この夏の猛暑で完全に伸びきってしまったTHORENS トーレンス TD320 のドライブベルトですが、、
純正品と同等長さのベルトに交換した所、恐らくは ベルトの材質や伸縮率の違い等により 異常にキツキツの状態となり 何やら異様な悲鳴音が聞こえてきました~
あくまでも素人の見当ですが、モーターの軸受け部(ベアリングでしょうか?)が既に劣化しており そこに無理な力が加わって連続的な悲鳴音が発生したのじゃないかと思われます。なにぶん発売後40年も経過している骨董品ですから できるだけ無理な負荷を掛けたくないわけです。なので、ひと回り大き目のベルトに交換することにしました。
初めに入手したのが 全周502mm でしたので、もう少しだけ大きなサイズが全周522mmを選んでみました。まあ予想通りに ゆるくも無く かたくも無く 丁度良い塩梅でモータープーリーとターンテーブルが接続されました。恐る恐るスタートSWを押しますと、 ゆるり、ゆるーり回転し始め くだんの悲鳴音も一切聴こえなくなりました~ めでたし めでたし
◎ 回転速度のチェック
回転数に関しては 裏ブタを開いて 内部基板を引っ張り出して 制御用VRを調整しました。この機種は回転数の調整するには裏蓋を開いて 更に基板を引き出さなくてはならないので 非常に面倒なのです。恐らく暫く使用を続けているとベルトの馴染み等により数字は変化するでしょうけれど、プレーヤは正しい状態(頑丈で安定した水平)に保っておく必要がありますので 調整後は再び基板を元に戻し 裏蓋も固定しました。
と、ここまで来たところ フト ある事に気付いてしまいました~
そう云えば アームの高さ調整はどうなっていたっけ???
現在 コチラのプレーヤには 差当りの暫定的対応としてMICRO精器のMA-202トーンアームを取り付けております(将来的には FR-64 とか WE-308 等に交換したいと考えておりますが、、) コチラのトーンアームには黄色矢印の位置に六角イモネジがあり 上下方向に簡単に高さを調整することができます。で、これまでは通常のセオリ通りにレコードをかけた状態でアームが水平になるよう 大まかに設定しておりました。
上記は昔のオーディオ雑誌の記事で 写真も判り辛い感じですが、アームは水平になるように調整すべき と解説されております。これまではコレに何ら疑いも無く水平、水平と盲信してきましたが、、
何かの雑誌か、ネットの情報か、記憶が定かではないですが、カートリッジは少し前のめりの方が良好である というような情報があったような記憶があり気になっておりました。
◎ そこで物は試し と少しばかりアームを高くしてみたら、、
実に良い!!
低域から高域までスッキリと伸び伸びした感じ
気のせいか盤面からのノイズも減少したかも
◎ ちなみにコチラが以前の様子です
◎ コチラが現在
カメラのアングルも異なっているので比較がムツカシイですが、少しだけアームが高くなっている状態です。
恐らくは気のせいだろうと思いますが、女性ボーカルのさ行で以前の水平調整ならば歪んでしまった箇所でも現在の前のめりだと歪なく再生してくれてるように感じます。
前々から コノさ行の歪み問題を解決しようと悪戦苦闘してきたわけです。カートリッジの微妙な左右ズレを微調したり 針圧を微調したりと アレコレ知恵を絞っても解決できずで 矢張り丸針や多少の楕円針では無理なんだろうと諦めておりました。ところが、もしかするとカートリッジの角度調整で いくらか改善の余地が残されているのではないかと考えております。アナログ本格的派・専門家・お詳しい方 からするとアームは水平でなければならないの かも知れませんが、、
ほんの些細な調整の違いが、再生音に大きな違いを生むのがアナログの醍醐味でもあると思います!!
ドロ沼の 更なる 深み へ
突き進んで参ります~
いえいえ、そんなことはありませんよ。
カートリッジの針先のバーチカルアングルの問題だと思います。
例えばオルトフォンSPUは以前は15度、最近は20度とカタログ値として載っています。
その角度になるようにLPの溝に入っていれば十全の性能を発揮してくれるわけですね。
ですから、同じカートリッジであっても個体差があって、時にはアームが水平でない
方が良い結果をもたらすことになります。
この問題は複数のカートリッジを交換して使っている人にとっては悩ましい問題なのです。
カートリッジに角度をつけることで再生音が向上した件は、プラセーボ効果の様な心理的要因かとも思っておりましたが確実なる技術的要因であると判り安心しました。
今後とも どうぞよろしくお願いいたします。