先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

インテル,7ナノ半導体技術の開発が6カ月遅れ

2020年07月26日 09時29分58秒 | 日記

ロイターがインテルの7ナノ線幅技術開発が遅れているという記事を載せていた。また、エヌビディアは今月、時価総額でインテルを抜き、米半導体サプライヤーで首位に躍り出たとも記載。また、半導体会社の2019年の売上ではあるが、売上一覧を見ると、半導体におけるインテルの勢いはなくなっている。

PCでも、アップルがインテルから自社生産に変えたり、スマホではQualcomの独占だし、ぼつぼつ世代交代が始まる兆候ではなかろうか?しかし、韓国のサムソン、SK Hynixが世界2位3位になっているとはすごい。東芝、NEC, 富士通、日立とか日本の大手、何しているのかと言いたくなる。

 

[23日 ロイター] -

米半導体大手インテル(INTC.O)は23日、回路線幅7ナノ(ナノは10億分の1)メートルの半導体技術の開発が予定より6カ月遅れていると明らかにし、外部への生産委託拡大を検討する方針を示した。これを受け、取引終了後の時間外取引で株価は9%下落した。

インテルは現在使われている回路線幅10ナノメートルの半導体技術開発も大幅に遅延。7ナノ技術も遅延すれば、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)(AMD.O)やエヌビディア(NVDA.O)などとの競争で不利になる。

AMDやエヌビディアは台湾積体電路製造(TSMC)(2330.TW)に半導体生産を委託している。

ボブ・スワン最高経営責任者(CEO)は電話会見で「内部か外部のどちらで生産を行うかを巡り実際的な姿勢で検討し、内部で行うか、双方を組み合わせるか、必要なら完全に外注するか、という選択肢を維持したい」と述べた。

ジョージ・デービス最高財務責任者(CFO)はインタビューに対し、7ナノ技術で「重要な欠陥モード」が見つかり、現在修正を行っていると述べた。

インテルはパソコン(PC)、データセンター向けプロセッサーの最大手だが、半導体の設計、生産の双方を自社で行うビジネスモデルには疑問も浮上しつつある。スワン氏は、データセンター向けグラフィック処理半導体の投入は2021年終盤か22年初め以降になる見通しとし、外部に生産を委託する可能性があると述べた。PC向けの7ナノチップは22年終盤か23年初め以降、データセンター向けの7ナノプロセッサーは23年前半以降の出荷になるとの見通しを示した。

エヌビディアは今月、時価総額でインテルを抜き、米半導体サプライヤーで首位に躍り出た。アップル(AAPL.O)は6月、「Mac(マック)」に搭載するプロセッサーをインテル製から自社開発品に切り替える方針を発表した。アップルはソフトバンクグループ(9984.T)傘下アーム・ホールディングスの半導体技術を使用している。

サミット・インサイツ・グループのアナリスト、キンガイ・チャン氏は「7ナノの遅れはインテルにとって一段の逆風になり、今後2─3年にクライアント、データセンター両市場でAMDやアームにさらにシェアを奪われる可能性が高まる」と指摘した。

インテルは第3・四半期の業績について、売上高が約182億ドル、調整後の1株当たり利益は1.10ドルになると予想。リフィニティブがまとめたアナリスト予想は売上高が179億ドル、1株利益が1.14ドル。

2020年の通年業績については、売上高が750億ドルになるとの見通しを新たに示した。リフィニティブがまとめたアナリスト予想は738億6000万ドル。

第2・四半期(4─6月)決算は、売上高が197億3000万ドル、1株利益が1.23ドル。リフィニティブがまとめたアナリスト予想は、売上高が185億5000万ドル、1株利益が1.11ドルだった。

データセンター部門の売上高は71億ドル。ファクトセットがまとめた予想の66億1000万ドルを上回った。PC向け半導体の売上高は95億ドル。予想の91億ドルを上回った。


「中国標準」国家が総力 技術支配、国際機関で主導権 へ!

