珊瑚の時々お絵かき日記

夫と二人暮らし、コロナ自粛するうちに気がついたら中国ドラマのファンになっていました。

ホイリゲでホイリゲ

2011年04月19日 | 日々のこと

さて、昨日の続きだけれど、 ウイーン郊外のホイリゲでウエートレスのおねえさんに勧められるまま、ホイリゲを注文してみた。

赤ワインよりはやや色目の薄いホイリゲワインが、持ち手のついたビールジョッキのような大きなグラスで運ばれてきた。

グラスのふちまで惜しげもなくなみなみと注がれていて、木のテーブルに置かれるとき、ちゃぷちゃぷと溢れてこぼれた。

おおお~と思わず歓声を上げてしまった私達。

何と気前の良いこと、さすが本場だ。

 

それを、ぶどう棚に囲まれた中庭のテーブルでいただいた。

甘くて美味しい 

夫は瞬く間に飲み干し、2杯目は普通のワインを注文していた。

酒好きには甘みが邪魔だったのかもしれない。

 

気持ちよく晴れた日の午後の3時頃、観光客は私達しかいない。

見廻すと、現地の人らしき初老の男たちが数人、若いカップルが一組。

ウエートレスのおねえさんも手持ち無沙汰だ。

そこへ、買い物袋を提げた白髪の老婦人が現れた。

おばあさんと呼んでも良いだろう。

おねえさんとも男たちとも顔見知りらしく、二言三言会話をしている。

そして、ゆっくりと一人で木陰の席に着いた。

おばあさんの両足にはサポーター、リユウマチか神経痛を患っているのだろうか。

その足で歩いてくるのだから、きっと住まいは近くなのだろう。

気持ちの良い昼下がり、一杯のワインをぶどう棚の下で楽しむおばあさん。

花柄のワンピースにカーディガン、手には買い物袋、頑丈な踵の低い古びた靴。

ああ、ヨーロッパだなーと思う。

 

やがて、ワインを飲み干したおばあさんは、おねえさんや男達に声をかけ、ゆっくりとした足取りで帰っていった。

家に着いたら、きっとお昼寝タイムだろう。

 

私が唯一美味しいと思ったワイン、ホイリゲ。

その味を、今もうはっきり思い出すことはできない。

だから、私のぶどうジュース割りワインが、同じような味かどうかは自信がないけれど、少しは思い出させる味なのではないかしら。

 

ああ、もう一度行きたくなってしまったなぁ。