国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

文明の衝突の最前線は国境線ではなく、上海・北京等の中国の大都市やトルコ西部などの国家内部に存在する

2007年06月06日 | 中国
ブログ「中国の掲示板」の記事によれば、北京の一教師が日本人の民度の高さを賞賛している。また、上海人は民度が高く、一部上海人は自国人を罵って、自分は日本にあこがれていて、日本最高、中国はゴミと言っているという。北京や上海などの大都市で文化的な生活を享受するには、日本人と同様の規律の高さを持つことが重要であることは言うまでもない。人々が交通信号を守り、ゴミのポイ捨てを行わず、公共物(鉄道の備品など)を盗まないならば、都市の生活はより快適で効率的になるだろう。上海などの都市住民は農村出身で都市に暮らす出稼ぎの人々の「民度の低さ」を嘆き、日本にあこがれているのだ。これは日本文明と中国文明の衝突に他ならない。 北京市及びその近郊については、漢民族の農民vs北京市民+満州族+蒙古族という対立の図式が形成され始めている様に思われる。北京市民は自然を破壊する漢民族の文明を拒否して、自然と共に生活する遊牧民族・ツングース系民族・日本民族の文明を選択し始めているのだ。ここにも文明の衝突が存在する。 北京市南方の河北省から河南省にかけての地域は降水量が北京市よりやや少なく乾燥気候(草原気候)である。この地域を流れる黄河も上流での取水等により干上がっている事が多く、現在は農業用水の大部分を地下水に依存している。しかし、その影響で地下水の水位は年々低下しており、将来的には地下水枯渇や表土の塩分増加により農耕が困難になる事態も予想される。一方で北京市北方の満州族自治区での緑化により森林が維持されるならば、それ北京・天津両都市をはオアシスとして維持するものになろう。その場合、北アフリカのサハラ砂漠から中央アジアを経てモンゴルのゴビ砂漠に至る農耕不可能地帯が河北省南部や山東省の黄海沿岸まで到達し、その北側の文明世界と南側の人口過剰な途上国世界を分断する自然の境界地帯になると想像される。このような幅広い不毛地帯の存在は、南から北への経済難民の流入を効果的に抑制できる点で北側の先進世界にとって非常に有益であろう。更に、日本やロシアなどへの経済難民抑制のためにどうしても必要になる汚れ仕事(例えば経済難民に対する処刑などの厳罰)を北京・天津や上海などの大都市住民に肩代わりさせることで、日本やロシアはやや身勝手だが国際的非難を回避することも可能になると思われる。 . . . 本文を読む
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