2020年07月26日 09時29分23秒 | 日記
 

日経によると『「中国標準」国家が総力 技術支配、国際機関で主導権』という。国際電気通信連合(ITU)での有線通信分野における国別提案件数でも群を抜いており、着々の地保を固めている。中国は恐ろしい。

 

 

中国の狙いは技術のルールづくりを主導して産業競争力を高めることにある=AP

中国の狙いは技術のルールづくりを主導して産業競争力を高めることにある=AP

産業界の国際ルールづくりで中国が存在感を強めている。国家レベルで「中国標準2035」と名付けた中期の戦略を策定中で、一部の国際機関では2019年の中国の提案数が米国などを上回りトップに立った。世界標準のとりまとめで主導権を握り、技術面での支配力を強めて競争優位に立つ狙いだ。米国はハイテク分野での中国封じ込めを狙うが、限界もにじむ。

通信などの国際規格を定める国際機関の国際電気通信連合(ITU)。業界団体の調べによると有線通信の規格にまつわる技術文書の19年の提出件数は、中国が830と全体の33%にのぼりトップを占めた。2位から4位までの韓国、米国、日本の合計提出件数よりも多い。技術文書は規格立案時のたたき台となるため、提出数の多さは発言力の強さにつながる。

 

 

 

中国はITUの予算となる分担金の拠出でも日米独仏に次ぐ5位だ。ITUのトップは中国人の趙厚麟氏で、中国の広域経済圏構想「一帯一路」との連携強化を公言する。

■通信以外でも存在感

存在感を高めようとする動きは通信以外でも目立つ。日本産業標準調査会のまとめでは、国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)における14年以降の委員会設置提案数は、中国が16件と全体(65件)の約4分の1を占めて首位だった。委員会は電子技術など各分野ごとの規格をつくる場で、通常は提案国が幹事ポストを得る。20年1月には中国人の舒印彪氏がIEC会長に就任した。

狙いは技術のルールづくりを主導して産業競争力を高めることにある。テクノロジー大国を目指す中国は15年にまとめた「中国製造2025」で5Gや人工知能(AI)の産業育成を進めた。近年は競争の「土俵」をも自ら整備すべく、同国の技術を国際標準に反映する「中国標準2035」を策定中とされる。

中国が技術の標準化で主導権を握ることを警戒する米政府は同国のハイテク企業をビジネスから極力排除するデカップリング(切り離し)策を進めてきた。19年には、安全保障上の問題があるとして米企業が華為技術(ファーウェイ)と取引することを事実上禁じた。英国やフランスもファーウェイに厳しい姿勢をとりはじめたが、それでも5Gでは中国の影響力をぬぐいきれない。

■排除しても特許料

サイバー創研(東京・品川)によると、ファーウェイは5G規格に不可欠の特許(標準必須特許)の申請数で世界トップだ。携帯通信を扱う民間の標準化団体「3GPP」での5G関連の提案件数も、欧州勢や米クアルコムを抑え首位に立つ。4G技術でも先行したファーウェイは2月に特許侵害で米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズを訴えた。知的財産に詳しい弁護士は「5Gの通信網からファーウェイを排除しても、企業は『標準』の一部となった同社の特許に使用料を支払わねばならない場合が出てくる」と指摘する。

標準を押さえれば、経済制裁を揺さぶることもできる。米商務省は6月15日、通信分野の国際標準づくりで、米企業がファーウェイと技術情報をやりとりすることを容認する異例の措置を公表した。ファーウェイとの取引禁止が続けば、米国企業が標準化の流れから取り残される恐れがあったからだ。

5Gでの中国先行は幅広い範囲に影響を及ぼす。標準化で主導権を握られれば5Gを使うスマートフォン向けの半導体やソフトウエアの開発でも中国勢が優位に立ちやすくなる。中国は機器の組み立てを通じてハイテク分野での競争力を強めてきたが、これが中核分野にも広がりかねない。ハイテク分野での中国封じ込めを狙う米国の戦略実現は一段と難しくなる。

日本の政治も警戒心を募らせる。自民党で産業政策づくりに強い影響力を持つ甘利明税制調査会長は「中国はまず自国標準を国際標準とし、その後に合致する中国システム一式を輸出する」と話す。注視しているのが中国がISOなどに提案しているスマートシティーの国際標準づくりだ。住宅から車まで関わる産業が多く、日本企業のビジネスにも影響が出かねない。顔認証などを通じて個人データが中国に流れる恐れも出てくる。

