マルグリット嬢は笑いを隠すのに少なからず苦労せねばならなかった。
「おば様に白状いたしますけれど、私は子供の頃からずっと自分の着る服は自分で作っていますの」
『将軍夫人』は両手を天に差し伸べた。
「自分で、ですって!」 聞き間違ったのではないことを確認するため、彼女は数回繰り返した。「自分の手で? まぁ、そんなこと、とても考えられない! 五十万か六十万リーブルもの年利収入のある方の娘である貴女が、どうしてそんな! ああでも、そうね、亡くなられたド・シャルース様は立派な方ではあったけれど、奇妙な一風変わった考えをお持ちの方でしたわね……」
「お言葉ですけれど、おば様、私は自分の楽しみのためにそうしていたんですの……」
ここに至って、これはフォンデージ夫人の理解を越えた。
「信じられない!」と彼女は呟いた。「とても本当のことと思えないわ。でも流行はどうするんです? どうやって流行に後れないようにしていたの?」
この点に掛ける彼女の情熱の大きさは疑いようがなかったので、マルグリット嬢もそれ以上真面目な顔を続けていられなくなった。
「流行は」と彼女は答えた。「ごくごく遠くから眺めるだけですわ……というわけで、今着ていますこの服も……」
「とてもよくお似合いよ。それを着た貴女はとても素敵……でもね、正直に申し上げるけれど、その手のスタイルはもう流行らないのよ。はっきり言って全然流行おくれ……だから貴女がこれから買うことになるドレスも全く違うものにしなければね……」
「でもおば様、私は既に十分すぎるほどたくさん服を持っていますわ」
「黒の?」
「私は大抵黒しか着ませんので……」
『将軍夫人』がこのようなことは聞いたこともないのは明らかだった。
「何にせよ」と彼女は言った。「喪に服する最初の数か月は、それもやむを得ないことでしょう。でもその後は? ねぇ、マルグリット、貴女がド・シャルース邸で暮らしていた時のような、あの修道院みたいな生活を私が貴女にさせておくとお思いなの? あの大きなお屋敷でたった一人ぼっち、社交界との付き合いもなく、友達もなく……」
マルグリット嬢の睫毛に涙が揺れていた。
「あの頃私は幸せでしたわ、おば様」と彼女は呟いた。
「貴女がそう思っているだけですよ! 自分が間違っていたと気がつくときが来るわ……楽しみとはどういうものか知らないとき、人はそれまで自分がいかに退屈していたか、気づかないものよ。貴女はド・シャルース伯爵のもとでとても不幸な生活をしていたことに御自分でも気がついていないのよ」
「まぁ、おば様!」
「まぁそう興奮しないで……私の言っているのは確かなことよ……私に孤独自慢をする前に、社交界にデビューしてごらんなさい、マルグリットちゃん! 舞踏会がどんなものか、きっと貴女は知らないんでしょうね? ああ、やっぱり! そうだと思ったわ。二十歳だっていうのに!でも大丈夫、私がいるわ。私が貴女の母親代わりになってあげる。そして二人で失われた時を取り戻すのよ!5.19
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