国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

とうとうトルコ軍がクルド人ゲリラを追ってイラク北部に越境攻撃、トルコ滅亡戦争の始まりか?

2007年06月07日 | トルコ系民族地域及びモンゴル
5月22日のクルド人組織によるとされる自爆テロ事件以後緊迫していたトルコ・イラク国境で、6月6日にとうとうトルコ軍が国境を越えてイラク領内に攻撃を加えたという。これを否定する情報もあり、事態の詳細は現時点では明らかではない。しかし、もしイラク側からトルコ軍の越境攻撃を認める発言が行われるならば、米国+クルド人勢力vsトルコ軍という軍事対決に結びつきかねない非常に危険な状態である。 以前にも触れたとおり、私は陰謀論の立場から、この戦争によりトルコは軍事的に敗北し滅亡、その結果クルド人地区、中央部のトルコ人地区、西部の世俗的・欧州人的容貌のトルコ人地区の三つの地域に分裂して西部地区のみが将来EUに加盟するというシナリオを予想する。そして、トルコ軍部はこのシナリオを成功させるためにわざとクルド人問題を紛糾させ、わざと戦争で負けてEU加盟という目標を達成する考えではないだろうか。 また、同時にレバノンとイスラエルでも国内で混乱状態が悪化しつつあることが注目される。これも私の想像だが、トルコが対イラク戦争に敗北するのと同時期にレバノン・イスラエルでも内乱状態に移行して、レバノンを少数派のキリスト教徒が、イスラエルを少数派のアシュケナジーが支配するという体制が崩壊するのではないだろうか。そしてその後は、レバノンは多数派のシーア派と少数派のスンニ派が、イスラエルは多数派のスファラディ(ユダヤ教を信仰するアラブ人)と少数派のイスラム教徒(アラブ人)が支配する体制に移行すると想像する。 . . . 本文を読む
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ウィルタやニブヒなど樺太の少数先住民族への戦時徴用補償問題が日露間の領土問題に与える重要性

2007年06月07日 | ロシア・北方領土
日本とロシアは1956年の日ソ共同宣言により国交を回復したが、その一方で平和条約は締結されず国境線は未確定のままであり、第二次大戦の戦争状態がポツダム宣言受諾により停戦状態になった状況が依然として現在まで継続しているとも言える。欧州やロシア、北米を中心とする先進国は最近になって人口増加が緩慢化ないし停止し、人口激増中の途上国からの不法移民の脅威に脅かされるという守りの体制に入りつつある。この状況で先進国が自己を防衛するための最大の根拠は、欧州について言えば、「不法移民は先住民族である欧州民族に被害を与えており、それ故に追放されねばならない」というものになるだろうと私は想像している。そして、欧州人が先住権を主張するときに最も問題になるのがロシアや新世界での欧州系移民による先住民族迫害の歴史であり、一歩間違えれば新大陸やシベリアから欧州系移民が全員追放されるべきという主張を生み出しかねないのだ。それを乗り越えるためには、新大陸やシベリアの欧州系移民は先住民族を尊重し、過去の迫害を真摯に反省して償いを行う必要が出てくるだろう。このような観点から見たとき、旧樺太出身で現在日本に居住する北方少数民族の戦時徴用について日本政府が補償を行うことは、彼らが日本国民であることの根拠ともなり、樺太(特に南部)についての日本の領有権の主張の余地が出てくると想像される。日本が樺太南部について領有権を主張するかどうかという政策決定には先住民族であるウィルタやニブヒなどの意見が反映されるべきであり、彼らが徴用後にシベリア抑留などの迫害を受けている事を考えれば、日本もまた先住民族に対する迫害を真摯に反省すべきである。一般の日本人が軽々しく「南樺太はいらない」などと主張することは許されないのだ。 その一方で、ウィルタやニブヒなどの少数民族は旧ソ連領の北樺太にも居住しており、その子孫が現在ロシアに居住している。樺太の先住民族が同一民族でありながら日露両国に分断されて居住しており、来るべき日露平和条約で扱われるであろう樺太の領有権についてはそれが反映されねばならない。なお、北海道の先住民族であり南樺太や千島にも多数居住していたアイヌ人はその子孫のほとんどが日本に居住しており、これは千島列島や南樺太の領有権が日本に属することの根拠になりうるものである。 . . . 本文を読む
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