日経がマスコミ各社の調査結果を載せている。『内閣支持率 低下傾向が鮮明に 報道各社の世論調査』 〃日経の別の記事では、自民党支持者でのアンケート調査では、次期首相候補として初めて石破代議士が初めて安倍首相を抜いてトップになったという。
2012年の第2次安倍政権の発足以降、支持率は急落しても短期間で回復したこともあり、与野党は推移を見極める。
第2次政権以降で40%を下回ったのはこれまで2回しかない。学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画などの問題が影響した17年7月の39%と、安全保障関連法を審議していた15年7月の38%だ。今回の支持率は過去最低タイとなる。
日経と同時期に調査した読売新聞社の支持率は40%で5月の42%からほぼ横ばいだった。読売は2月に5ポイント、4月にも6ポイント低下し、日経より基点が低かった。1月からの下落幅は日経が10ポイント、読売は12ポイントになる。
朝日新聞社による5月23~24日の調査は支持率が29%と、第2次政権以降で最低となった。各社の1月と最新の支持率を比較すると朝日が9ポイント減、共同通信社は9.9ポイント減、NHKも7ポイント減だった。
これらの報道各社は乱数番号(RDD)方式でオペレーターによる電話調査を実施している。質問の仕方や時期が異なるため毎回の数値は社ごとに違う。一定期間を比べれば上昇や下降は似た傾向になる。
日経リサーチは3月末から毎週末、自動音声による電話調査「世論観測」を実施した。通常の世論調査より回答者が偏りやすくサンプル数も少ない。週単位で細かい変化を把握するのには適するとされる。
この「世論観測」をみると、検察官の定年延長を可能にする検察庁法改正案への批判がSNS(交流サイト)で広がった5月中旬に、支持率の低下と不支持率の上昇が顕著だった。朝日が調査した時期に近い。
緊急事態宣言を全国で解除した後の5月末はやや持ち直した。日経や読売の今回の調査は底打ちした後の数字だった可能性がある。
日経の調査で第2次政権以降に内閣支持率が前月から10ポイント以上低下したのは今回が3回目にあたる。過去2回は3カ月以内に10ポイント以上回復した。
支持率の変動は衆院解散・総選挙の判断にも影響する。急落すれば解散を決めづらい半面、下落傾向が続くなら早めに選挙をした方がよいとの判断もあり得る。日経の政党支持率は自民党が36%とトップで、2位の立憲民主党の9%に差をつけた。
与党内に「国会が17日の会期末で閉じれば野党からの追及もなくなり持ち直すだろう」との見方がある。菅義偉官房長官は8日の記者会見で「個々の世論調査へのコメントは控える」と述べた。