国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

仮想敵国トルコに対して合従連衡し始めた東西ローマ帝国の継承者達

2007年04月04日 | トルコ系民族地域及びモンゴル
西ローマ帝国の正統な継承国家はフランク王国-神聖ローマ帝国・ハプスブルグ家-ナチスドイツ-欧州連合、東ローマ帝国の正統な継承国家はモスクワ大公国-ロシア帝国-ロシア連邦、宗教での東西ローマ帝国の正統な継承者はコンスタンティノポリス総主教庁・ローマ法王庁である。プーチン大統領のバチカン訪問、ローマ法王の東方教会訪問は東西ローマ帝国の継承者の合従連衡を意味する。コンスタンティノポリス総主教庁のバルトロメオス1世総主教がウィーンで「トルコでは少数派のキリスト教徒の権利が損なわれている」と発言した事件は、トルコ人に滅ぼされて滅亡した東ローマ帝国の文化的継承者が、かつての西ローマ帝国の継承国家の本拠地(オスマントルコに1529年と1683年の二回包囲された)に乗り込んで開戦の必要性を訴えたに等しい。東西ローマ帝国は、断絶の期間を経て今やEUとロシア連邦という二つの継承国家として復活しつつある。西ローマ帝国の宗教的中核であったローマ法王庁は健在である。唯一、コンスタンティノポリス総主教庁はトルコの弾圧に苦しんでいる。EUとロシア連邦が共同でトルコを攻撃し、コンスタンチノープルを奪還して総主教庁を救う計画が想像される。そして、近い将来にロシア連邦もEUに加盟して、一六世紀ぶりにローマ帝国が統一されるのではないか。最近、江田島孔明氏は北方領土へのイスラエル国民引き取りという私案を提案している。彼の真意は不明だが、それは日本の国益には繋がらない様に思われる。イスラエルを建国したアシュケナジーの祖先であるハザール人がユダヤ教を国教として選択したのは、東のイスラム教国家と西のキリスト教国家に挟まれた苦境を乗り切るという政治的目的によるものだった。これは全く根拠のない私の妄想だが、例えば近未来にEUとロシアの連合軍によるトルコ攻撃が実行されてボスポラス・ダーダルネス両海峡沿いの地域から全てのトルコ人が追放された後に、海峡の北西側(ヨーロッパ大陸側)がコンスタンティノポリス総主教庁の領土(バチカン市国の東方教会版、あるいは再興された東ローマ帝国を意味する)となり、海峡の南東側が新イスラエルの領土として用意されるという様なシナリオはあり得るかもしれない。縮小したトルコは欧州とアラブ・ペルシャ世界の緩衝国家となり、更に新イスラエルは欧州とトルコの間の緩衝国家となるのだ。 . . . 本文を読む
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