロナショック、日本経済の構造変化させた可能性無視できずとのレポートだが、具体的な変化の中身は今後の研究課題とかで、いささか据え膳下げられた感がする。新型コロナで世の中の社会構造、変わりつつあるのは誰もが思うところ。商売をやっている人はその内容を早くつかんだ人が成功するのだろう。

=日銀調査統計局長

 

日銀の神山一成調査統計局長はロイターのインタビューに応じ、新型コロナウイルスの感染拡大で「極めて大きなショックが加わるもとで、経済構造が変化している可能性が無視できない」と述べた。

日銀の神山一成調査統計局長は16日、ロイターのインタビューに応じ、新型コロナウイルスの感染拡大で「極めて大きなショックが加わるもとで、経済構造が変化している可能性が無視できない」と述べた。

経済構造の変化の有無を見極めるために「経済を単純化しすぎずに、これまでより少し複雑にみていかなければいけない」と指摘。政府・日銀による伝統的な経済指標のみならず、速報性の高い非伝統的データも含めて分析していくことが重要だと述べた。

危機時は非伝統的データの速報性が強みに

神山氏は2019年8月に調査統計局長に就任。就任後まもなくプロジェクトチームを立ち上げ、高頻度データをよりシステマティックに情勢判断に活用する仕組みを検討してきた。神山局長は「感染症だけではなく自然災害もあり、高頻度データに関するボードメンバーの関心も非常に高い」と話す。

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「平時では経済見通しに基づくフォワードルッキングな政策運営が可能になるが、危機時で日々急速に経済情勢が変化するとうまくいかなくなる。経済の現状や見通しの不確実性も高まる」と指摘。高頻度データを含め、非伝統的データが持つ速報性が大きな強みを発揮するのは危機時だと述べた。

その上で神山局長は、伝統的な経済統計、非伝統的データ、日銀による企業ヒアリングなどを効果的に組み合わせて経済の実勢を見極めていくことが重要だと話した。「日本の場合、公的統計の質は高いので対外説明はこれに基づいて行う。その上で、状況把握を早くしたいと思った時に非伝統データを使っていくが、その際にはわれわれの企業ヒアリングで得ている知見を併せて判断していくことも必要」と述べた。

需給ギャップ・物価の関係不透明に

神山局長は「コロナ禍においては単純に需要が落ち込むだけではなく、供給サイドでも変化が起きている」と指摘。初期の時点では需要・供給ともに落ち、従来の手法で作成した需給ギャップではマクロ的な需給環境を的確に捉えるのは難しいと述べた。「今後経済活動が戻る中でも、需要と供給がどういうバランスで立ち上がるのか、需給ギャップ・物価の関係がどうなるかについても分からないことが多い」とし、さまざまな情報を基に日銀の仮説を検証する必要があると語った。

神山局長はより広範なデータを見る重要性を指摘しているものの、これまで重視してきている消費者物価指数(CPI)は「物価の基調を表しており、それを基に政策を運営するということに現状、問題が生じているとは思わない」と述べた。

ここに来て、海外当局もビッグデータの収集・分析の人員を増やし、情勢判断の高度化を進めている。神山局長は「日銀の取り組みのスピードは海外中銀対比遜色はないと認識している」と述べた。その上で、「高度な分析能力を有するリサーチャーを育成していくためにも、海外当局との情報交換はしっかりと行っていきたい」と語った。