珊瑚の時々お絵かき日記

夫と二人暮らし、コロナ自粛するうちに気がついたら中国ドラマのファンになっていました。

チューリップのあつもの

2011年04月14日 | 日々のこと

北国にもやっと春がやってきた。

我が家の庭にはまだかなり雪が残っているけれど、日当たりが良くて土がでているところではもうチューリップの芽が意外なほど伸びている。

花を見るまでそう長くはかからないだろう。

ところで、春になってチューリップを見ると、頭に思い浮かんできては私を悩ませる言葉がある。

「欝金香の羹」。

この言葉に出会ったのは、多分30年以上も昔のことだ。

浪漫の香りが立ち上ってくるような欝金香の文字。

うっこんこう、チューリップの別名だ。

羹は、よく見ると羊羹の羹だけれど、あつものと読む。

そして、「欝金香の羹」は「チューリップのあつもの」ということだ。

当時読んだ短編小説に出てきた。

多分主人公である女性が、増えて困ったチューリップの球根であつものを作ってみた、というくだりがあったのだと思う。

いや、もしかしたら、球根ではなく、花びらだったかも。

チューリップの球根できんとんを作ったという人の話と、混同してしまっているのかも知れない。

 

ところで、あつものって何?

調べてみると、お吸い物のことだとわかった。

つまり、「チューリップのお吸い物」というわけだ。

それならやはり球根だろうか。

百合根のしんじょのように作っておだしをかけたら美味しそうだ。

漆のおわんにチューリップの赤い花びらというのもなかなか素敵だ。

ところで、この不思議な食べ物、ほんとうに食べられるのだろうか。

材料はチューリップなのだから、作ろうと思えば簡単だ。

でも、食べてみる気になるかといえば、ならないだろうな~。

小説の中でヒロインの作ったチューリップのあつものを、誰か食べたのだろうか?

もう一度その小説を読んだら、そのあつものがどんなだったかわかるかも知れない。

でも、題名も作者も思い出せない。何だったんだろう・・・

そんなことを、つらつら考えるのだけれど、チューリップの花が終わった頃には忘れてしまう。

でも、翌年チューリップを見ると、また思い出して・・・という感じなのだ。

 

ところがこの前、そうだ、インターネットで調べてみればいいんだと思いついた。

でも、知られた作品とも思えないからわからないだろうな~と、だめもとで検索してみた。

そうしたら、なんと、ヒットした。

あるブログに、横溝正史の短篇に「薔薇と欝金香」というのがあって、その中に、「チューリップの羹」というのが出てくると、書いている方がいらっしゃった。

えええー、横溝正史だったのー!

私は、何となくだけれど、純文学系じゃないかと思っていたから、意外も意外、想定外だ。

でも、確かに「薔薇と欝金香」というタイトルには憶えがある。

ような気がする。

それに、考えてみたら、私、純文学なんて読んでいなかった。

でも、横溝正史なら殆ど読んだわね。

そうかぁ、横溝さんだったのねぇ。 

長年の謎が、いとも簡単に解けてしまった。

インターネットって凄い!

 

 

 

 

 

コメント (2)
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