国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

週刊アカシックレコードの提唱する中朝開戦説について考える

2007年06月20日 | 中国
私は週刊アカシックレコードの「中国・北朝鮮・韓国の反日トライアングル」仮説には賛成しないが、中朝戦争の可能性はあり得ない訳ではないと想像する。中朝両国の間に深い信頼関係と密接な情報交換があればこそ、軍事衝突+その後の和平成立まで含めた綿密なシナリオに基づいた迫真の演技が可能になる。それは北朝鮮に隣接する中国や韓国、日本の地政学的リスクを上昇させることで株式バブルを一挙に破裂させる引き金になりうる。北朝鮮がバブル破裂の原因となることで、日銀・米国政府・中国政府などはバブル破裂の責任を問われずに済むのである。大損した投資家に批判されたら、「北朝鮮が戦争を起こしたのがバブル破裂の原因だから、文句は北朝鮮に言え」と言い返せばよいのだ。 なお、北朝鮮の攻撃対象としては他に日本や韓国も考え得る。しかし、日米安保、日韓相互防衛条約が存在する現状では、米軍の自動的参戦(それは北朝鮮の破滅を意味する)の引き金になる日本や韓国への攻撃シナリオは常識的には考え難い。米中間・米朝間に軍事同盟が存在しないからこそ、中朝戦争勃発シナリオは十分可能性があると思われる。また、米国の自動的参戦をともなわないであろうもう一つの東アジア戦争シナリオは日韓戦争(日韓戦争では日米安保と米韓相互防衛条約が両立しないため、米国は中立せざるを得ないと予想する)であり、竹島問題などがその引き金になる可能性もあるが、空想的平和主義の日本人を戦争に同意させるのはかなり困難だろう。 日中両国に朝鮮半島や台湾を含めた東アジア沿海部は製造業の巨大な集積が存在する地域であり、この地域で地政学的リスクが増加することは世界経済に大きな衝撃を与えるだろう。それに匹敵する衝撃を生み出しうる他の戦争シナリオとしては、主要核大国間の核戦争や、米国とイランの全面戦争によるホルムズ海峡封鎖などの地球文明自体を破滅させかねない危険でコントロール不能なものしか残されていない様にも思われる。 . . . 本文を読む
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