どこに行っても決して勤勉に予定を詰め込まないのが我が家流旅行。
相変わらず気分が乗らなければホテルにいるなど、言いようによっては
「もったいない」観光なしの毎日を送っております。
とはいえ一度は台北で今一番先端を行く高層ビル
TAIPEI101に行ってみようということで、出かけてまいりました。
年越しには花火で包まれ、人がそれを観ようと集まっていたあのビルです。
まずホテルをハワードプラザから本来のウェスティンホテルに移動。
本当は去年も宿泊したウェスティンに連泊したかったのですが、
旅行を思いつくのが遅すぎて移動を余儀なくされたのでした。
去年工事中だったロビーが完成し、その記念に、
飾りと言うにはあまりにも巨大な飾りがロビー中を占拠しています。
部屋はモダンシンプル。
さんざんお茶を飲んで時間をつぶし、タクシーで101へ。
窓から見える台北の町を写真に撮ってみました。
牛肉麺の店。チャンピオンの牛肉麺、と日本語で宣伝。
何かとタイトルや権威に弱い日本人向けの看板です。
「房屋」というのが不動産屋のことらしい。
バスの行先に「板橋」発見。
隣に泊まったピザハットの宅配バイク。
袖までが燃えておる。
手機直撥請加、というのは注文のための電話をここにしてね!かな。
阪急百貨店。
石川県の物産展をやっているようです。
この地域には三越もそごうもあります。
どうも台北市議会のような。
政府、と言う言葉の意味が若干違うようですね。
車窓からカメラで景色を撮りまくっているうちに101到着。
上が若干広がるように見える形に設計されているので、
下から見たときの迫力は満点です。
オブジェの前で写真を撮る人たち多数。
この日は土曜日で観光客の数多し。
2004年にできたときには台湾最高の高さだったようです。
101というのはたぶん101メートルあるから。(←たぶん)
ロビーにはまだクリスマスツリーがありますが、25日の深夜には
ツリーを片付けてしまって正月飾りに変えてしまう日本と言うのが、
世界基準で言うとかなり不思議な国だというのはご存知ですか?
アメリカなどでも、たいてい正月明けまではクリスマスソングを流し、
さらにはツリーも一月いっぱいまで飾っていたりします。
ツリーが「角松」みたいな扱いなんですね。
ちなみにアメリカでは一月終わるころ、ツリーを家の前に出しておくと、
専門の業者が回収してくれます。
我が家は帰国後も生木のツリーにこだわってかざっていたのですが、
用済みの木を回収してもらうのにお金がいることがわかり、
しかも要請してそれを集積場にだすまでに一か月くらいかかり、
業を煮やして業者に頼んだら5000円よこせと言い出す始末。
何年かで懲りて生木はあきらめることにしました。
さて、このビルに入ってみて、まず最初に目についたのは本屋さん。
お洒落で文具なども扱っている日本風の大型書店です。
ステーショナリーのウィンドウ。
日本の本が実にたくさん翻訳されています。
311の後、福島に残された動物たちと、その死体など、
目を覆うような写真を撮った写真家がいますが、その写真集が、
二巻とも翻訳されて売られていました。
ルース・ベネディクトの「菊と刀」。
アメリカ文化人類学史上最初の日本文化論と言われています。
アメリカ政府は二次大戦の際、「敵を知る」研究や助言のために学者を集めましたが、
彼女もその一人でした。
日本文化論と言うのがここ台湾でも非常に関心を集めているということでしょうか。
いかにも最近された装丁と言う感じです。
女の子たちの間でもひそかに人気の「日本風」。
日本人形がキャラクター化されたシリーズ。
虫眼鏡コーナーにツァイス発見。
台北の空港の認識カメラにもツァイスレンズが搭載されていたらしく
息子が後で「気が付いた?」と教えてくれました。
ご存知ない方のために説明しておくと、昨年夏わたくしは
カールツァイスレンズ搭載のカメラを購入、
それに関する話題でブログは一部一時異常な盛り上がりを見せ、
何かと言うとカールツァイスを連呼するエリス中尉には
「もうええっちゅうの」
という読者の呆れた声が聞こえてきた気もしました。
2012年のエポックメイキング的出来事です。
このブログの読者であればたとえ中国語でも何が書いてあるのか
わかってしまいそうな「軍事コーナー」の書籍。
大徳意志師戦史とはドイツ軍関係、地面武器は地雷かな。
槍戦、ってなにかしら。
そういえば台湾とも尖閣所有を争っていたんでした・・。
李登輝元総統が「尖閣は日本のもの」と言ってくれたのだけど、
馬英久はそうではない模様。
ところで今回、李登輝氏に関係の深い方にお会いする機会がありました。
それが誰かはまた後日のお楽しみ。
たぶんアメリカの乙武さん。
息子が旅先で読む本が欲しいと言い出したので、何冊か買ってやりました。
その後初めてビルのメインフロアに行ってみたのですが、
ミウミウにプラダ。
右手にはエルメネジルド・ゼニアのショップ。
ローロ・ピアーナ、バーバリー、ディオールがこの周辺に。
