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飛虎将軍廟と台湾の子供たち

2013-01-08 | 日本のこと

1971年に建立され、地元や日本からの観光客の崇敬を集めた
台湾、台南市にある「鎮安堂・飛虎将軍祠」訪問記の続きです。

村の人々の命を守るために壮烈な戦死を遂げた海軍搭乗員杉浦茂峰飛曹長
この私を捨て公の義に死んだ侍は、戦後「神」となって人々に愛されてきただけではなく、
その存在そのものが日本と台湾の友情の架け橋となってきました。

1993年に朝皇宮管理委員会(この地方、海尾の守り神「保生大帝」のこと。
飛虎将軍はこの神様の同属として管理されてきた)は、
このわずか4坪の小さな祠を、広い廟に建て直すことを全会一致で決議し、その後
信者からの奉納により、50坪の土地に台湾風のきらびやかな廟が落成の運びとなりました。



この横断幕には

「台湾人 元日本兵軍人・軍属英霊 顕彰の族
日台の生命の絆
日華(台)親善友好慰霊団」

と書いてあります。
このような団体がここを訪れ、友好の象徴ともなった杉浦少尉に祈りを捧げるのです。
冒頭の写真の何人かは海軍の略帽を被っていますから、
おそらく杉浦少尉と同じ予科練出身の元軍人ではないかと思われます。



建て替えをしたときには台湾の新聞でも報じられました。

わたしが見た記事は、飛虎将軍、杉浦少尉のことが
「歌になり、近くの小学校でそれが訓話にもなって教えられている」というものでした。

この廟所蔵のアルバムには、その近くの小学校、安慶国小学校
学校劇としてこのストーリーを取り上げた様子が残されています。
アルバムの写真を撮影させていただきましたので、ご覧ください。



子供たちが皆戦闘機の羽をつけて飛行機になっています。
こちらは零戦のパイロット、杉浦飛曹長です。



こちらはアメリカ軍、グラマンF6Fのパイロット。
なんだか一人ずつ状況説明をしているようですね。



スタンバイ中の戦闘機群。
女の子も零戦に乗ってます。
がんばれ。



パイロットと言えど女の子、
出待ちの時には身支度を整えます。
この道具はすべて子供たちの手造りによるもの。
皆がそれらしいヘルメットを被っているので「?」と思われます?

ここ台湾では誰もが自転車よりスクーターに乗って移動します。
二人乗りは当たり前、子供を前に乗せるのも違法ではない模様。
スクーターの足元に荷物や犬を乗せているのを見たこともあります。
というわけで、子供でも必ずこのようなヘルメットを持っているのです。



こんな店が町にはたくさんあります。
日本よりずっと安い値段で買えるようですね。



壮烈な空中戦の情景・・・・・・・・ということなんですが、
・・・・・・かわいい・・・・・・(^.^)

こんな感じで、子供たちのに劇はこのあと「杉浦飛曹長の戦死」
「幽霊目撃話」と続き、



「飛虎将軍廟の建設」にいたるまで、
丁寧にこのいきさつが盛り込まれています。



この劇は安慶国小の先生が企画し、脚本を書きました。
このお話を語り継ぎ、この搭乗員の勇気ある戦死に感謝し、
そして皆さんも人を思いやる飛虎将軍のような心を持ちましょう、
と子供たちに教えてくれているのです。
日本人でもこの話を知らない人間がたくさんいるというのに。


後ろ姿で「農民役」「飛行機役」がわかりますね。

戦前の日本なら、この話はきっと教科書に載るでしょう。
というか、日本の教育は、どうしてこういう人物の話を子供たちに教えようとしないのか。
君たちの国は戦争を始めた悪い国だった、それというのも軍隊なんか持つからだ、
などとしか教えようとしない教育から、「人を思いやる気持ち」を知る心が育つでしょうか。
全く、日教組の××教師どもにはこの先生方の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたい。
この際無理やり口をこじ開けてでも・・・おっと、この話はまた。



「飛虎将軍の心に感謝し、人を思いやる心を皆さんも持ってほしい」
とスピーチする校長先生。
このお芝居はクリスマス会の出し物として行われたようです。
サンタさんの格好のままでこういうお話をする校長先生に萌え~。



課外授業でここの見学ももちろん行われました。
皆、手に手に資料らしきものを持っていますね。
若い女の先生のしぐさにも萌え~。



こうやってお祈りするんですよ、と先生。
神仏に対する礼拝の礼儀を小さいときからきっちりと教える。
素晴らしい教育ではないですか。

全く、生徒のための卒業式で国歌を歌うの歌わないので大騒ぎ、
自己発現のデモンストレーションで政治活動をする日教組教師には
この先生の爪の垢でも(略)



そして説明員のお話を聞いています。
リュウTさんが本読みのボランティアをなさっているという話がありましたが、
この人もそのような立場の方でしょうか。
子供たちの心に、この飛虎将軍のお話はどのように響いたのでしょうか。




台湾には、昔統治時代に台湾の人々に慕われ、尊敬された結果、
この飛虎将軍のように「神様」になった日本人が何人もいます。
その人生をかけて荒れ地だった土地に治水工事をした人物。
村人のために献身的に働き、税金を免除してくれと上告したが「住民煽動」
の疑いをかけられ、抗議の自殺を遂げた警察官。

民族的ナルシシズムや国威発揚とは全く関係なく、
日本人にはこんな人物もいたと言うことを知るとともに、
なぜかれらが「神様」として愛され続けているのかを知ることは
今の日本の子供たちにもっと必要な教育なのではないでしょうか。

それは、その時代に生きていたわけでもない子供たちに「過去の反省」を強いるより、
結果的にはずっと確かな平和教育となりうると思うのですが。