技術を通じて安全保障を脅かすような事態になれば、中国への各国の姿勢はこれまで以上に厳しくなる。静かに広がる「中国標準」は新たな摩擦と裏腹だ。


米国で学ぶ留学生数は中国が10年連続最多

2020年07月26日 09時06分55秒 | 日記

 

人民網という中国共産党の息がかかったと思われるマスコミが『米国で学ぶ留学生数は中国が10年連続最多』と報じているが、中国人留学生は学部・大学院合わせて39万人弱、そして、留学生が米国経済に5兆円近い貢献をしていると述べている。アメリカの著名大学は私立大学が多く、学生からの授業料とかに依拠しているから、中国人留学生は歓迎されている。そして、卒業しても米国企業に勤め、成果が上がると中国企業が高給で引き抜くという図式が出来上がっている。このところ、米中は双方の領事館閉鎖命令発行合戦であるがその発端は、中国がスパイ活動をしているということ。しかしスパイ活動しなくても、これだけ多くの留学生を受け入れて授業料とかの金払いもよく歓迎されているから留学生自身が優秀であれば自然と高度知識が得られる。この留学生族は海亀と言われ、中国の屋台骨を作っているとされる。然も米国は中国に合弁会社を無数に作っているから、自然に科学技術情報は中国にわたる。アメリカは科学技術流出をきぐするなら、この構造を変えなければどうにもならないと思う。
 
昨年の記事ではあるが、以下、引用::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

米国国際教育研究所(IIE)と米国務省・教育文化局(ECA)は米国東部時間18日、2019年度「オープンドア報告書(Open Doors Report)」を共同で発表した。同報告によると、2018-2019年度に米国の学校に入学した新入留学生の総数は0.9%減少し、2年連続して減少傾向を呈した。人民網が報じた。

統計データによると、2018-2019年度、米国の大学学部で学ぶ留学生の総数は、前年度比2.4%減の43万1930人、大学院で学ぶ留学生は同1.3%減の37万7943人。このほか、IIEと高等教育機関9校が組織して展開した2019年秋季留学生入学状況調査によると、2019-2020年度の新入留学生の総数は、引き続き減少する見通し。

分析によると、米国政府による移民政策の調整など各要因の影響を受け、ここ数年、米国の高等教育が留学生を誘致する力はやや衰えていることが明らかになっている。「オープンドア報告書」によると、米国の大学で学ぶ留学生総数の増加率について、2011年から2016年までの年度別に見ると、2011年度5.7%、2012年度7.2%、2013年度8.1%、2014年度10%、2015年度7.1%だった。一方、2016年から2019年の3年間は、増加率は明らかに縮小し、2016年度3.4%、2017年度1.5%、2018年度0.05%となった。

統計データから米国で学ぶ留学生を国別でみると、中国が10年連続最多だった。2018年―2019年度に米国の大学学部・大学院・学位取得目的ではない実践研修プロジェクトで学んだ留学生の総数は、前年度比1.7%増加した。このうち、米国の大学学部で学ぶ中国人留学生は14万8880人、大学院生は13万3396人にそれぞれ達した。インド、韓国、サウジアラビア、カナダの各国が中国に続き、米国で学ぶ留学生が多い国々だった。

ここ最近、中国人留学生には留学生ビザの申請や米国への留学条件などの面で様々な障害が立ちはだかり、留学生たちは懸念を抱かざるを得ない状況に陥っていた。今年度の「オープンドア報告書」発表に際して実施されたブリーフィングにおいて、IIEのアラン・グッドマン総裁兼CEOは、「米国は常に中国人留学生を歓迎してきた。中国は一つの大国であり、豊かな知的資源を擁している。中国との交流から多くの利益を得ており、今後も引き続きそうありたい」とコメントした。米国務省の職員も、トランプ大統領が以前、「人民日報」記者から質問を受けた際に言明した点を繰り返し、「多くの優秀な人材が中国から米国を訪れ、米国の大学で多くの学生が学んでいる。我々はこの状況が続くことを願っている」とした。

米商務省の統計データによると、2018年、米国経済に対する留学生の寄与額は447億ドル(1ドルは約108.6円)に達し、前年比5.5%増加した。中国人留学生は、2018年だけで、149億ドルを米国経済にもたらした。