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2013年度第一空挺団降下初め(準備編)

2013-01-15 | 自衛隊

というわけで、2013年度、陸上自衛隊第一空挺団降下初めに、
このブログ的にも年頭行事として参加してきたわけですが、

・・・・・・・・・・・・・・・・・。

関東地方にお住いの皆さん。外(笑い)。
なんなんですか~この雪は。

 

うちのマンション敷地内。
先日工場見学で訪れた富山で、「豪雪地帯は大変だのー」などと、
他人事だと思って軽く同情していたら、それ以上の大雪が降ったでござる。

息子の学校は祝日登校だったのに、12時に解散になってしまいました。
「迎えに来て」といわれるもタイヤが滑って駐車場から車出せず。
後から考えると、学校までの細道で車が坂を登れなくなる可能性があり、
出さなくて正解、というやつでした。
で、息子の雪用パーカ(防衛大学ネーム入り)とスキー手袋を持って、
雪の中歩いて迎えに行ったんですよ。

まあそのこと自体は、雪の滅多に降らない土地の人間ゆえ、
「寒いー!すごいー!」
などときゃあきゃあ言いながらも結構楽しんでしまったりしたわけですが、
しばれる吹雪の中を歩きながら、昨日の暑いほどの晴天ぶりを思い返し、
つくづく昨日は「降下日和」であったなあ、と思うとともに、
文字通り天の配剤というか、日本国自衛隊への天佑神助を感じた次第です。

さて、それではその降下初めの一日を振り返ってみることにしましょう。
エリス中尉、5時に起きて6時家を出、完璧に一番乗りするつもりでした。
ところが、そこには落とし穴が。
習志野陸上駐屯地の周りには、コインパーキングがない。
駅前にはタクシーがない。
車をどこに留めるべきか、ぐるぐるそのあたりを徘徊すること30分。
コンビニの前で人に聞いて、「どこかの大型スーパーの駐車場に停める」
ことに決め、少し歩くのを覚悟であるモールの駐車場に留め、
歩き出そうとして、向かいにタクシー会社があるのを発見!
ほっとして帰りのためにタクシーカードをもらい、演習場まで行きました。

すると・・・。



あれ?車がたくさん入ってきてる。
これは、おそらくもっと早くから「駐車許可」を貰っていた人たちでしょう。
しかし、いくら無料でも、こんなに並んで停めるのはねえ・・・。
帰りも、外に出るだけで一苦労、ってくらい列ができていたし、
結果論だけど、車で来ても中に駐車しない方がよかったと思いますよ。

 



演習場の入口から駐車場までは結構な距離があります。
車の列を横目で見ながら歩いていくと、



まず手荷物の検査を受ける場所が。
昔はきっとこんなことしなかったんだろうなあ。
今は、まあディズニーでもやってるくらいですからね。



そして、会場までシャトルバスに乗るのですが・・・・・。
なんだか、これ、人がすごくないですか?
最後尾の隊員さんに聞くと「(乗るのに)40分くらいかかります」
「歩いたほうが早いですか」
「女の人なら20分くらいですかね」

そういう時に決して待たず歩く方を選ぶのがエリス中尉の習性。
あっさりシャトルバスをあきらめてくてく歩いていくと、
横を追い抜かしていく何台かのシャトルバス・・・・え?



ちょ・・・・・・・・

なにこの自衛隊員輸送専用の「シャトル」はっ?
こんなのも走らせているならそう言ってくれないと。
これに乗れるのなら、1時間でも待ったのに。

仕方がない、帰りにはシャトルに乗ってやるぞ、と拳を握りしめ、
さらに歩いていると、



チヌークさんが待機中。
なにやら物資を積み込んでいる模様。
胸が高鳴ります。



歩きながら上空の見張りも欠かさず。
AH-1コブラキタ━(゜∀゜)━!
今日活躍するヘリコプター群が空を飛びまくり。
もうこれはエリス中尉的にまるで盆と正月が一緒に来た状態。
ところで、このコブラはここ習志野には配備されていないそうですから、
どこかよそから飛んできて駐機しようとしている模様。

この時間は各配置の「準備」が見られたというわけです。



第一空挺団の皆さんキタ━━━━ヽ(゜∀゜ )ノ━━━━!!!!

