国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

日本は対中戦争で勝利確実であったにも関わらず、何故その機会を生かさなかったか?

2007年04月14日 | 中国
国際金融資本は戦間期に日中対立を煽ることで日本を対中戦争に追い込み、日本が中国全土を支配する状態に移行させることを狙っていたのではないか。少数派の日本人が多数派の漢民族を支配する体制は反日扇動による内乱を容易に誘発可能であり、それ故に中国を支配した日本はかつてのソビエトの様な恐怖政治と鎖国状態に入らざるを得ないだろう。その状態で、国際金融資本はソ連・中国・日本を包囲した封じ込め政策を実行し、日本は冷戦時代の北朝鮮の様な貧しい暮らしに追い込まれたことだろう。 この「国際金融資本によるソ連・中国などのランドパワー封じ込め」は、鉄道の発達によりシーパワーの優位が揺らぎ始めた20世紀初期の世界で、シーパワーが世界支配を継続する為にはほとんど唯一の方法だったのかもしれない。だとすれば、日本を含め世界主要国の首脳は20世紀後半が「世界覇権を持つシーパワーによるランドパワー包囲」の二極対立の時代になることを予想していたと想像される。 かつて、ジャパンハンドラー氏は「日本は戦争の出来ない親英米国家になるためにわざと戦争で負けた」と主張した。これは、逆に言うと、日本は「戦争の出来る反英米国家になる」路線を歩むように国際金融資本に誘導されていたと想像される。そして、冷戦時代の東西対決を考えると、もし日本が対米戦争を実行せずに対中戦争に専念していれば、第二次世界大戦直後に朝鮮戦争と同様の戦争が日中連合vs米国の間で戦われ、シーパワーの米国が日本全土+台湾を占領するという事態が想像される。日本の国土は戦場となり、国民の何割かが命を落とし、日本の中枢階層は全員が中国本土に避難してその後中国に同化されていくことになるだろう。日本の民族性が日本の国土に由来している事を考えると、日本が国土を失うというのは日本の滅亡に他ならないのだ。それは、白人の世界覇権を脅かす唯一の有色人種民族、あるいは国際金融資本の世界支配を覆す力を持つ有力民族の一つを消滅させる非常に巧妙な作戦であるとも考えられる。日本が中国占領の絶好の機会を見逃してわざと戦力の逐次投入による泥沼の戦争を長引かせたこと、自滅的な対米戦争を実行した後に米国に対して敗北したことは、結果的にこの「日本の滅亡」を回避することに繋がったと想像される。日本政府中枢は第一次大戦直後からこのような戦略を立てて実行してきたのかもしれない。 . . . 本文を読む
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