国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

大統領選挙とキリスト教徒殺人事件を巡るトルコの政治的緊張は対欧戦争や内戦に繋がるか?

2007年04月28日 | トルコ系民族地域及びモンゴル
米国の次に世界覇権を握ると予想される欧州地域はトルコからペルシャ系のクルド人の住むクルディスタンを切り離す予定だろう。そして、アルメニア人迫害問題とキプロスの分裂問題、キリスト教徒迫害問題を鍵にトルコを窮地に追い込む予定であろう。そしてトルコは戦争で敗北するか、あるいは敗戦に匹敵する大打撃を受けて路線変更を行う事になるだろう。その後にはイスラムを国教としつつ宗教の寛容性を維持する世俗国家トルコ(恐らく領土も人口も現在より縮小しているだろう)が残り、EUの一員になるのではないだろうか? トルコは中央アジアを発祥の地としており、アナトリア高原の先住民族はペルシャ系民族、アルメニア人、ギリシャ人などである。重要産業である観光業の名所の多くはギリシャ人やアルメニア人がかつて残した遺跡である。それを見物する欧米人観光客は、侵略者であるトルコ人が同胞の残した遺跡を使って平然と金儲けをしていることに腹立たしい思いをしているのではないか?また、トルコの貿易の大部分は対欧州であり、欧州を敵に回しては生きていけない。トルコの世論はアルメニア人迫害問題とキプロスの分裂問題、キリスト教徒迫害問題のいずれでも欧州の望む宗教的寛容路線とかなり異なっており、近い将来に何らかの破局(対欧戦争や内戦を含む)は避けられないだろう。 私は、トルコと欧州(ギリシャ等)の間の戦争がある目的のために実行されるのではないかと想像している。それは、侵略者が侵略した土地から追放されることなく住み続けること、その地域を支配し続けることを許される国際的な基準作りのためである。 先住民族と移住民が対立する地域で自己の利益を正当化する論理を欧米人は必要としている。それは、新大陸やシベリアのようにかつて先住民を迫害しつつ白人が入植した地域で、白人による支配を正当化するためであり、その一方では経済的利益を求めて欧米になだれ込んでくるアラブ系・トルコ系・アフリカ系・インド系・中国系・韓国系などの移民の抑制と本国への追放である。この二つの目的はそもそも矛盾しているのだが、その矛盾を正当化するのが政治の役割なのだ。恐らく、「先住民族の生活・人権を保護する限り、侵略者が先住民族と共に居住することが許される」という理屈が作り出され、それによって南北アメリカやオーストラリア、シベリアの白人居住の正当化が行われるのだろう。 . . . 本文を読む
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