国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

パリ・ロスチャイルド家当主の東京移住説について考える

2007年04月10日 | イスラエル・ユダヤ・国際金融資本
パリ・ロスチャイルド家当主のギイ・ロスチャイルドが来日して六本木の東京ミッドタウンに居住しているという。私はこの情報が真実かどうかはわからないが、仮に真実であるとすれば、混乱期に主要国に一族が散らばるのはロスチャイルド一族独特の活動形式であり、ギイ・ロスチャイルドの東京移住は全く妥当と思われる。 現在の世界覇権は国際金融資本からロシアを中心とするランドパワー(ドイツのほか、シーパワーの米軍や日本もその仲間と思われる)に移行しつつあると思われる。米国の次の世界覇権国であると考えられるロシアとロスチャイルドのどちらが力が強いのか、という点が全てを決定すると思われる。 サハリン油田開発は、ロックフェラー系のエクソンモービルがサハリン1計画に、ロスチャイルド系のロイヤル・ダッチ・シェルがサハリン2計画に参加している。サハリン2計画では昨年12月にシェルが圧力に譲歩して保有株式の過半を譲渡し、ロシアが一挙にこの計画の主導権を手に入れた。これはロシアに対するロスチャイルドの敗北を意味する。日本もロシアの要求に応じて株式の譲渡を実行しているが、サハリン2の石油・ガスが中間搾取なしにロシアから日本に直接販売されることは日本にとっても有益である。一方、サハリン1計画では依然としてエクソンモービルが30%の株式を保有し続けている。ただ、ロシアの株式保有20%は余りに少なく、今後何らかの譲歩を強いられる可能性もある。 私はサハリン油田開発しか判断材料がないが、少なくともそれを見る限りではロシアの大勝利、ロスチャイルドの大敗北(しかし壊滅は避けられ、辛うじて生き延びることには成功しつつあるようだ)である。従って、日本にロスチャイルドが拠点を構えたとしても、それは世界覇権国ロシアの力を凌駕するものではなく、覇権国ロシアの従順な僕として活動することを意味すると思われる。20世紀の国際金融資本を強毒性の病原菌とすれば、現在のロスチャイルドは弱毒性になりつつあるということだろう。 また、ロックフェラーとロシアの力関係を見るにはサハリン1計画の経営問題が良い指標になると思われる。すでに何らかの手打ちが行われており、今後もエクソンモービルが権益を維持するのか、それともこれからエクソンモービルが権益の全てを失いロックフェラーが壊滅するのか、目が離せない。 . . . 本文を読む
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