二日酔いの朝は、頭痛や吐き気など気分が悪くありませんか? 私も飲みすぎないよう意識していても、楽しくなってくるとつい飲み過ぎて、翌朝後悔することがあります。
二日酔い対策には、飲み会の前に市販のドリンク剤を飲み、寝る前には水分をたくさん摂ることにしていますが、医師の皆さんはどうされているのでしょうか。今回は、4100人を対象に調査を実施。普段どんな二日酔い対策をしているのか質問し、以下の選択肢から選ぶ形で回答いただきました。
1 漢方薬(五苓散、黄連解毒湯、半夏瀉心湯など)、2. 市販の内服薬(ドリンク剤を除く)、3. 市販のドリンク剤、4. 鎮痛剤(ロキソプロフェン、アセトアミノフェンなど)、5. 水分摂取、6. しじみ汁、7. その他
それでは、結果を見ていきましょう。
医師の4割強は、水分摂取を勧めるアンケート結果では、水分摂取を推す声が一番でした。水分をたくさん摂ってアルコールを体から早めに排出する、というメカニズムを医師も実践していることがわかります。
──お酒を飲むと口渇を確実に生じるため、あらかじめの水分補給が必要と思っています。二日酔いになってしまった場合もまず水分補給しています(60代男性 脳神経外科)。
多く飲んだかなと自分で思うときは水分摂取につとめ、体外に早く排出するようにします(50代男性 老年内科)。
──予防としてアクエリアス、ポカリスウエットなども服用しています。あとは、22時以降は、飲酒しないようにしています(40代男性 精神科)。
──帰宅中にスポーツドリンク系500mlをまず飲んで、酔いをさまし、帰ってからも水分を大量に摂取して排出しています(30代男性 耳鼻咽喉科)。
水分摂取ではなく、飲むお酒そのものの種類を工夫することで、二日酔いを防ぐという回答もありました。お酒とお酒の間にウーロン茶やお水をはさむよう指導する医師もいるようです。
──アルコール飲料を飲みすぎないこと。飲む場合はなるべく蒸留酒(焼酎など)を主体とすること。日本酒などは二日酔いを生じやすい(50代男性 漢方医学)。
──日本酒は醸造用アルコール入りのものは避け、純米酒のみにします(50代男性 一般内科)。
漢方薬や鎮痛剤を飲む医師も──五苓散は、酒を飲む前に飲む。つまり、乾杯の前です。黄連解毒湯は、酒が飲めない(アルコール不耐性)医者が飲めるようになった後輩がおりました(60代男性 麻酔科)。
──黄連解毒湯と五苓散は効くと聞いたことがあります(20代男性 心療内科)。
──症状に応じてNSAIDs(解熱鎮痛剤)やメトクロプラミド(制吐剤)、ファモチジン(胃薬)など飲むことはあります。あとは時間が経つのを待ちます(30代女性 神経内科)。
──頭がガンガン痛いときはNSAIDs(解熱鎮痛剤)を飲んでいます。プラセボかもしれませんが、効くような気がします(30代男性 呼吸器外科)。
五苓散や黄連解毒湯という漢方の名前が出てきましたが、これらは体内の水の流れや解毒を目的とした東洋医学の薬。頭痛や吐き気といった二日酔いの症状に対し、それぞれ痛み止めや吐き気止めを使うという声もありました。また、ユニークな回答として、「とても辛いカレーを食べると効果的です」という方もいました。
二日酔いにならないことが何より大事さて、これまで実践的な対策コメントを見てきましたが、実は、本調査のなかで目立った意見は「そもそも二日酔いになるほど飲むな」です。特に50代以上のベテラン医師が痛感しているようです。
──大抵のことは試してみましたが、本格的な二日酔いは防げないし治せないということを悟りました。絶対確実な二日酔い予防策は、酒を飲まないしないことです(60代男性 循環器内科)。
──二日酔いになるような飲み方をしないように心がけています。そのため、二日酔いになった経験がありません。たとえ上司に勧められても断る勇気が必要かもしれません(50代男性 一般内科)。
──飲まなければいいのです。ビールでも日本酒でも一杯程度では二日酔いにはなりません(60代男性 家庭医療)。
調査の結果は、水分補給、漢方薬といろいろありましたが、大事なのはそれ以前。つまり「酒は飲んでも飲まれるな」ということのようです。皆さん、飲み過ぎには気をつけて何よりも水分摂取を!