今月末で庭園美術館が閉館すると言うのをピッコリーナちゃんに聞いたので、一緒に行くことに。
ピッコリーナちゃんは朝香宮鳩彦様の直系の孫娘にあたる方が東京での親代わりをされていて、そのご縁で私も二度ほどその孫娘さんにお会いしたことがある。(孫娘さんと言ってももう還暦を迎えたご年齢なので以下朝香宮のおば様と呼ぶ)。
閉館になると言うことでピッコリーナちゃんはおば様と火曜日にも訪れたようだったが、私にお付き合してくれ、しかも招待券まで用意してくれた。感謝。
まだ小さかった頃に引っ越されてしまったようなのであまり記憶にはないようだが、ご自分の家が美術館になってしまうというのはどんな気分なのだろうか…
今回は『アールデコの館』とそのままずばりのテーマで普段公開されてないお部屋も見れ、写真撮影も可能だ。
アールデコ好きの私としては国立博物館と同じくらい何度も足を運んでいる美術館ですが、初めて見る部屋も多かった。
これは、最近、見つかったというロイヤルコペンハーゲン製のペンギンの陶器。
ちょうどピッコリーナちゃんとおば様が美術館に遊びに行った時に骨董品屋から届いたそうで木箱にはペンギンならぬペリカンと書かれていたそうです。きっと当時の人はペンギンなんて見たことかなく、ペリカンと書いてしまったのでしょうか…
このペンギンは長らく骨董品屋にあり、朝香宮ゆかりの品ではないかと骨董品屋から連絡があり、当時の写真に同じペンギンの陶器が写っており、引き取ることになったそうです。
戦後のどさくさで、ずいぶんとなくなってしまったものも多いようで、今、少しずつ探して買い戻しているようです。
ちなみに、ティアラにお揃いのダイヤが散りばめられたブレスレットはおば様がお持ちで、ティアラを展示する時は貸し出ししてあげているらしい。
それにしても有名な香水塔もラリックの入り口のレリーフも
あの3月11日の地震によく耐えたものだ。
そのせいもあって、多分、今回の改修工事なんだろうけど、これらの美術品が割れなくて本当に良かった。
大広間にはグランドピアノがあり、このピアノは建物公開がテーマの時のみ置かれ、普段は奥にあるそうで、休館日によくピッコリーナちゃんがピアノを練習していたそうです。
二階に上がると、朝香宮様のバス&トイレルームも公開されていた。
今の時代でもおかしくないほどのスタイリッシュなトイレタリーであった。
会場では当時の映像などやアールデコの館が建ったいきさつなどの映像が流れたりしていてなかなか面白かった。広大な庭園にある丘からゴザを使って子供たちが下りてくるシーンなどは、庶民と変わらぬ遊びをされていたことが伺えます。
アールデコの館が建ったいきさつには、パリでの交通事故と別の宮様の死があったとはびっくりでした。
二階には、大きな金庫が備わった金庫室も公開されていて、アールデコとは関係ない部分でも興味深かった。
お庭も雨上がりで苔が綺麗だった。
その後、学芸員の方を紹介していただけると言うことで事務所の方へ回ると、あちこちに大きな松ぼっくりが飾られていた。
学芸員の方に訪ねると建物の裏の松から取れるそうで、日本で20~30cmもの松ぼっくりが取れるなんてびっくりである。
久振りの美術館だったし、裏話も聞けたし、楽しい時間だった。
アールデコに興味がある方や庭園美術館が好きな方は、平成26年まで休館してしまうそうなので、ぜひ今月末に観に行かれることをお勧めいたします。
特に10/28~30までは21時まで開館しているそうです。
学芸員さんの話によると、改修後は今、事務所としている場所も公開されるそうです。