うひゃー、遠目に見てもなんだか鬼塚曹長みたいな人たちだらけ。
わたしたちには頼もしいけど、おそらく敵にとっては恐ろしい集団に見えるでしょう。
精鋭無比な化け物、じゃなくて猛者たちの、戦いを前にした静寂のひととき。



コブラが木々の向こうに沈み込むように降りていきます。



こんな光景を見ながら歩いていくと、
「習志野射撃場」
なにかわからないけど、ものすごく古そうな標識です。



ペトリオット。
パトリオットの英語読みですね。
さりげなく青い字ですが、これはここが空自の陣地であるからです。
ここには陸自第一空挺団と、空自の第一高射隊が所属しているのです。
この「高射隊」配備基地ならではの「あれ」も見ることができました。
あれとは・・・・あれですよあれ。



なんですか?
もしかしたら、これはナイキ・ミサイル?
空自が地対空ミサイル、ナイキJと配備していたそうだからこれがそれ?
だとしたらなぜこんなところに?
ペイトリオットが導入されたので、こちらは退役して床の間の飾り状態?



という具合に、歩かなくては眼にも留めないであろう見所がいっぱい。
やっぱり歩いて正解でした。
でも、この時ふと、道路脇に貼られたロープに
「通行の妨げになるので立ち止まらないでください」
と書いてあるのに気づいてしまいました。
これ以降は歩きながらの写真撮影となりました。



とにかく、しょっちゅう空をヘリが旋回しています。



歩きながら風景を撮るふりして撮った隊員。
うーん、いい体してるねえ。
君、就職先決まってないならちょっと話聞いてみない?
(噂にきくところの『地連』のスカウトマンの声掛け文句)



こちらも準備に余念がありません。
偽装のために葉っぱをトラックに飾り付け真っ最中。
てか、訓練の時にもいちいち偽装するのかしら・・・。
偽装にもテクニックがいるからその練習が必要とか?



飾り付け終わって、なごんでますか?
別の写真を見ると、どうも一人は喫煙中の模様。
しかし、海自と違って陸自は短髪率が高いですね。
このあたりも旧軍の伝統が尾を引いているのかしら。
長髪の隊員もいるので強制ではないんでしょうけど。



トラックの前のネットのようなものはなんでしょうか。



トラックの飾りつけ部隊全景。
偽装のための葉っぱは周りにふんだんにあります。



もう少し歩いていくと、自衛隊専用車の展示がありました。
これは航空気象装置JMMQ-M7。
展開地において航空機の運行に必要な気象データを解析し、
航空操縦士に提供する装置を積んでいます。



子供サービス。
朝っぱらから被り物でご苦労様です(T_T)
それにしても、この被り物、息ができるのかしら。
パイロットと空挺隊員と陸戦隊、それから女性隊員?
それにしてもこのお子さまは、全身自衛隊グッズで固めています。
パパが隊員?それとも単なる自衛隊好き?



軽装甲機動車。
製作はコマツでございます。
コマツが作っているのはショベルカーや重機だけじゃなかったのね。
それにしても、この二人は、こんなに至近距離でいったい何を・・・。



ちょっとハードユースのSUV車って感じです。
塗装を黄色にすれば、ハマーの新型といっても通りそうです。
市街地というジャングルをタフに疾走したいあなたにはこれがおすすめ。

 
 
120ミリ迫撃砲。
車がついていますが、重迫撃砲牽引車により移動させます。
この迫撃砲、銃口の部分にネジの溝がありますでしょう?
昨日予告編でお見せしましたが、



正しい使用例。
銃口を車体とねじで取り付け、銃身は牽引のための棒になります。
誰が考えたか、実に機能的。
この機能性にグッドデザイン賞を差し上げたい。



さすが自衛隊、給水車を仮設トイレの前に設置して、
出てきた人がこちらで手を洗えるように配慮をしています。
左は男性用で右は女性用。
どうして手洗いに男女の別を設けるのか、ちょっと謎ですが。
とにかく、こんなにみんなの並んでいるところにあるので、
いつも手を洗わない不潔な無精者も、つい洗ってしまうという効果抜群。

