ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

台湾新幹線の旅「台南~台北」

2013-01-12 | お出かけ

台南には四泊滞在して、結構精力的に歩きました。
といっても、我々の旅のテーマはあくまでも「一期一会」ですから、
最初から予定を決めずに成り行きでその都度足の向くまま気の向くまま。
それでも今まで「失敗」と思えることはなかったのは、インターネットのおかげ?

今回も、下調べはろくすっぽせずに、飛虎将軍廟も前日までネットの
「陸軍の航空兵」だと思っていて、さらにたまたま話をした方が
「これは確か中国人じゃなかったっけ」などとおっしゃると、「そうでしたっけねー」
とあっさり納得してしまうくらいのいい加減さ。
方向性だけ決めて後は全て直前に予定をネットで調べ
「明日ここ行こうか」(エリス中尉)「さんせーい」(TO)
うちはこういう時は夫唱婦随から婦唱夫随へと役割分担を変えます。

しかし、だからこその面もあって、最終日台北は週末で、行こうと思っていた
総統府見学ができないということになったとき、ある読者(某・鬼塚曹長)がちょうど
「『忠烈祠』に行ったことがあるのだが、台湾の靖国神社のようなものであるから、
きっとエリス中尉が行けばいろいろと感想を持つであろう」というメールを下さり、
さっそく行先をそのメール通りの忠烈祠に変えることを指揮官として決断し、
こういうときは何一つ定見を持たない家族に感謝されたりしました。

さらに、お土産などもmizukiさんおすすめのパイナップル糖にしようとするも見つからず、
しかし同じ果物つながりでパイナップルケーキにして、非常に喜ばれましたし。
こんなところでも、読者の方々にお世話になっております。
あらためましてお礼を申し上げる次第です。


さて、いよいよ台南を去ることになり、ホテルから新幹線の駅までタクシーで向かいます。
実は新幹線の台南駅と本当の台南駅の間にはかなり距離があります。
電車で約20分。
千葉にあるディズニーランドや成田空港が東京を名乗っているようなものです。
が、こちらの方がはるかにマシな距離だと言えましょう。



台南駅のホームからの眺め。
なーんにもありません。
なんにもないところだから新幹線の駅を作ったのでしょうが。



台南と言う新幹線駅に併設しているのは沙崙(シャルン)と言う駅。
ここからローカルで台南まで数駅です。
行きはこの電車に乗りました。
一台乗り過ごしたら、次は30分後です。



最初に台南に着いたとき、ホテルまでタクシーに乗ろうとしたら、TOが
「台南駅まで6000円もかかるんだって」と言うので電車に乗りました。
しかしこれは間違いで、帰るときにホテルの人に聴いたら、
実は新幹線台南から台南駅までは1800円くらいだということがわかりました。
まあ、ローカル線の20分の旅は楽しかったので良しとしましょう。

帰りはためらいなくタクシーに乗りました。
ローカルは上りも30分に一本くらいなので、時間の節約です。



台湾の駅弁は美味しいらしい、とうわさを目にしていたので、
一回くらいは食べてみたかったのですが、残念ながらこのとき、
出がけにホテルの美味しいランチを食べたばかり。
涙を呑んであきらめました。



しかしあきらめきれないエリス中尉、パンフレットを見つけせめて写真を撮ることに。
上のお弁当屋さんのは、いずれも鶏、牛、豚などがご飯の上に乗った「わっぱ飯」。
すごくすごく美味しそうでした。
この写真のどれよりも、食べてみたかった・・・・・(T_T)



新幹線のダイヤはだいたい20分に一本くらい。
日本のように芸術的なまでに緻密なダイヤ運行ではなさそうです。
人が絶えない日本の新幹線ホームと違って、一本行ってしまうとホームは無人状態。



することがないので30分前にホームに着いてしまった我々、
無人のホームでぼんやり本を読んで過ごしました。
一本早いのに空席があれば変えようとしたら、なんと手数料がいることが判明。
ひとり1500円くらいだったので、もったいないからやめました。
しかし、妙なところで法外な料金を取るものです。

1500円といえば、台湾人の貨幣感覚では5000円弱、ってところですからね。



こういう光景が見えてきたら、もうそろそろ到着。



車内販売のお姉さんは、新幹線カラーのオレンジのベスト着用。
斜め掛けした皮のカバンにお金が入っているようです。
これも残念ながら、車内で何か欲しいという気分ではなかったため、
写真だけ撮って終わりました。
ちなみに使用しているカートも全く日本のものと同じに見えました。
こういうものも、ついでに買ってくれたのかもしれません。
「コアラのマーチ」やポカリスエットなど、売っているものもほとんど一緒です。

