計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

謹賀新年

2013年01月01日 | 気象情報の現場から


 2012年最後の予報配信を終え(大トリ)、静まり返った予報センターの様子。これで2012年の業務が全て終わりました。一応、これで「仕事納め」になりますが、「仕事始め」が元日です。2012年は終わりましたが、この冬は始まったばかり。これからがいよいよ厳冬期の本番。気が抜けません。

 と言うわけで、新年、明けましておめでとうございます m(_ _)m。

 実は「新年を迎えた」と言う実感がありません。雪の予報に関わっていると「1月1日」と言うと「あー、冬が始まって"1か月"になるんだなー」という心境です。でも、ウカウカしていられません。そろそろ、5月の学会発表の事を真剣に考えなければならないからです。



 こちらは2012年12月31日のギリギリのタイミングで間に合った、三次元熱流体シミュレーションの計算結果の一つ。これが何を意味するのかは、今は敢えてコメントは書きません。察しが付く方はパッと見て気付かれるかと思います。この画像は、私が熱流体力学の数値モデルの研究を始めた時からの(十年来の!)悲願です。2012年の内に、何とかここまで到達できました。

 という事は、ここからさらなる飛躍と発展を遂げるのが、この2013年という事になります。ただ、数値モデルを構築するだけに留まらず、そこから得られる知見を、独自の局地予報にしっかりと反映していく事。これが大きな課題です。そのためには今後、検証と改良を幾度も重ねていく事になるでしょう。そのためのプロトタイプが漸く実現した段階です。

 「局地予報」と言う単語は良く見聞きするが、実際には一体どんなものなのか?

 私は長年、アマチュア気象予報士だった頃は正直、局地予報と言うものについての「具体的なイメージ」を持ち合わせてはおりませんでした。しかし、今ではクライアントからのニーズやフィードバックも頂くようになり、少しずつではありますが「マーケット・イン」の流れが出来つつある中で、自分たちの目指す「局地予報」のイメージも鮮明になってきました。

 気象庁から各種メディアを通じて発表される「天気予報」と民間気象会社が提供する「独自予報」とは何が違うのか?その違いは、一言でいえば「プロダクト・アウト」と「マーケット・イン」です。マーケットの期待に応えるためには、基盤となるテクノロジーの充実が欠かせません。

 2012年は、色々な意味で小さな芽が出てきた年でした。今度はその芽をしっかりと育んでいかなくてはなりません。この2013年はそんな一年になりそうです。

 この2013年が皆様にとっても、より良い一年でありますように。

コメント
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