右はロイヤルサルートのデモンストレーション。
日本にもめったにないくらいのゴージャスなモールです。
この世で思いつく限りの高級ブランドが一堂に。
これらのお店を求めて、押し寄せる中国人の群れ。
地元台湾の人よりも大陸からの成金中国人が多いように思われました。
明らかに台湾人よりダサく、態度と声がでかいのが大陸人。
日本人の我々にも見分けがつくほどはっきりと違います。
見ためだけでなく、こんなこともありました。
我々が地下のフードコートにいたとき、近くで喧嘩が始まったのです。
席に着いたままの男性がその前に立った女性と大声で争っています。
男性は30くらい、女性は40くらいでしょうか。
中国語なのでなんで争っているのかさっぱりわかりませんが、
とにかく日本ではありえない光景です。
どちらも大陸からの観光客らしく、いっぱい紙袋を抱えています。
言い争いはたっぷり5分は続き、その間全く勢いの衰えない女性に対し、
男性もいちいち言い返していましたが、女性の連れが興奮している女性を
抱きかかえるように男性から引き離し、連れて行きました。
中国に赴任した人から聞いたのですが、中国では始終街中でこんな喧嘩が起こり、
そうなるとあっというまに野次馬が人垣を作るのだそうです。
知人の知っているケースでは男女が言い争い中男性が女性の服を脱がせて侮辱したため、
男性が死刑になったという全く笑えない事件でした。
やはり一口で言うと「民度が低い」と言うことになるのでしょうか。
台湾では今、大陸からの中国人の観光客の起こすトラブルが、
日本のように問題になっているということです。
その問題の起きた地下のフードコートは、スーパーマーケットもある
大変広いスペースにあります。
ここでわれわれはお昼ご飯にしました。
一通り回ってみましたが、ものすごい数のお店です。
日本風の回るスシはもう当たり前。
中華料理にいたっては何を基準に選んでいいかわからないくらい。
日本のモールには決して見られない鳥の頭つき肉。
これを見て中国人は「美味しそう」って思うってことなんでしょうね。
自分自身を思いっきり看板にし、さらには似顔絵をキャラクターにする
「ナルシスト型経営者」はここ台湾にもいるようです。
日本式ラーメン専門店。
北海道のお店が出店しているようで、スタッフは日本人でした。
わたしたちが食べた「日式カレー」。
骨付き鶏肉とオムライスの上にさらにカレー。
なんとオムライスの中のご飯は五穀米。
お味もフードコートのものにしては上出来の美味しさ。
やっぱり台湾の食は侮れません。
デート中の若いカップル。
女の子のスタイルは茶髪、足見せファッション、ブーツと、
メイクも皆日本とほとんど変わらないのですが、
男性はほとんどが全くもっさりした感じで、つくづく日本の若い男は
身なりに気を使っているなあ、と妙に感心しました。
しかし、たいていの外国人はどこの国に行ってもカップルを見ると
「女の子はこんなにかわいいのに、どうしてこんな男と」
みたいに感じると言いますから、もしかして日本男もそう思われているのかも。
さて、そんな最先端のショッピングプレイスである101ですが、
日本人にとってはとても受け入れられないことがあります。
それは、トイレに紙が流せないこと。
空港のトイレで「絶対に紙を流さないでください」という表示があって、
結構愕然としたのですが、流すと管が詰まってしまうんですね。
流していいのはホテルくらいで、後はたいてい横に大きな桶があって、
それに捨てるようになっています。
これが潔癖症の日本人には耐えられません。
なんと最新設備をいたるところに搭載し、エレベーターは日本製の
超高層ビルでさえ、トイレに紙が流せないのです。
もしかして日本って、これだけでもいい国ですか。
アジアで紙をトイレに流せる国って、もしかしたら日本だけですか。
さて、101を出てホテルに戻る道でもまた写真を撮りました。
安ホテルなんですが「宿泊」「休憩」があります。
こんなところで休憩する人がいるのか・・・・・。
全般的に、建物の外装が放置されていてあまりきれいでないのが
台湾と日本の街並みの大きな違いかもしれません。
日本では建物の建て替えをすぐに行うことがその理由ではないかしら。
右側の「奇異広告」の「奇異」はおそらく日本とは違う意味だとおもいます。
日本にはあまり見られない極限に汚いアパート。
007なんかで犯人のギャングが潜んでいそうです。
麻薬の売人とかね。
台湾大車隊。
単なるタクシー会社の名前ですが、なんとなく軍隊調で勇ましい。
マッサージセンター「君の元気」。
歯医者とホテルが同居するビル。
しかも一階はどうやらどちらでもないようです。
狛犬の横に野良犬発見。
野良犬、っていうのも日本から姿を消したものですね。
昔は都市部にも結構いたんだそうです。(よね?)
最新の設備を備えたブランドショップの一堂に集まるインテリジェントビル。
同じ町にはそれとは対照的な「古くて汚い未開発の部分」が混在します。
こういう「異国の光景」をただ見るのも旅の醍醐味です。