◎エッセネ派は富を悪とする
イエスの時代、ユダヤ教は、パリサイ派、サドカイ派、エッセネ派の三派があり、イエスは、エッセネ派出身だと言われる。
イエスの超能力の行使ぶりを見ると、エッセネ派は、超能力志向集団かと思いきや、そうではないようだ。
数少ないエッセネ派に関する描写がユダヤ戦記Ⅱにあるが、教団内の資産や物は信者による共有。快楽を悪とし、自制することと情欲に溺れないことを徳とする。
現代人には信じられないかもしれないが、エッセネ派は富を悪とする。
これにより、教団全体に貧困による屈辱はない代わりに傑出した富者もいない。
注目すべきは、子供を親から引き離し教団で育てていること。イエスは前半生が謎だが、そのように幼いうちから教団に育てられた一人がイエスであって、特に優秀な人物だったのではないか。
エッセネ派では、死後も霊魂を不死と見るが、転生してくるかどうかは定かでないが、死後天国も地獄もある。
ユダヤ戦記では、物やしきたりの話が多く、教義や冥想修行の話は少ないが、エッセネ派から出て来たイエスが、超能力を駆使し得たことを見れば、ユダヤ教正統の伝統の承継者の一人だったのだろうと思う。
ユクテスワやパラマンサ・ヨガナンダは、洗礼のヨハネ、イエス、パウロが、一定水準を越えたクンダリーニ・ヨーギだったと見ている。同一の時代に覚者を連続して出せるノウハウと組織と師を備えていたのがエッセネ派だったのだろうと思う。