珊瑚の時々お絵かき日記

夫と二人暮らし、コロナ自粛するうちに気がついたら中国ドラマのファンになっていました。

ハマグリの湯豆腐

2011年04月25日 | 日々のこと

我が家では読売新聞をとっている。

土曜日の夕刊に、こぐれひでこさんという方の「食悦画帳」というコラムが載っていた。

そこで、池波正太郎の「そうざい料理帖」というエッセーに登場しているという「ハマグリの湯豆腐」が紹介されていた。

あまりに美味しそうで、読み終わった途端、材料を買いに出て作って食べたのだそうだ。

食べてみたら、「その美味しさと言ったら、ああ!気っぷのいい味だった」とのこと。

作り方はいたって簡単。

昆布を敷いて水を入れた鍋に、薄いいちょう切りした大根、ハマグリ、豆腐をいれて火にかけ、ハマグリの口が開いたらできあがり。

鰹節と刻みネギ、しょうゆを混ぜたたれでいただく。

残った汁でうどんを煮たら絶品だとか。

うう~む、やってみたい

私は湯豆腐が好きだ。本場京都で食べたことは一度しかないけれど。

明日の夕飯はこの湯豆腐にするぞと決めた。

 

さて、翌日、つまり昨日。

ハマグリを砂だしすることを考えると、ゆっくりしてはいられない。

午前中にとるものもとりあえずヨーカドーへ買出しに。

まずはハマグリだ。

お魚コーナーへ突進する。

ハマグリは・・・あらら、ない!

ガクッ、でも、めげない、ハマグリが無くてもアサリがあるわ。

大根、ネギ、肝心な豆腐も忘れず購入。

そして、アサリがリラックスして早く砂を吐いてくれるよう、足音にも気をつけて砂だしをした。

夕方、十分に砂だししたアサリ、こんぶ、薄くいちょう切りした大根、そして豆腐を鍋に入れて火にかける。

アサリの口を開いたところで、わくわくしながらまずは熱々のお豆腐を一掬い

う~む、ちょっと何かが足りないかな~、ハマグリとアサリの差が出ているのかもしれない。

まあ、私はお豆腐が好きだから、特に文句はない。

ところが、夫が、ネギを入れてくれと言い出した。

ええ~!と私。

しばし躊躇。

でも、、まあ、ネギはたれにも入っているわけだしまあいいか、と斜め切りしたネギを投入。

すると、調子付いた夫が、「鶏肉があったよね~」と上目遣いに言う

ありますよ、そりゃあ、常備してるもん。

だけど、鶏肉なんか入れたらアサリのだしが・・・。

「なんか物足りないんだよな~」と、夫。

開き直っている。

クッ、確かに・・・、仕方がない、邪道だとは思うけれど。

渋々で、鶏肉投入。

「それから、ほれ、あれ、あれ」と、また夫。

わかった、わかった、えい、ままよ。

えのき、シメジも続けて投入。

気が付いたら、なんのことはない、いつもの鍋に成り果てていた。

「気っぷのいい味」と筆者が絶賛している「池波正太郎の湯豆腐」は跡形もない・・・。

夫が悪い!あやつの食い意地が湯豆腐をただの鶏鍋に変えてしまったのだ

 

でも、そもそも、ハマグリをアサリで代用したのが間違いのもとだったのだろう。

きっとアサリのだしは、ハマグリのそれに遠く及ばないのに違いない。

ハマグリが無かった時点で諦めるべきだった。

そうよ、そうなんだわ、「もう一度、今度はハマグリを手に入れて絶対成功させるぞ」と、ぐっと拳を握り締めたのだった。