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開設1000日記念シネマギャラリー(戦争映画編)前半

2013-01-13 | 映画

年忘れにするはずだったシネマギャラリー、
年末にいろいろあったので年初めシリーズにしようと思ったのですが、
台湾旅行でこのブログ的に語りたいことが多すぎて、
この旅行のクライマックスともいえる部分についてはまだ製作中、という状態。

それにもかかわらず、ふと気づけばブログ開設して今日で1000日。
いろいろありましたが(遠い目)、1000日。

1000日で思い出すのは映画「1000日のアン」。
アン・ブーリンが結婚してからヘンリー8世に飽きられて斬首されるまでの
1000日間(正確には何日か知りませんが)を描いた映画です。
しかし新年早々縁起でもない雑学をひけらかしている場合ではありません。

ここはひとつ、1000日間のご愛顧とこのブログのいやさかを念じて、
思いっきり皆様に御礼並びにご支援を賜るべく平身低頭してまいる所存です。
(一応念を押しますが、最後の一行の言葉をまともに取らないように)


というわけで、せっかくきりのいい数字なので、回顧ギャラリーをすることにします。
このブログのもっとも得意とする「戦争映画」編から。

「不如帰」丹波哲郎


若かりし日の丹波哲郎
映画「不如帰」からの一シーン。
これは戦争映画ではありませんが、登場人物が海軍軍人なので。
主人公の海軍中尉武男の妻浪子に懸想する陸軍軍人。
男前にはこういうヒールもよく似合います。

「聯合艦隊」丹波哲郎


同じ丹波哲郎の数十年後。
映画「聯合艦隊」で沈みゆく瑞鶴に敬礼する小沢冶三郎

「フルメタル・ジャケット」マシュー・モディーン


いまだに毎日のようにヒットがある「フルメタル・ジャケット」のページ。
主人公のジョーカー役、マシュー・モディーン。
銃撃事件で話題になったバットマンの最新シリーズにも出ていました。



伝説の軍曹、ハートマン。
リー・アーメイの「鬼軍曹っぷり」のおかげで
今ではすっかりハートマンは鬼軍曹の代名詞に。

「日輪の遺産」


浅田次郎原作「日輪の遺産」
わたしは浅田次郎の作品がわりと好きですが、これは読んでいません。

おそらく映画化に際しては、原作者が全く望んでいない、というか、
思ってもいない展開になったのではなかったかと勝手に思い込んでいます。

だって、あの浅田次郎がこんな妙なストーリーの話を書くはずないもん。
もし映画がストーリーの通りなのだったら、浅田次郎はもう信用ゼロ、というレベル。

音楽だけが個人的に評価できる映画でした。
でも、この映画、好きか嫌いかだけで言ったら、なぜか好きです(笑い)

太平洋の奇跡「キスカ」


キスカ守備隊の海軍軍医を演じる平田昭彦(様)。
この平田様は、エリス中尉、主人公でもないのに似顔絵を描いてしまう程度にファンです。
ただし若いときに限る。

「さらばラバウル」


そう、このころですね。
キスカとは全く関係ない映画「さらばラバウル」から引っ張ってきた
平田昭彦画像。
この映画のDVDが欲しいのですが、いまだに見つかっていません。

「ろ号潜水艦浮上せず」
 



出てくる俳優全てが超絶演技下手にもかかわらず面白かった
「ろ号潜水艦浮上せず」
と、一部読者に大うけだったヒロインの俊足芸者幸子さん。

で、改めていま気づいたのですが、先任将校の「艦長・・・・」というセリフ、
艦長の艦が金へんになっていますね。
賀新年事件といい、これといい・・・・・。
謹賀新年と違ってこれは手書きであるため、変換ミスという言い訳もできません。
昔のログを改めて読んで、変換ミスを発見するのはエリス中尉の日常茶飯事でもありますが、
これは自分で書いている文字だけになかなかショックなものがあります。


「最後の特攻隊」


最後の特攻隊、と言いながら出撃するのは宗方大尉ただ一人だったりします。
鶴田浩二、高倉健を主役に据え、豪華男優を惜しみなく使った東映の意欲作ですが、
いかんせん俳優の年齢が高すぎて、終戦間際に思えない絵面になってしまったのが残念。

「零戦黒雲一家」


裕次郎の青春活劇戦争映画「零戦黒雲一家」
荒唐無稽なアクション映画風で、裕次郎の魅力だけを前面に出した映画と思いきや、
読者の方のコメントにより、撮影に自衛隊の実機を使っていることが判明し、
あらためて驚かされました。

これも裕次郎のご威光?あなどれないわー。

「特攻 零」



主人公の撃墜王(笑)は仮面ライダー上がりとか。
その珍走団的特攻隊員の描写を大笑いしながら楽しむための大爆笑ネタ映画。
中途半端によくできた映画を観るなら、いっそこっちの方をお勧めします。
エンターテインメント作品として、ある意味秀逸です。皮肉でもなく・・・皮肉かな。

日本海海戦「海ゆかば」



日露戦争のころまだ作曲されていない「海ゆかば」が、なぜかタイトルになっています。
日本海海戦の旗艦であった戦艦「三笠」乗り組みで、砲兵として
激しい戦いに身を投じた軍楽兵を、亡き沖田浩之が熱演。

全体的に非常によくできていて、音楽映画としても見ごたえがあります。
明治時代の海軍軍楽隊について知りたい方必見。

ガッツ石松の熱演も見ものです。
最近あるところでガッツさんのインタビューを読んだのですが、
「ガッツ石松としてどこかに出たらあとはわからないふり、馬鹿なふり。
わりきって、ばかにばかと言われるのは実に楽しい」
みたいなことを言っていて、へええ、と思いました。
「ガッツ石松伝説」はすべてガッツさんの創作だったのか。

「カッコーの巣の上で」のジャック・ニコルソンを思い出してしまいました。

「大日本帝国」


今見ると立派な左翼映画、「大日本帝国」
この大仰なタイトルそのものが「製作者の日本に対する皮肉」だと断定してみました。
それにしても、篠田三郎って、このころ人気絶頂だったようなのですが、どこに行ったんでしょう?
戦争映画ってある意味「その時の流行の俳優」が起用されるので、
(例:『聯合艦隊』における金田堅一、『雷撃隊出動』における灰田勝彦)
「あの人は今」に出てくるような顔がときどきありますね。

90年代初頭くらいまで毎年夏になると公開されていた戦争映画には、
予備学生出身、松林宗恵監督などの、「戦ったものへの敬意と慰霊をこめた映画作り」
をする監督が携わっていたようですが、
反戦反体制反皇室を謳い、監督自ら「左派思想による映画」と表明したこのような映画が
台頭してきたあたりから、日本における「戦争映画」の流れが変わってきたように思います。

以降の映画にこのようなはっきりとした反天皇思想はないとはいえ、よりいっそう
映画人に多いといわれる左派思想をベースにした「自虐的」表現が増えてきたというか。

しかし、現状としてたとえどんな自虐的なものであっても戦争映画であるというだけで
「戦争賛美だ!」と公開前から騒ぐマジ基地な人たちに糾弾されてしまうらしいのが、
何とも「日本的」と言えば日本的です。
戦争映画を作る人たちにとっては右だろうと左だろうと真ん中だろうと、
どちらにしても弁明を避けられないご様子で、実にやりにくいことであろうとお察しします。


というわけで、これでやっと半分紹介しました。
残りは明日です。