日本の新幹線の売り子は、昔「お弁当にお茶~」と連呼しながら歩いて、
「寝ている人もいるのにうるさい」とクレームが出たため、ちりんちりんとなる鈴をつけ、
車内を行きかうようになりましたが、ここの車内販売は黙ってカートを押すのみです。
連呼すればうるさい、黙って歩けば気が付かないうちに行ってしまった、などと
あれこれと文句の多い客にもなんとか対応しようとするのが日本式ですが、
ここでは「そこまでやってられません」って感じでしょうか。

気になって見ていたのですが、さすがに戸が閉まる前に、
日本のようにくるりと振り返ってお辞儀をしたりはしませんでした。
これも、「そこまでやってられません」ってことでOK?

ところで、社内の広告は気のせいか日本企業ばかり。
やはり日本に気を遣っているのか、それとも日本企業の独占なのか。



台北駅に到着。
今写真を見て知ったのですが、どうやらこの駅舎も、
近々建て替えに入るようですね。
時計の下の巨大な工事計画表を見よ!

ちなみに大きな電光掲示板の時計は止まっているようです。
この時はお昼のせいぜい2時くらいでした。




台北では、エスカレーターでは右に立ちます。
片側を開けるのは、日本と同じ。
というか、日本だけじゃなかったんですね。
アメリカではこういうのを見たことがありませんが、
ヨーロッパではどうなんでしょうか。



やっと見つけた!台湾の「軍関係ネタ」。
駅舎の中の空軍パイロット募集の広告。
赤い字は
「空軍を選んで君の人生に鮮やかな色の絵を描こう!」
ってところでしょうか。
「就学班隊」と「就業班隊」はどう違うんだろう。

そしてそもそもこの御風、って何かしら。
「風になる」とかかな。

 

実は泊まったホテルの向かいにこんなビルがありまして。
814空軍記念、なんて書いてあるのでわざわざ見に行きました。
全く英語のできないお姉さん二人を相手に苦心して聴きだしたところ、
どうやら「空軍関係者のための共済組合ホテルのようなもの」
とわかりました。

 

各大隊のワッペンがロビーに掲げられています。
それから、台南ではどうやら昔の「台南航空隊」「第201航空隊」の
後の飛行場を軍が使用してでもいるのか、時々軍用機が飛翔するのを見ました。
F2かF16かはわかりませんが、戦闘機が二機飛び去ったのもみましたし、
一度はヘリコプターの大編隊も。



でも写真に撮れたのはこれ一枚だけ。orz
しかもこれは台南ではなく、烏山島ダム上空です。
これは・・・シーホークかな。
外国軍なのでどうでもいいや。(←)




さて、寄り道しましたが、台湾新幹線。
しつこいですが、新幹線とは正式に言わないにもかかわらず、
台湾の人すらみんなが新幹線と呼ぶ新幹線。

日本のJRに当たるのが台鉄です。
エリス中尉の乏しい中国語の知識でも、ここに書かれているのが

「台鉄が売るのは切符だけではありません」

つまり、鉄道業務だけではなく、車両や設備に始まり倉庫や土地などの
不動産なども広く扱っている、ということだとわかります。

日本の鉄道会社が阪急東急などの「急系」を始め、
このような鉄道を起点とした都市開発、流通業を一体的に進める、
「私鉄企業系事業」を行っているのは今や日本での常識ですが、
この、もともと阪急の小林一三が起こした事業モデルを、
台湾の国鉄も同じようにやっているということのようです。

台湾は国営、公社、軽便の三種の鉄道経営母体を持っていて、
どうやら日本の私鉄に当たる会社は無いようです。

ところで台湾の新幹線、車体は日本からのものですが、
実は100パーセント日本式ではなく、
電気、制御系統はフランスのTGV方式を採用しています。
この混合が、開業の遅れにつながった、という面もあるのですが。

地形の違いとか、いろんなところとの付き合いとか、まあ
契約に関してのしがらみがいろいろあってのこの決定だったと思いますが、
決してわたしが日本人だからいうのではなく、
台湾の人たちはこれを「日本製」だと思っていると思うんですよ。

だからみんな普通にこれを「新幹線」って呼ぶんでしょ?