◎霊界物語の大洪水
(2019-04-05)
霊界物語では、第六巻第三篇大峠の中の2章が大洪水に当てられている。
大洪水そのものは、禽獣、鳥類が、発生直前に一斉に山を目指して逃げるのに気づいた人間が、真っ先に山に逃げ、事前に大洪水があるのを予知した人間は、船を用意する。うち何百隻かが山の麓にたどりついて生き延びるのだが、サブマリンみたいな目無堅間の船でないとだめというようなことが書いてある。
そもそも大洪水は、霊界の太陽が、霊界高山の氷を溶かし、その水が地球に流れ込んできたものという霊界的説明であり、現界と霊界をチャンポンにした説明である。
大洪水の最中は、グルグル回るが上部の床がすべりやすい巨大黄金橋に乗ることができれば、洪水から助かるとか、銅橋から出る金属製の救ひの鈎につかまれば助かるなどと書いてはいるが、こうした大洪水と救命の描写の陰に隠れて、人間がいかに悟っていくかの道筋を小出しに織り込んでいる。
目無堅間の船などは、その最たるものだと思うし、大物神霊である野立彦神、野立姫神が天教山火口に飛び込むなどもその真意をよく冥想せねばならないと思う。
ある一定の意識レベルに達して、将来の大洪水シーンを幻視して、どこにどのように行けば助かるか、自分の財産、地位、名誉、権力をどう保全するかを考えるのではなく、自分が新たな神の時代、住民全員が神を知っている時代に生き残る資格を持っているかどうかを思うべきだと思う。
霊界物語第六巻の第三篇大峠は次のような構成になっており、第四篇立花の小戸に続く。単純な世界的大洪水の惨状と人類の救済状況とその後の新世界を描いているわけでなく、古神道の行法でどう悟るかを現界と神秘生理学ないまぜにした描写で、クンダリーニ・ヨーガ系求道者にヒントを与えていると思う。
第三篇 大峠
第一五章 大洪水(一)
第一六章 大洪水(二)
第一七章 極仁極徳
第一八章 天の瓊矛
第四篇 立花の小戸
第一九章 祓戸四柱
第二〇章 善悪不測
第二一章 真木柱
第二二章 神業無辺
第二三章 諸教同根
第二四章 富士鳴戸