◎軍事政策は平和ボケした外交と同様に無原則
(2015-11-07)
対ソ連、対ロシアの情報に関しては、基礎となる事実についてあまりにも公表されていない件が多く、常に群盲象をなでるが如き気分で、時々出るマスコミ報道に接するのが一般的ではないだろうか。
「知られざる日露の二百年/アレクセイ・A・キリチェンコ/現代思潮新社」は、これらの蒙を一部晴らしてくれる。
曰く、シベリア抑留の日本人は、ロシアは軍事捕虜だと主張するが、ポツダム宣言違反である。
曰く、(ヤルタ?)秘密協定でアメリカはソ連が北海道の上半分を占領するのを認めていたがソ連は結局間に合わなかった。
曰く、満州侵攻したソ連軍は、日本無条件降伏の1945年8月15日までにアメリカから認められた38度線?まで進むことができなかったため、その日以後も38度線に向かって侵攻した。
曰く、ノモンハンは、日露双方とも大軍勢で激突したが、ノモンハンそのものは軍事的にも地政学的にも奪い合うほどの価値があったか疑問。
曰く、日ソ中立条約は、1945年4月5日に既に破棄されていた。8月9日の満州侵攻は不意打ちではない。
ここに彼の名言の一つを紹介し、その見識の高さを知ることができる。
『軍事政策は平和ボケした外交と同様に、資本主義国にとってもまた社会主義国にとっても、無原則なものである。』(同書P147から引用)
情報操作は洗脳の基本。日ソ双方にとって都合の悪い話が多いのだろう。