◎昭和神聖会で実施したこと
(2006-09-21)
昭和神聖会は発足後1年5カ月で第二次大本事件に遭遇した。出口王仁三郎は、昭和神聖会の目的は浮草の如き信者の団結促進を図ることだったと説明しているが、本音はそれだけではなく、「型を出す」という「時代の先行モデルを大衆の潜在意識に植えつける」という操作を意図していたようなところがある。
1.昭和神聖会でやったこと
昭和神聖会でやったことは、次のようなものである。
(1)軍人による軍隊式訓練を行い、分列式(閲兵式のことか)までやった。
(2)信者を青年(中年、老年まで含めて)の有事の動員計画を作成していた。
(3)武器は、刀を2~3百振用意してあったが、自分で使うつもりはなく、教団に来訪した軍人に渡すつもりで持っていた。
(4)大本信条は昔出来たままだったので、信条を改正すると共に、大本規約を改正した。
(5)王仁三郎全集を発行した。
(6)映画部を設けて映画宣伝をした。(当時はまだテレビはなかった。)
2.昭和神聖会の目指した体制
昭和七年の十月統管(出口王仁三郎)随筆により、目指す体制面でのあり方を表明した。それによると
(1)絶対服従は天下統治の大本なり。私意を加へ言論を為す者は、断然除名して神聖会の統制を保つ覚悟を要する
(2)神聖会は、統制上一人の独裁を要する。神聖会員は総て統管の命令に絶対服従すべきである
(3)議会主義は駄目だ、独裁政治に限るのだ。
(4)大事を為すものは光鋭強化せる一団体の威力だ。一千万人の理解ある賛同者を獲得する迄は決して褌を緩めてはならぬ。
として当時本州の人口が6千万しかなかった当時、一千万人の昭和神聖運動への参加を目標に据え、最盛期で百三十何万人もの賛同者を得ていた。
3.日本の先行モデル
以上の昭和神聖会の事蹟から今後の日本の行く末を想像すると、次のようなことになろうか。
(1) 戦争のために憲法を改正する。
(2) 戦争遂行のために、議会政治をやめ、一党独裁体制を整える。
(3)その独裁の一党に反対する言論の自由を認めない。
(4)その一党のリーダーの命令には絶対服従を旨とする。
(5)その一党と党首の宣伝を出版、テレビ報道などで盛んに行う。
(6)日本は若干の軍備を準備するが、周辺国に対しては、せいぜい自衛のためのものであると言い訳できる程度の少量の軍備しか持っていない。
(7)ところがある日、戦争遂行準備していることを理由に、米国を初めとする世界じゅうの国から、日本という国が元からなかったかのように、根こそぎに攻撃・破壊される
4.まとめ
日本の先行モデルで挙げた予想は、今の段階では、まったく夢物語ではあるが、実際に憲法が改正されて、たとえばテロと戦うための自衛戦遂行を名目として、事実上の一党独裁となるような可能性は全くないとは言えないのではないだろうか。一党独裁になれば、何でもできてしまう。
しかし『一党独裁→戦争準備』という夢想的な可能性を云々することよりは、その後の日本を襲う悲劇的シナリオを回避することにこのブログの本旨がある。その回避の方法は、反戦運動、平和運動や、政治活動ではなく、一人一人が、宗派の如何は問わず、まず一日数十分の冥想を始めることしかないだろうと考えている。