水は地面に流しっぱなしなので、スノコを敷いて靴が汚れないような配慮も。
いや、さすがは災害地にこういう設備を提供するだけのことはあるわ。



というような情景を興味深く眺めながら、会場に到着。

もし8時に間に合っていれば一番前の場所が取れたのですが。
エリス中尉、今回初参戦の身の悲しさ、いったいどういう状況で待つのか、
どんなところなのかという知識が全くなかったため、前列の「一番乗り組」が
みんな地べたに座るために当然のように持ってきているシートやら椅子やら、
まったくそのような待機グッズを持ってきていませんでした。

まあ、土の上に座ったって別にいいんですが、それだどあまりに冷たいし、
結局この、前から三列目くらいのところに最初から最後まで立っていました。

ご存知のように、次の日大雪となる前触れとして、この日は汗ばむくらいの暖かさ。
顔を照らす陽射しが熱いと感じる瞬間もあったくらいです。
だからこそ、こんな軽装でも何とかなったようなものですが、
来年からはもう少し考えないといけない、と反省いたしました。



しかも時間がたつにつれ、自分の後ろにも幾重もの人垣ができてきます。
後方には売店があり、焼きそばなどの食べ物の屋台がありましたが、
一人で来ていると、その場を離れればもう帰ってきても場所は無し。
椅子などをちょこっと置いていたくらいでは人ごみで見つけられない可能性もあります。

というわけで、こんな状況の中、朝の9時から終了の1時まで身じろぎもせず、
一所に立ち続けたエリス中尉に、どうか暖かい励ましの声を・・。



とはいえ、立っていれば次々と目の前にこんなものが降りてきたり、
訓練準備のいろいろが見られたりするわけですから、
本人は特に大変だとも思っていないし、周りの立っている人たちもそうだったでしょう。

さて、UH-1Jが、にこやかにほほ笑みながらキタ - .∵・(゜∀゜)・∵. - !!
(この意味が分かったあなたとは仲良くなれそうです)



着地。
それにしてもヘリってAHとかOHとかUHとか、やたらネームが間投詞だわ。

さっそくドアが開いて隊員が出てきました。
ちなみに、これは実際にはこんなはっきり見てません。
なんかやってるなあと思って連続写真をとりあえず撮って、
あとで拡大してみたらこんなだった、というくらい遠くです。



隊員が4人出てきました。
おそらく、二番目にいるのがよその基地から来た偉い人で、
その後ろがかばん持ちの副官。(適当)



そうこうしている間に、三々五々、陸戦隊の皆さんが配置に付きます。
陸戦隊とはたぶん言わないと思いますが、正式にはなんていうのか知りません。



アップしてみる。
なんと!
背中に背負ったバックパックにも枯れ枝で偽装しています。
この調子では、きっと顔にも迷彩を塗っているに違いありません。



ところで、視力2.0のエリス中尉、配備に着いた二人が
このあたりでふと消えてしまったのに気が付きました。
どこだと思います?



ここに寝転んでいます。
この潜んでいる二人が気になってずっと注意していたのですが、
いつの間にか戦闘訓練に入ってしまって、行方が分からなくなりました。
しかし、このあと降下展示やら何やら、やたら時間があったので、
もしかしたらそのあいだ、かれらは地面に突っ伏して寝ていたのではないか?
今日はこんなにお天気もいいし、と失礼な想像をしてしまいました。
(ってくらいわたしも眠かったんですよ。何しろ5時に起きたもので)



というところで次に続きます。
次回は訓練準備と試験降下、
できれば降下訓練をすべてお伝えしたいと思います。(願望)