4月1日をもって、娘は岐阜支店勤務となった。
転居先は岐阜から20分ほど電車に乗った辺りの社宅の3階。
通勤時間は、歩きも含めて40分もかからないそうだ。
そして、驚いたことに、何と3DKだ!
独身寮のワンルームから引っ越してきた身には、恐れ多いほどの広さだ。
地方都市ならではの恩恵だろう。
その代わり、古い!
社宅ゆえの宿命か、お化けがでてもおかしくないほど古い!!
今は、住んでいた人が退去するとき、ホームクリーニングを頼んできれいにして行くというのが常識になっているそうで、室内はごみ一つ落ちていなかった。
けれど、積年の汚れはどうしようもなく、あちこちに黒ずんで染み付いている。
昔の間取りだからだろう、引き戸が多い。
そして、そのすべてが開け閉めするたび、ガラガラとかキーッとか、結構な音を立てる。
夜はかなり気を使って開け閉めしなければならないだろうな。
でも、そんなことは何でもない。
3DKの広さは、すべてのマイナス面を吹き飛ばしてしまう。
先週末にきた電話では、「家にいるのが楽しいのよねえ、きっと広いからかなー、何となく時間が過ぎちゃう感じ」と言っていた。
休日ともなれば、朝から出歩いていた子が、今はあまり出歩く気にならないとか。
それは、まだあたりの様子がわからない、とか、片づけが済んでいないから、とか、まだ、友達や知り合いがいないから、とかいろいろ理由はあるだろうけれど、広い空間が気持ちにゆとりと落ち着きをもたらすのは確かかなと思う。
私も、以前の娘の部屋に泊まるのは、正直言って辛かった。
ベッド、小さな箪笥、冷蔵庫など、最低限の家財道具しか置いていなかったけれど、収納に収まりきらない衣類や本、小間物、溜まった新聞の束などで、部屋はいっぱいだ。
何をするにも、何かをどかしてスペースを作って、それから。
そこに夫が入ると、もう空気すら足りない。
一泊したら疲労感でぐったりだった。
もうそんなこともないだろうな~、私も嬉しい
彼女は2DK分を日常居住区とし、独立した作りの1室を客間にすることにした。
この前、私達も泊まった部屋だ。
客間があると聞いて、それならと、お友達が次々と訪問を希望。
ゴールデンウイークも夏休みも予約済みだとか。
「民宿状態だよ~」と、嬉しそうだ
「その客間、客間のままに維持しなさいよ」と、釘を刺しておいたが、1年後、「時々客間、実は物置」になっていなければいいけれど